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AutoCADにおけるブロック機能の実行方法とは|作成・挿入・編集の手順を解説

AutoCADでは複数のオブジェクトを1つにまとめるブロック機能を使用することで、業務の効率性を向上できます。しかし、AutoCADには多様な機能が搭載されているため、ブロック機能の実行方法がよく分からないと悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

本記事ではAutoCADにおけるブロックの作成・編集・書き出しの手順を詳しくみていきましょう。

この記事を読むと、以下のことが分かります。
1.AutoCADにおけるブロックの概要と種類
2.AutoCADにおけるブロックの作成・編集・書き出しの手順

AutoCADにおけるブロックの概要と種類


AutoCADでは多種多様の機能を使用し、効率的に作業を進めることが可能です。多種多様な機能の中に、ブロック機能があります。ここでは、ブロック機能の概要とAutoCADにおけるブロックの3つの種類をみていきましょう。

概要

ブロックとは複数のオブジェクトを1つにまとめて定義できる機能です。(*1)まとめたオブジェクトは必要な数を何度も図面内に挿入できるため、膨大な量の細かい部品や建具などを配置する場合に便利な機能といえます。

ブロックを利用することで、都度図面にオブジェクトを作成する必要がなくなるため、作業効率の向上と時間削減が望めます。複数のオブジェクトを1つにまとめることで、データのサイズを軽量化できる点も利点です。

また、AutoCAD 2024年では新機能であるスマートブロックを利用できるようになりました。(*2)スマートブロックはブロックを挿入した場所を学習し、次に挿入する場所を提案する機能です。例えばドアのブロックを壁面に設置した場合、スマートブロックはドアと壁面の位置を学習します。次のドアブロックを挿入しようと作業を進めていくと、ドアを自動で設置してくれます。

3つの種類

AutoCADにおけるブロックの種類は次の3つです。

ブロックの種類概要
ブロック・内部および外部ブロックに分かれる・内部ブロックは同じ図面内で使用するブロック・外部ブロックは他の図面でも使用可能なブロック
ダイナミックブロック・ブロック設置後、分解せず部分的に形状を変えられるブロック
属性定義・部品名や価格などの文字情報を与える・与えられた文字情報は集計や表の作成などで利用可能

AutoCADにおけるブロックの作成・挿入・編集の手順


ここでは、AutoCADにおけるブロックの作成・挿入・編集の手順を詳しくみていきましょう。また、作成したブロックを他のソフトやユーザーに共有する方法も解説します。

作成の手順

ブロックとしてまとめたい全てのオブジェクトを選択しましょう。選択後、画層・色・線太・線種を決定し、コマンドを実行します。作成の実行方法は次の3つです。(*3)

・ホームタブ内にあるブロックパネルの作成をクリックする
・キーボードで「BLOCK」+EnterもしくはSpace(空白)を押す
・キーボードで「B」+EnterもしくはSpace(空白)を押す

コマンド実行後、ダイアログボックス「ブロック定義」が画面上に表示されるため、入力欄に必要な情報を入力します。入力の具体例として、ドアの場合は次のように入力およびチェックをしましょう。

入力欄入力内容
名前ドア
基点「挿入基点を指定」の欄にチェックを入れ、基点を設定する
オブジェクト「ブロックに変換」をチェックし、オブジェクトを選択する

挿入の手順

作成したブロックを図面に挿入する方法は次の3通りです。(*4)

・ホームタブ内にあるブロックパネルの「挿入」をクリックする
・キーボードで「INSERT」+EnterもしくはSpace(空白)を押す
・キーボードで「I」+EnterもしくはSpace(空白)を押す

コマンドを実行すると、挿入するブロックの候補一覧が現れます。対象のブロックを選択すると、「挿入位置を指定」のコマンドラインが現れるため、挿入したい任意の位置をクリックします。

編集の手順

ブロックとして登録している形状やサイズなどを変更したい場合、使用するコマンドはホームタブ内にあるブロックパネルの「ブロックエディタ」です。他にも次のような編集の手順があるため、分かりやすいものを選んで作業を進めましょう。(*5)

