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Autodesk Revitの真価とは?活用に向けて知っておくべきポイントを解説

建設業界や製造業界ではデジタルトランスフォーメーション(DX)の需要が高まっており、世界各国はもちろん、近年は国内企業においても盛んなデジタル化が進められています。

このような業界のDXに活躍しているのがCADやBIMといった技術で、中でもAutodesk社が提供する製品は、そのポテンシャルの高さから多くの企業に採用されています。

今回はそんなAutotdeskが提供するBIMソフトのRevitについて、どのような活躍が期待されているのかや、CADとの違い、そして導入時に検討すべきポイントなどについて、実際の導入事例と共に詳しくご紹介します。

目次:

  1. Revitとは
  2. BIMとCADについて
  3. BIM運用がもたらすメリット
  4. Revitが有する強み
  5. Revitが活躍する分野と機能
  6. AutoCADとRevitの違い
  7. AutoCADとRevitの併用で得られるもの
  8. Revitの導入事例
  9. Revitのポテンシャルを引き出すAEC Collectionとは
  10. Revit導入の際に検討しておきたいこと
  11. Revit導入の価格

Revitとは

Revitは、Autodesk社が提供しているCAD、およびBIM運用に特化している設計ソフトです。建築設計や構造エンジニアリング、機械・電気・配管(MEP)エンジニアリングなど多様な領域で活躍できる機能が備わっており、導入事業者のプロジェクトのクオリティ向上や、施工業務の品質向上に貢献します。

またRevitは単に3Dモデルを作成するだけでなく、概念設計からビジュアライゼーション、解析、ドキュメント作成までワンストップで活躍できるのが強みです。

Revitは3Dモデリングに特化した機能群が充実しているため、設計図面に基づく極めて正確な3Dモデルの生成が行えます。プロジェクト変更にも柔軟に対応し、必要に応じた平面図、立面図、集計表、断面図の瞬時の改訂を行い、ドキュメント作成の効率化を実現します*1。

設計業務の抜本的な刷新、ひいては業務全体のDXを図る上で、Revitの導入は大きな変化をもたらしてくれるでしょう。

CADとBIMについて

Revitの強みを理解する上で知っておかなければならないのが、CADとBIMという2つの技術の特徴です。

CADは「Computer Aided Design」の略称で、コンピューターを使った設計業務を実施できるツールの総称です。二次元の設計図面の作成に特化している2D CAD、三次元の立体モデルを生成できる3D CADの2種類が存在し、業務プロセスに応じた使い分けが求められます。

一方のBIMは「Building Information Modeling」の略称で、建物の3Dモデルをただ作成できるだけでなく、建設のために必要な調査や分析結果を早期から3Dモデルに反映し、その情報を内包することができる技術です。

CADとBIMは区別して運用され、これらの技術を併用することが望ましいとされていますが、CAD業務の一部をBIMに切り替えることにより、多くのメリットが期待できます。

CADとBIMの違い

CADとBIMの最大の違いは、3Dモデルに対して属性情報を与えられるかどうか、という点が挙げられます。

通常のCADソフトで作成した3Dモデルは、設計図面に基づいて正確なモデリングが行える一方、属性情報がリアルタイムで反映されるわけではないため、仕様変更の際にその都度モデルを作り直す必要があります。

建設プロジェクトは非常に繊細な取り組みであるため、最新情報が正確に反映されていなければ、重大なミスの発生や完成イメージに支障をきたしたり、シミュレーションを正確に実施することが困難になったりします。

一方、BIMを使って3Dモデルを作成すると、各部材の材質や価格、寸法などのパラメータがモデルに対して直接反映されるため、数値情報などに変更があっても自動でモデルを最適化してくれます。

一つの部材の仕様変更でモデルを丸ごと作り直す必要はなくなり、設計者の大幅な業務効率化に貢献します。

BIM運用がもたらすメリット

BIM運用の実現によって、現場では多くのメリットが期待できます。どのような恩恵を受けられるのか、その一例をご紹介します。

業務の効率化につながる

上でもご紹介しましたが、BIM運用は従来のCAD業務よりもはるかに設計負担が小さくなるため、業務の効率化につながります。

Revitは基本的に3Dモデリングに特化した製品であるため、平面設計の実施はこれまで通り2D CADを使う必要がありますが、3Dモデリング、およびそれに付随する業務は圧倒的な削減効果が見込めます。

