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Revit 2024の新機能と廃止された機能とは?Revit LTとの違いやバージョンアップのタイミングも解説

Autodesk Revit 2024は、2023年4月4日にリリースされた3D CADです。(*1)

建築設計とインフラ設計ができるほか、チームで作業しやすい「Revit クラウド ワークシェアリング」や、BIMに適した「BIM Collaborate Pro」など、BIM機能が強化されています。

Revitの最新バージョンはRevit 2025で、2024年4月4日にリリースされています。(*2)(記事執筆時点2024年7月18日)

バージョンアップで廃止される機能もあるため、作業内容によっては前バージョンのほうが使いやすい場合もあるかもしれません。

この記事では、Revit 2024の新機能と廃止された機能についてご紹介します。

Revit LTとの違いや、Revit 2024やRevit 2025へのバージョンアップのタイミングについても解説していますので、切り替えの時期に迷っている方はぜひご一読ください。

この記事を読むと以下の3つのことがわかります

1.Revit 2024の新機能・廃止された機能

2.Revit 2024とRevit 2024 LTの違い(機能・価格)

3.Revit 2024、Revit 2025にバージョンアップするタイミングは?

Revit 2024の新機能

まず最初に、Revit 2024の新機能について見ていきましょう。

プロジェクト ブラウザの拡大表示が可能に

「プロジェクト ブラウザ」は、すべてのビューやシートが表示された小さな画面です。

この小さな画面の中にパーツの論理階層が表示されているのですが、文字が小さすぎて見づらく感じたことはないでしょうか?

Revit 2024では、プロジェクト ブラウザ内がズーム表示できるようになりました。(*3)

キーボードの[Ctrl]キーを押しながらスクロールすると、プロジェクト ブラウザの内容が拡大できます。

大きな文字で表示できるので、細かなシート名なども見やすいですね。

地形ソリッドの簡略化

地形ソリッドは、要素が多くなるほど計算負荷が大きくなり、PCのパフォーマンスに影響を与えます。

そこで、Revit 2024では要素の点を減らし、地盤面を簡略化してパフォーマンスを改善する機能が追加されました。(*4)

ただし、地盤面の条件によっては、等高線の精度と外形が変わってしまう可能性があります。

要素が足りない場合は、必要に応じて点を追加しましょう。

要素を維持する割合は「%」で指定することができます。地形ソリッドを確認しながら、必要な精度を保って表示させましょう。

3D ビューの要素から解析用モデルを自動生成

Revitで建築物のエネルギー解析を行うには、エネルギー解析用モデルを作成する必要があります。

これまでも、建築モデルからエネルギー解析用モデルを自動生成する機能がありましたが、Revit 2024ではさらに、3D ビューに表示された特定の要素から生成することが可能になりました。(*5)

Revit 2024では、切断ボックス、ビュー フィルタ、表示/グラフィックスの上書きを利用して、3D ビューに表示された要素から解析用モデルを自動生成することができます。

Revit 2024から廃止された機能

Revit 2024では多数の便利な新機能が追加されましたが、廃止された機能もあります。

ここでは、Revit 2024で廃止された機能について見ていきましょう。

建築舗装のオプションの削除

Revit 2024から、建築舗装の構造と深さを編集できる「建築舗装」機能が削除されました。

Revit 2024で建築舗装を作成する場合は、Revit 2023で作成した建築舗装をRevit 2024で読み込むか、地形ソリッドの作成によって作成します。(*6)

最新バージョンのRevit 2025では、建築舗装要素を読み込んだ場合、表示とグラフィックスを修正するか、タイプを変更する、構造を修正するなどの方法で操作できるようになります。(*7)

天候タブの削除

Revit 2024では、「位置と外構」ダイアログの「天候」タブが表示されなくなっています。(*8)

「天候」タブはRevit 2022の機能で、モデルの物理的位置を指定してエネルギー解析をするための機能です。(*9)

Revit 2023からは「天候」タブが削除されましたが、前バージョンのRevit 2022なら引き続き利用できます。

必要な場合は、Revit 2022をインストールして使いましょう。

ただし、「天候」タブはRevit LTでは使用できないため注意しましょう。

Revit 2024とRevit 2024 LTの違い

Revit 2024から廃止された機能をご紹介しましたが、使ったことがない方もいるのではないでしょうか。

基本的な機能しか使っていない場合は、機能の少ないLTシリーズに乗り換えることでコストを削減できるかもしれません。

ここでは、Revit 2024とRevit 2024 LTの違いを見ていきましょう。

Revit 2024とRevit 2024 LTの機能の違い

Revit 2024にあって、Revit 2024 LTにない主な機能はこちらです。(*10)

・高度なモデリング

・コラボレーション機能

・シミュレーションと解析

・APIと自動化

コラボレーション機能は、ワークシェアリングなどの共有機能です。APIと自動化には、ジェネレーティブデザインなどの自動モデリング機能が含まれています。

高度なビジュアライゼーションやプレゼンテーション、基本的な建築モデリング機能は、Revit  LTでも同じように使えます。

高度なモデリングを必要とせず、基本的な建築モデリングのみで良い場合は、費用が比較的安価なRevit LTも検討してみましょう。

Revit 2024とRevit 2024 LTの価格

Revit LT 2025の価格は、83,600円(1ユーザー/1年間)です。(*11)