・対象となるブロックを2回クリック
・キーボードで「BEDIT」+EnterもしくはSpace(空白)を押す
・キーボードで「BE」+EnterもしくはSpace(空白)を押す

いずれかの手順を実行するとダイアログボックスの「ブロック定義を編集」が画面上に現れます。対象となるブロックを選択しOKをクリックすると、編集作業を進める「ブロックエディタ」の画面に遷移します。ブロックエディタで使用する可能性のあるコマンドの具体例をみてみましょう。

編集内容コマンドの実行方法
拡大または縮小をしたい(形はそのまま)・修正パネルの「尺度変更」をクリック・「SCALE」+EnterもしくはSpace・「SC」+EnterもしくはSpace
線分の長さを変更したい・「修正▼」の中にある「長さ変更」をクリック・「LENGTHEN」+EnterもしくはSpace・「LEN」+EnterもしくはSpace
指定部分の変形や伸縮をしたい・修正パネルの「ストレッチ」をクリック・「STRETCH」+EnterもしくはSpace・「S」+EnterもしくはSpace

他のユーザーとブロックを共有したい場合

AutoCADには自身で作成したブロックをファイルとして保存し、他のユーザーと共有できる機能があります。他のユーザーと共有したい場合、「ブロックを書き出し」の機能を活用しましょう。(*6)

ブロックは内部ブロックと外部ブロックに分かれます。通常の手順で作成したブロックは内部ブロックと呼ばれ、自身が操作している図面上のみに存在しています。一方で外部ブロックは他の図面でも使用できるように外部に書き出したものを指します。外部への書き出しの実行により、他の図面やユーザーとの共有が可能です。

書き出しを実行する場合、次の方法から操作しやすいものを選択しましょう。

・挿入タブ内のブロック定義パネルにある「ブロック作成▼」の「ブロック書き出し」
・キーボードの「WBLOCK」+EnterもしくはSpace
・キーボードの「W」+EnterもしくはSpace

コマンドを選択するとダイアログボックス「ブロック書き出し」が画面上に現れます。作成元、基点、オブジェクト、書き出し先の入力欄に該当するものを入力またはチェックします。ブロックだけではなく、図面自体やオブジェクトの書き出しも可能です。

まとめ

AutoCADにおけるブロックの作成・挿入・編集の手順を解説しました。ブロックを作成し1つにまとめて複製することで、膨大な量の同一オブジェクトを図面上に書き写す手間や時間を削減できます。

また、作成したブロックは他のソフトウェアやユーザーでも使用できるように、図面の外部へ書き出すことも可能です。AutoCADを使用していない取引先などと図面を共有したい場合に有効的な機能といえます。AutoCADのブロック機能により煩雑な業務を削減し、作業効率の向上を図りましょう。

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*1

「AutoCAD 2023|概要-ブロックを定義する」

https://help.autodesk.com/view/ACD/2023/JPN/index.html?guid=GUID-F81D7F1E-1F0A-45AD-AC7E-891A85A0033A

*2

「AutoCAD 2024|スマートブロック:配置(2024の新機能)」

https://help.autodesk.com/view/ACD/2024/JPN/?guid=GUID-60D2011A-FB12-4B45-B2FC-0A6E4159D294

*3

「AutoCAD 2023|BLOCK[ブロック登録](コマンド)」

https://help.autodesk.com/view/ACD/2023/JPN/index.html?guid=GUID-B03434BE-0F68-4E31-BA8D-640EEC1D7FC9

*4

「AutoCAD 2023|INSERT[ブロック挿入](コマンド)」

https://help.autodesk.com/view/ACD/2023/JPN/index.html?guid=GUID-B840AB4A-91E2-4FEC-900A-33E40D1E1925

*5

「AutoCAD 2023|BEDIT[ブロック エディタ](コマンド)」

https://help.autodesk.com/view/ACD/2023/JPN/index.html?guid=GUID-D57D4195-72FC-4FA5-B9F4-E021291D808C

*6

「AutoCAD 2023|WBLOCK[ブロック書き出し](コマンド)」

https://help.autodesk.com/view/ACD/2023/JPN/index.html?guid=GUID-297ED4C5-DADC-4C3B-B4FA-94C56A04721B

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