度重なる仕様変更が発生しても、設計者はただモデルのパラメータを変更すれば良いだけなので、一から3Dモデルを作り直すケースはほぼ発生しません。仕様変更の指示から修正の完了までにかかる時間も大幅に短縮されるため、プロジェクトのスケジュールも短縮できます。

情報共有の円滑化を促進する

BIMによってプロジェクトの情報を3Dモデルに一元化することで、情報共有の円滑化にもつながります。従来では図面と3Dモデルは別個に運用する必要がありましたが、BIMモデルは設計情報を3Dモデルに内包できるため、複数の設計情報を同時に管理する必要はありません。

データベースとしてBIMモデルを運用し、3Dモデルさえあれば正確な情報を常に把握できるような仕組みづくりが進みます。

また、施工だけでなく維持管理にもBIMモデルは役に立ちます。施工当時に使われた部材情報や耐用年数などの情報を正確に記録できるので、点検業務や補修工事の効率化を促します。

維持管理のために新たに設計図やモデルを作成する必要がなくなり、コストパフォーマンスに優れ、末長く建物を利用できる仕組みが整います。

フロントローディングを採用できる

BIMの導入は、フロントローディングの実践を大きく後押しする取り組みでもあります。フロントローディングとは、プロジェクトの上流にあたる設計業務に多くの時間を割き、その後の工程を効率化し、短期間で完成に到達できる仕組みです。

フロントローディングを実践する上では優れた設計プロセスの構築が不可欠ですが、BIMはその性質上、上流の設計業務を効率化し、施工段階などを含めた下流工程の業務効率化へ著しく貢献します。

フロントローディングの採用は、人件費の削減や工期の短縮など、業務効率化に止まらない抜本的な改革を推進します。従来の業務プロセスを大幅に変える事になるので、関係者間での調整に時間を変える必要はあるものの、長期的に見ればいずれフロントローディングの採用は標準的な施策となってくるため、早期に検討する必要があるでしょう。

Revitが有する強み

このように、RevitはBIM技術を活用することで多くの導入メリットをもたらします。BIMソフトにもさまざまな種類がありますが、Revitは以下のような強みを発揮することで、導入企業のアドバンテージに貢献しています。

作業負担を軽減できる豊富な機能群

Revitが有する強みの一つに、豊富な機能群が挙げられます。スケッチはもちろん、モデルファミリの作成や集計表作成、注釈付け、ドキュメント作成など、BIMの活用に不可欠な機能を実装し、単体で円滑なBIMモデリングを実現可能です*2。

また、日々発生するルーティンワークについては作業そのものを自動化し、人の手を介さずとも業務を遂行できるよう設計できます。設計図書の作成や成果物の管理など、面倒な業務は自動化してしまうことで、プロジェクトを迅速に完成まで導けるのが強みです。

設計データはコマンドで実行し、ユーザーにとって最も使いやすい形式での運用や、必要な機能をカスタマイズすることで拡充もできます。

チームとワークフローを統合できるプラットフォーム機能

建設プロジェクトをはじめ、BIMが必要となるプロジェクトの多くは設計者が一人で完結できるようなものではなく、チームで役割分担をしながら目的に到達する必要があるものです。

Revitではそのようなチームワークの円滑化を促すべく、優れたプラットフォーム機能を有しています。BIMデータとCADデータをモデルベースで同期、共有ができるため、他分野に展開しているチームメンバーと円滑にコミュニケーションをとることができます。

独自に展開するクラウドサービスの「Revit クラウド ワークシェアリング」や「Autodesk BIM Collaborate Pro」を活用し、オンライン環境であればオフィスワークに限らず、リモートワークであってもリアルタイムのコミュニケーションを取れるのが強みです。

業務を効率化するだけでなく、これから働き方改革を推進していきたいと考えている企業にとっても嬉しい機能と言えるでしょう。

充実の解析ツール

精度の高いプロジェクトの遂行を実現するためには、優れた検証を実施する必要もあります。Revitには豊富な解析ツールが複数存在しており、CADツールはもちろん、BIMツールも相互運用をサポートし、解析を実行できます。

ビジュアルでの完成度の高さだけではなく、データでもモデルの有意性を証明し、プロジェクトを前進させる推進力を有しているのがRevitというわけです。

関係者にとっては数値情報という客観性の高い情報をもとに意思決定が下せるので、速やかな業務遂行を促す貴重な情報源となるでしょう。

Revitが活躍する分野と機能

RevitはBIMモデルを必要とする、多様な分野での活躍が期待されています。それぞれの領域でどのような機能性を発揮するのか、ここで確認しておきましょう。

建築設計

Revitが活躍するポピュラーな現場の一つが、建築設計です。建築プロジェクトの設計からドキュメント作成においては、豊富なモデル配置機能が活躍します。壁やドア、窓の配置といったツール活用はもちろん、平面図や立面図、断面図の作成、3Dビュー、レンダリングの実行と、豊富な機能を備えます*3。