Revit 2025の価格が453,200円(1ユーザー/1年間)であることから、かなり安価に購入することができます。(*12)

オートデスクのソフトウェアは、最新バージョンのほか、3つ前のバージョンまで使用できる「前バージョン使用特典」があります。(*13)

例えば、Revit 2025を購入すると、Revit 2024、Revit 2023、Revit 2022の3つのソフトウェアもダウンロードできます。

使い勝手などの不安から最新バージョンへのインストールを迷っている場合も、前のバージョンに戻すことができるので、チャレンジしやすいのではないでしょうか。

Revit 2024、Revit 2025にバージョンアップするタイミングは?

Revitは、最新バージョンのリリース直後にインストールのトラブルシューティングが掲載されることもあります。(*14)

バージョンアップのタイミングは、リリース直後よりも、半年ほど経ってトラブルシューティングが発表されてからのほうがスムーズでしょう。

また、最新バージョンでは、作図に関する多くの問題が解決されています。(*15)

Revit 2024では、3D形状で楕円に関する操作ができなくなる問題や、大量の要素のコピー&ペーストの安定性が向上するなどの問題が解決されました。

Revit 2022やRevit 2023を使っていて、操作に問題を感じている場合は、最新バージョンにインストールすると解決する可能性があります。

まとめ

Revit 2024では、作業時間短縮のための新機能が強化されています。

一方で、建築舗装要素や天候機能が廃止となりましたが、旧バージョンでは引き続き使うことができます。

高度なモデリングや解析が必要ない場合は、機能の少ないLTシリーズでコストを削減する方法もあります。

Revit 2024、Revit 2025にバージョンアップするなら、インストールのトラブルシューティングが掲載されてからがスムーズでしょう。

必要に応じて最新バージョンと旧バージョンを使い分けて、作業効率を上げていきましょう。

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◆参考URL

*1 オートデスク ニュース「お客様のご要望を反映した最新の Autodesk Revit 2024 をリリース」

https://blogs.autodesk.com/autodesk-news-japan/revit-2024/

*2 Technology Perspective from Japan「Revit 2025 リリースのご案内」

https://adndevblog.typepad.com/technology_perspective/2024/04/revit-2025-release-announcement.html

*3 Autodesk Revit 2024「プロジェクト ブラウザのナビゲーションの機能強化 (2024.1 の新機能)」

https://help.autodesk.com/view/RVT/2024/JPN/?guid=GUID-CD3E1B93-EB72-4484-8F6C-D7EBBD935634

*4 Autodesk Revit 2024「地盤面を簡略化する (2024.1 の新機能)」

https://help.autodesk.com/view/RVT/2024/JPN/?guid=GUID-332C00ED-8157-495E-9EF9-250B32E4A380

*5 Autodesk Revit 2024「3D ビューの要素でエネルギー解析用モデルを作成する (2024 の新機能)」

https://help.autodesk.com/view/RVT/2024/JPN/?guid=GUID-B11976E6-18BD-4C6A-B407-A0739014B274

*6 AUTODESK「Revit 2024では、Revit 2023のように建築舗装を作成することはできません」

https://www.autodesk.co.jp/support/technical/article/caas/sfdcarticles/sfdcarticles/JPN/The-creation-of-a-building-pad-is-not-possible-in-Revit-2024-as-in-Revit-2023.html

*7 AUTODESK Revit 2025「建築舗装」

https://help.autodesk.com/view/RVT/2025/JPN/?guid=GUID-A964AA13-39B6-4A4C-A230-9F69C8AA5D3A

*8 AUTODESK「天候タブがRevitにありません」

https://www.autodesk.co.jp/support/technical/article/caas/sfdcarticles/sfdcarticles/JPN/Weather-tab-is-missing-in-Revit-2022.html

*9 Autodesk Support「BIMにおけるエネルギーパフォーマンスと気候」

https://www.autodesk.co.jp/support/technical/article/caas/tsarticles/tsarticles/JPN/ts/1jpr14GEK6qUEyQgPzhIdr.html

*10 AUTODESK「Revit と Revit LT の比較」

https://www.autodesk.co.jp/products/revit/compare

*11 AUTODESK「Autodesk Revit LT」

https://www.autodesk.com/jp/products/revit-lt/overview

*12 AUTODESK「Autodesk Revit」

https://www.autodesk.com/jp/products/revit/overview

*13 AUTODESK「使用可能な製品バージョン」

https://www.autodesk.com/jp/support/account/manage/versions/previous-versions

*14 AUTODESK「Revit 2024.2 Updateをインストールする際に、「インストールされた製品がインストールソースと一致しません。」」

https://www.autodesk.co.jp/support/technical/article/caas/sfdcarticles/sfdcarticles/JPN/Revit-2024-2-Update-installation-fails.html

*15 Autodesk Revit 2024「解決された問題」

https://help.autodesk.com/view/RVT/2024/JPN/?guid=RevitReleaseNotes_2024release_Resolved_Issues_html

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