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AutoCADにおけるオフセットの手順|できない理由と対処法も解説

AutoCADでオフセットを活用すると、オブジェクトを複製・配列複写できるため、作業を効率的に進められます。しかし、オフセットの機能を活用したいものの、操作手順がわからないと悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

本記事では、AutoCADにおけるオフセットの手順を解説します。また、オフセット使用時に発生しやすい問題と理由・対処法もみていきましょう。オフセットについて知りたい方はぜひ参考にしてみてください。

この記事を読むと、以下のことが分かります。
1.AutoCADにおけるオフセットの手順
2.オフセット時によく発生する問題と理由・対処法

AutoCADにおけるオフセットの手順

オフセットコマンドとは選択した線や円、曲線と平行のものを作成するコマンドです。同一のオブジェクトを作成したい場合、簡単に複製や配列複写ができるため効率的に作業を進められる機能といえます。

ここでは、オフセットコマンドの使用手順をみていきましょう。

距離を指定する手順

1つ目は、選択したオブジェクトと複製を設置する任意の距離を指定し、複製のオブジェクトを作成する手順です。(*1)

1.「ホーム」タブから「修正」パネルにある「オフセット」コマンドを選択する
2.オフセットの距離を指定する
3.複製したいオブジェクトを選択する
4.オブジェクト選択後、任意の場所をクリックする
5.指定した距離にオフセットされる

オフセットコマンドを選択すると「オフセット距離を指定または」とダイアログボックスが表示されます。任意の数値を入力またはマウスなどのデバイスで2つの点の距離を指定し数値を決定することも可能です。

通過点を指定する手順

2つ目は図形や線などのオブジェクト(通過点)を指定し、オフセットを実行する手順です。(*1)距離の間隔を数値として入力するのではなく、既に図面に作成してある図形や線などに沿ってオブジェクトをオフセットできます。

1.「オフセット」コマンドを選択する
2.「オフセット距離を指定または」のダイアログボックスが表示される
3.右クリックで「通過点(T)」を選択する
4.オフセットの対象となるオブジェクトを選択する
5.「通過点を指定または」のダイアログボックスが表示される
6.通過点をクリックする

オフセットのメニューでできる操作

オフセットの操作で右クリックをすると、メニューが表示されます。メニュー内容とキーボードのキーを把握しておくことで、生産性の向上を見込めるでしょう。メニューの種類と詳細は次のとおりです。(*2)

メニュー(キーボード)詳細
終了(E)オフセットコマンドを終了する
一括(M)指定した距離を使用し、オフセットを繰り返す
元に戻す(U)直前の操作を取り消す
画層(L)オフセットしたオブジェクトの画層を選択できる

AutoCADにおけるオフセットで活用したい操作

AutoCADの機能を活用し、連続的な距離の変更や複数の線分の結合を行いつつ、オフセットを実行することが可能です。ここでは、オフセットで活用したい操作方法をみていきましょう。

連続で距離を変更する

連続的に距離を変更しつつオフセットを実行したい場合、「F12」キーを活用します。「F12」キーでダイナミック入力の機能をオンにします。ダイナミック入力がオフの場合、オフセットで距離を連続的に変更できません。終了(E)キーでオフセットコマンドを終了し、距離変更の都度オフセットコマンドで数値を入力する必要があります。

ダイナミック入力がオンの場合、カーソル付近に距離と角度が表示されるダイアログボックスが現れます。オフセットの距離をダイアログボックスで変更できるため、効率的に作業を進められるでしょう。

複数の線分を結合する

「PEDIT」コマンドを活用することで、複数の線分をポリラインとして結合し、まとめてオフセットを実行できます。ポリライン作成の手順は次のとおりです。

1.「ホーム」タブの「修正」パネルから「PEDIT(ポリライン編集)」コマンドを選択
2.「一括(M)」をクリックし、オブジェクトを選択
3.「ポリラインにしますか」とダイアログボックスが表示される
4.「はい」を選択し、「結合」をクリック