解析業務においては初期設定段階から建物のパフォーマンスを測定し、最適なパフォーマンスの算出とコストの見積り、存続期間の算出と建物の監視に役立ちます。

データだけでなく、ビジュアライゼーションを実施するにあたってはフォトリアルな3Dモデルを生成し、専門的な知識を持たない関係者への情報共有やドキュメント作成に役立てられます。

構造エンジニアリング

構造エンジニアや加工設計者、ファブリケーション担当者向けの構造エンジニアリングにおいても、Revitはパワフルな活躍を見せてくれます。

複雑な設計が必要なコンクリート配筋も、BIM機能を活用して高いディテールを維持しながら3Dでモデリングが可能です。綱構造設計と加工制作のワークフローを連結し、鋼材接合を豊富な情報を盛り込んだ設計意図で定義でき、質の高い施工を促します*4。

構造解析を実行する際には、解析モデルと合わせて解析設計アプリに書き出せるのはもちろん、Revit上で物理モデルの作成も行えます。

MEPエンジニアリング

MEPエンジニアリングにおいては、BIMを使ったシステム設計を実施することで、システムの性能向上、および持続可能性を高める事に貢献します。

Revitを活用することで、あらゆる設計意図はBIMモデルに統合され、速やかな情報共有と情報管理の効率化が可能です。シミュレーションと干渉のチェックは設計工程の早期段階で実行し、下流工程における負担の軽減に努めます*5。

ビルディングシステムの設計やドキュメント化に加え、製作用モデルレイアウトへ自動化ツールを使用する事により、MEPモデリングにも応用ができます。

施工

Revitは設計段階だけでなく、施工にも多くの効率化をもたらします。施工に必要な多くのデータを内包したBIMモデルを現場に導入することで、計画段階や着工前の意思決定を従来よりも早期に実行可能です*6。フロントローディングの実現によって、施工時の負担を大幅に軽減します。

加工製作の業務にもBIMデータは活躍し、鋼材の連結部を高いクオリティでモデリングすることで、製作にかかる時間を短縮できます。

単一の3Dモデルを使って情報共有や確認が行えるので、オフィスに比べて忙しない環境である建設現場においても、現場作業の調整、干渉チェック、本部と現場の連携といった高度な業務を難なく遂行可能です。

AutoCADとRevitの違い

Revitと並んで各企業で運用されている製品の一つに、AutoCADが挙げられます。AutoCADもAutodeskが提供するソフトですが、これらにはどのような違いがあるのでしょうか。

CAD主体かBIM主体か

AutoCADとRevitは併用されることも多い製品ですが、大きな違いの一つはCAD運用主体か、BIM主体かというところにあります。

まずAutoCADですが、こちらはその名前にもある通り、CAD運用を前提としたCADソフトの一種です。平面図を扱う2D CAD、および立体図面を扱う3D CADの両方に対応しており、設計業務の効率化に役立ちます。

一方のRevitですが、こちらは3Dモデリングの中でもBIMモデルの運用に特化した製品です。2D CADで作成した図面をベースにBIMモデルを作成するため、活躍できる領域に微妙な違いがあります。

作図か設計か

プロジェクトには実に多くの業務プロセスが発生しますが、作図はAutoCAD、設計はRevitという使い分けも実施されています。

AutoCADは2D図面の作成に特化した多くの機能を備えており、その充実度はRevitのそれとは比較になりません。BIM機能には乏しいものの、3Dモデリングやビジュアライゼーションにも対応しているため、従来通りのCAD運用であればAutoCAD一台で十分なパフォーマンスを発揮します。

一方、RevitはゼロからのCAD図面作成能力には乏しいものの、作成されたCADデータや事前調査情報をもとに、極めてディテールに優れるプロジェクト成果物をBIMモデルとして作成することができます。

必要な情報をBIMモデルに一元化することで、その後の工程にかかる負担を最小限に抑えます。

AutoCADとRevitの併用で得られるもの

AutoCADとRevitを併用する事により、チームは多様なメリットを期待できます。

ワンストップでプロジェクトを遂行できる

AutoCADとRevitはどちらもAutodeskが提供している製品ということもあり、互換性を備えています。AutoCADで設計した図面をRevitで呼び出し、プロジェクトに組み込むといった業務プロセスを実現できるため、他社製品と組み合わせて使うよりもはるかに効率的です。

