1. TOP
  2. ブログ
  3. AutoCADで3種類の移動方法をマスターしよう

AutoCADで3種類の移動方法をマスターしよう

AutoCADの移動コマンド「MOVE」について解説します。

作図中に位置のミスなく描き上げるのは至難の業です。

移動コマンドの操作は、誰しも必須スキルでしょう。

本記事では、3種類の移動方法について、「AutoCAD 2025」の操作画面を引用して分かりやすく解説します。ぜひ参考にしてください。

この記事を読むと、以下のことが分かります。

1.AutoCADにおける基点からの直線距離を指定して移動する方法

2.AutoCADにおける基点を基準とした座標を指定して移動する方法

3.AutoCADにおける原点を基準とした座標を指定して移動する方法

AutoCADで3種類の移動方法をマスターしよう 1

移動コマンドの起動方法 1

【前提】座標と原点について 2

(1)基点からの直線距離を指定して移動 3

(2)基点を基準とした座標を指定して移動 6

(3)原点を基準とした座標を指定して移動 8

(3-1)原点に移動 8

(3−2)原点を基準に座標を指定して移動 10

まとめ 12

移動コマンドの起動方法

まずは、移動コマンドの起動方法を解説します。

次の2つの方法があります。

<1>[作図]タブ-[修正]パネル-[移動]コマンドを選択します。

<2>コマンドラインに[MOVE]と入力し、[Enter]キーを押します。[m]と入力すれば一番上に表示されます。

引用)AutoCAD 2025 V.58.M.214

【前提】座標と原点について

3種類の移動方法を解説する前に、AutoCADの座標と原点について解説します。

AutoCADには、原点があり、原点を基準とした座標を、絶対座標といいます。

原点を基準に東方向に進むと、絶対座標は、Xが正の数値となります。

また、原点を基準に北方向に進むと、絶対座標は、Yが正の数値となります。

画面上にグリッドを表示したい場合には、ステータスバーの[グリッド表示]を有効にしましょう。


引用)AutoCAD 2025 V.58.M.214

(1)基点からの直線距離を指定して移動

ここからは、3種類の移動方法について解説します。

1つ目は、基点から、任意の方向への直線距離を指定して移動させる方法です。

カーソルによって角度を指定した上で、基点からの直線距離を指定します。

操作は下記の手順で行います。例として、円を東方向に20mm移動させます。

  1. 移動コマンドを起動します。
  2. 移動したいオブジェクトを選択後、[Enter]キーを押します。
    引用)AutoCAD 2025 V.58.M.214
  3. 基点を選択します。基点とは、移動の基準となる点です。ここでは、円の中心を選択しました。
    引用)AutoCAD 2025 V.58.M.214
  4. 移動したい方向にカーソルを動かし、距離を指定します。ここでは、東方向に20mm動かすために、基点から東方向にカーソルを動かし、[20]と入力しました。
    引用)AutoCAD 2025 V.58.M.214
  5. 元の位置から、東方向に20mm移動しました。
    引用)AutoCAD 2025 V.58.M.214

(2)基点を基準とした座標を指定して移動

2つ目は、基点を基準とした座標を指定して移動させる方法です。

基点を基準とした座標を「相対座標」といいます。

例として、絶対座標(40,20)に中心がある円を、絶対座標(50,50)の位置に移動してみましょう。このとき、基点を基準として移動させるための相対座標は(10,30)となります。

手順3までは、(1)と同じです。

  1. 移動コマンドを起動します。
  2. 移動したいオブジェクトを選択後、[Enter]キーを押します。
  3. 基点を選択します。基点とは、移動の基準となる点です。ここでは、円の中心を選択しました。
  4. 相対座標を入力します。入力方法は次の2つです。ここでは、X方向に10mm、Y方向に30mm移動させます。
    <1>コマンドラインに[@10,30]と入力し、[Enter]キーを押します。
    引用)AutoCAD 2025 V.58.M.214

    <2>[ダイナミック入力]が有効になっている場合、[10,30]と入力し、[Enter]キーを押します。[10,]を入力した時点で、X座標が確定します。
    引用)AutoCAD 2025 V.58.M.214
  5. 円の中心を基点として、X方向に+10mm、Y方向に+30mm移動しました。
    引用)AutoCAD 2025 V.58.M.214

(3)原点を基準とした座標を指定して移動

3つ目は、原点を基準とした座標を指定して移動させる方法です。

(3-1)原点に移動

まずは、オブジェクトを原点に移動させる方法です。原点の絶対座標は、(0,0)です。

例として、絶対座標(50,50)に中心がある円を、原点に移動してみましょう。

手順3までは、(1)と同じです。

  1. 移動コマンドを起動します。
  2. 移動したいオブジェクトを選択後、[Enter]キーを押します。
  3. 基点を選択します。基点とは、移動の基準となる点です。ここでは、円の中心を選択しました。
  4. 原点の絶対座標(0,0)を入力します。入力方法は次の2つです。
    <1>コマンドラインに[0,0]と入力し、[Enter]キーを押します。
    <2>[ダイナミック入力]が有効になっている場合、[#0,0]と入力し、[Enter]キーを押します。[#0,]を入力した時点で、X座標が確定します。
  5. 円の中心を基準として、原点に移動しました。

(3−2)原点を基準に座標を指定して移動

オブジェクトを原点を基準に座標を指定して移動する方法です。

例として、絶対座標(50,50)に中心がある円を、絶対座標(-50,-50)に移動してみましょう。ちなみに、相対座標で移動する場合は、(-100,-100)となります。

手順は(3-1)と同じで、手順4の数値を変更します。

  1. 移動コマンドを起動します。
  2. 移動したいオブジェクトを選択後、[Enter]キーを押します。
  3. 基点を選択します。基点とは、移動の基準となる点です。ここでは、円の中心を選択しました。
  4. 絶対座標を入力します。入力方法は次の2つです。ここでは、絶対座標(-50,-50)の位置に移動します。
    <1>コマンドラインに[-50,-50]と入力し、[Enter]キーを押します。
    <2>[ダイナミック入力]が有効になっている場合、[#-50,-50]と入力し、[Enter]キーを押します。[#-50,]を入力した時点で、X座標が確定します。
  5. 円の中心を基準として、絶対座標(-50,-50)の位置に移動しました。

まとめ

3種類の移動方法を解説しました。

相対座標と絶対座標の違いは、理解できましたか?

コマンドラインに入力する場合は、相対座標は[@X,Y]となり、絶対座標は[X,Y]となります。

一方で、ダイナミック入力が有効になっている場合は、相対座標は[X,Y]となり、絶対座標は[#X,Y]となります。

少し煩雑なため、ダイナミック入力を利用するか、先に決めておくといいですね。

建設・土木業界向け 5分でわかるCAD・BIM・CIMの ホワイトペーパー配布中!

CAD・BIM・CIMの
❶データ活用方法
❷主要ソフトウェア
❸カスタマイズ
❹プログラミング
についてまとめたホワイトペーパーを配布中


福岡在住ふみ

総合建設業で施工管理と設計の実務経験を積んだ後、フリーランスとして独立。建築×ITを強みとして活動している。

    ホワイトペーパーフォームバナー

    【DL可能な資料タイトル】

    • ・プログラムによる建築/土木設計のQCD(品質/コスト/期間)向上
    • ・BIM/CIMの導入から活用までの手引書
    • ・大手ゼネコンBIM活用事例と建設業界のDXについて
    • ・デジタルツイン白書
    • ・建設業/製造業におけるデジタルツインの実現性と施設管理への応用

    詳細はこちら>>>

    カテゴリ一覧

    PAGE TOP