オフセットできない理由と対処法

手順通りに操作したものの、次のような問題が発生し、オフセットできないケースも少なくありません。

・オブジェクトを選択できない
・数値を入力できない
・指定した距離・方向によって実行されない

ここでは、よくある問題と理由および対処法を解説します。

オブジェクトを選択できない

オフセットとして作成したいオブジェクトを選択できないケースがあります。そういった場合、ピックボックスのサイズに注目しましょう。ピックボックスとはオブジェクトの選択時に画面に表示されるボックスです。選択できない場合、ピックボックスのサイズが小さすぎる可能性があります。

ピックボックスのサイズ変更の手順は次のとおりです。(*3)

1.アプリケーションボタンから「オプション」を選択する
2.「選択」タブのメニュー上部にある「ピックボックス サイズ」でプレビューを見ながらスライダーでサイズを変更する

また、システム変数によってサイズ変更をする方法もあります。システム変数の初期値は3で、0から50までの数値を入力することでサイズを変更できます。数値欄に0を入力すると作図画面にピックボックスは映らないため注意しましょう。(*4)

数値を入力できない

距離を指定してオフセットを実行したいものの、数値を入力できなくなったケースがあります。そういった場合、Num Lokキーがオンになっていないかを確認しましょう。テンキーを使用している場合、オンになっていると数値を入力できません。

再度Num Lokキーを押すことで、数値入力が可能になります。

指定した距離・方向によって実行されない

オフセットしたいオブジェクトがポリラインの場合、指定した距離・方向によって実行されないケースがあります。(*5)ポリラインとは複数の線や円などで結合されたオブジェクトです。ポリラインを選択してもオフセットを実行できない場合、オブジェクトの頂点が重複しており、コマンドが不安定になっている可能性が想定できます。

対処法としては「オーバーキル(重複オブジェクト削除)」のコマンドを実行し、問題が改善されるかを確認しましょう。オーバーキルコマンドで問題が改善されない場合、オブジェクトとオフセットの距離が遠く、自動で図形が削除されている可能性があります。オフセットの距離を調整しましょう。

まとめ

本記事ではAutoCADにおけるオフセットの手順やオフセットができない理由と対処法を解説しました。オフセットは選択したオブジェクトを複製・配列複写できる機能です。加えて、ポリラインの作成やダイナミック入力を活用することで、大量のオブジェクトを作図したい場合、作業の生産性を向上できる機能といえます。

AutoCADのオフセット機能を活用し、煩雑な作図作業の効率化を図りましょう。

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*1

「AutoCAD 2023ヘルプ|オブジェクトをオフセットするには」

https://help.autodesk.com/view/ACD/2023/JPN/index.html?guid=GUID-F6B26611-5D88-41DD-9BC2-DFB739528BD8

*2

「AutoCAD 2023ヘルプ|OFFSET[オフセット](コマンド)」

https://help.autodesk.com/view/ACD/2023/JPN/?guid=GUID-C0E4246D-C420-42BD-A6FC-8B1852EFD005

*3

「AutoCAD 2023ヘルプ|[選択]タブ([オプション])ダイアログ ボックス」

https://help.autodesk.com/view/ACD/2023/JPN/?guid=GUID-DD2A36B6-1196-4205-9A07-32056292F0B5

*4

「AutoCAD 2023ヘルプ|PICKBOX(システム変数)」

https://help.autodesk.com/view/ACD/2023/JPN/?guid=GUID-363698CF-C3DC-4770-81EF-CB09D86B3D3A

*5

「Autodesk Support|OFFSET[オフセット]コマンドが『このオブジェクトはオフセットできません。』と表示されて実行できない」

https://www.autodesk.co.jp/support/technical/article/caas/sfdcarticles/sfdcarticles/kA93g0000000Wys.html

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