これまでAutoCADを運用してきた、あるいはRevitを運用してきた実績がある場合には、不足する方を新たに買い足すことで、高い相乗効果が期待できます。

自動化・効率化を推進できる

AutoCADとRevitの併用は、各種ツールの更なる効率的な運用を推進するポテンシャルを秘めています。AutoCADは拡張版にて提供されている各領域に特化したツールセットが利用できますが、Revitはこれらのツールセットとの互換性も備えています。

面倒な提携業務はタスクの自動化を行い、シームレスに作業を進められる環境を整えることで、より重要度の高い設計課題へと取り組み、プロジェクトの品質向上と工期の短縮に貢献できます。

Revitの導入事例

ここで、国内企業で実際にRevitを導入している事例について、確認しておきましょう。

「現場に行かない」施工管理を実現したケース

国内のとある大手建設会社では、現場担当者が現地に足を運ばずとも、適切な施工管理を実現したことで、建設業界の品質向上と人材不足の解消の両立に近づいています*7。

施工管理業務はこれまで、担当者が直接現場に足を運ぶ必要があったため、複数の現場を担当することが困難なケースも珍しくありませんでした。しかしRevitの導入により、同社では現場に行かない施工管理を実現し、クラウド経由の遠隔巡回によって一人でも複数の現場の把握を可能にしています。

BIMモデルによる管理業務の遂行はもちろん、360°写真の共有や点群データの共有を受けることで、毎日往復4時間の管理業務は30分にまで削減できました。

施工図作成はテレワークで!BIMとクラウドの導入で大幅な効率化を果たしたケース

別の大手建設会社にて、東京都内の高層ビル建設においてはBIMモデルとクラウドを活用することで、施工業務の大幅な効率化に成功しています*8。

当プロジェクトで注力したのは、作業開始前の施工ステップ図作成です。Revitを使って施工ステップを1,400にまで細分化することで、1年後の現場では重機や仮設の配置がどうなっているかまでも正確に取り決め、高度な見える化を実現しました。

感覚的にもわかりやすい3DのBIMモデルを有効活用することで、現場経験の浅い人物でもプロジェクトの具体的なイメージを掴み、主体的な施工計画の策定と実行に貢献できる人材へと成長しています。

Revitの力でデータ分断や手入力の手間を削減したメーカーの例

屋内外の電力幹線に使われるバスダクトのとあるメーカーは、Revitを含む複数の新製品を導入したことで、大幅な業務効率化を実現しています*9。

従来のワークフローにおいては複数の手入力の作業が発生し、分断されたデータの活用を余儀なくされていたことから、ケアレスミスなどによる作業の遅れなどが頻発していました。

しかしRevitを導入したことで設計プロセスを一本化し、上記のような余計な作業の発生を極力避けたことで、最大で3割というリードタイムの削減効果を実現しました。

人手不足をBIM導入で解消した業務効率化の事例

とある国内メーカーでは、製造業界の人材不足に対応すべくBIMを導入し、その上で業務の自動化プロセスも導入したことで、抜本的な業務の改善を実現しています*10。

BIMモデルは確かに便利な技術ですが、欠点となるのがモデリングそのものは手作業で行う必要がある点です。そこで同社ではAutodeskが提供する自動化APIのDynamoをRevitと合わせて導入する事により、BIM対応だけでなく、BIMモデリングの自動化も進め、より人手を必要としないシステムを構築しました。

最小限の労力で最大限のリターンを得るための組織改革は身を結び、今後も更なる自動化やAIとの併用による効率化を進めるきっかけを得られています。

Revitのポテンシャルを引き出すAEC Collectionとは

Revitの導入と合わせて企業で採用されているのが、AEC Collectionと呼ばれる製品パッケージの購入です。

AEC CollectionはAutodeskが提供している複数の製品が丸ごと利用できるお得なバンドルパックのようなもので、BIMモデリングのRevit、土木のCivil 3D、拡張版AutoCADのAutoCAD Plus、インフラのInfraworks、施工管理のNavisworksと、多様な製品が一つになって提供されます。

同パッケージの最大の魅力はそのコストパフォーマンスで、それぞれの製品を単体で購入すると年間177万6,500円という高額なコストが発生する一方、AEC Collectionであれば同じ内容のパッケージを年間52万2,500円で購入することができます*11。

複数のAutodesk製品を同時に活用することで、相互に活躍が期待できることから、システムを丸ごとAutodeskで統一することは悪い選択してはありません。既存の製品に不満を抱えている場合、Revitの導入に際してAEC Collectionを採用するのも一つの手と言えるでしょう。

Revit導入の際に検討しておきたいこと

Revit導入を円滑に進め、そのポテンシャルを遺憾なく発揮するためには、以下のようなポイントも検討しておくことが大切です。

他のAutodesk製品の併用を進める

まずは、他のAutodesk製品との併用を進めることです。Revitは単体でも十分運用することはできるものの2D CAD図面の運用などには最適化されていないため、別途ソフトが必要です。

その際活躍するのはAutoCADのようなCAD特化の製品で、ここで設計したものをRevitからBIM化し、後の工程を効率化する手順が求められます。

今回は深く紹介していませんが、AEC Collectionに含まれているソフトはいずれも相互に互換性を持っているため、単体で運用するよりもはるかに強力な活用ができます。

他の領域における製品導入を検討している場合には、Revitと合わせて導入を進めると良いでしょう。

コストパフォーマンスを考える

Revit導入の際、ネックとなるのがコストパフォーマンスです。この後ご紹介しますが、Revitは他の会社の製品と比べて割高の価格設定となっており、買い切り型のプランは存在しません。

そのため、毎年定期的にライセンス料金を支払いながら利用する事になるため、長期的に見れば相応の運用コストが発生します。Revit導入やBIM活用を進める際には、こういったソフト運用に伴いどれくらいの費用がかかるのかも踏まえた上で、最終的な製品の選定を行うべきでしょう。

BIMオペレーター育成を進める

RevitはBIMという新しい技術を活用するための製品で、BIM運用に慣れていない人であれば適切なパフォーマンスを発揮するのに少し時間がかかります。

BIMオペレーターにはCADオペレーターとは異なる作業も発生するので、CADに慣れているからといってすぐに製品を活用できるとは限りません。早い段階からBIMオペレーターの育成を進め、Revitを最大限活用できる環境を整備しましょう。

Revit導入の価格

Revitの導入価格は、1年契約で年額42万7,900円です。1ヶ月契約では月額5万3,900円、3年契約では3年あたり121万9,900円となっており、契約期間が長いほどコストパフォーマンスは高くなります*12。

30日間の無償体験版を利用できるだけでなく、購入後も30日間は返金保証が受けられるため、最高でも2ヶ月程度は無料での利用も可能です。導入を踏みとどまっている場合には、まずはお試し感覚で導入し、自社の環境にフィットしているかどうかを確認してみるのも良いでしょう。

まとめ

Revitは世界で最もポピュラーなBIMソフトの一種で、すでに日本企業における導入事例も豊富です。AutoCADをはじめとするCADソフトと併用することで、高い連携効果が得られるだけでなく、業務の自動化にも貢献するなど、その導入効果は非常に高いことが期待できます。

Revitの導入はコスト面での懸念もありますが、複数領域において活躍するその他のAutodesk製品と合わせて導入する事により、コスト削減効果と相乗効果も期待できます。

事業の抜本的な見直しやDXを検討する際の際には、RevitをはじめとするAutodesk製品の一括導入も検討に入れておくと良いでしょう。

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参考:
*1 Autodesk「Revit: 建設設計者、施工会社、作業者のための BIM ソフトウェア」
https://www.autodesk.co.jp/products/revit/overview?term=1-YEAR&tab=subscription&plc=RVT
*2 上に同じ
*3 Autodesk「建築設計」
https://www.autodesk.co.jp/products/revit/architecture
*4 Autodesk「構造」
https://www.autodesk.co.jp/products/revit/structural
*5 Autodesk「MEPエンジニアリング」
https://www.autodesk.co.jp/products/revit/mep
*6 Autodesk「施工」
https://www.autodesk.co.jp/products/revit/construction
*7 Autodesk「オートデスクBIM活用事例集」p.32
https://bim-design.com/uploads/Final_BIM_Case_Study_Collection_2022_ja.pdf
*8 上に同じ p.36
*9 上に同じ p.12
*10 上に同じ p.7
*11 Autodesk「AEC Collection」
https://www.autodesk.co.jp/collections/architecture-engineering-construction/overview?term=1-YEAR&tab=subscription
*12 *1に同じ

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