AutoCADが動かなくなった時は?よくあるトラブルの解決方法を解説
AutoCADを触っていると、突如として入力を受け付けなくなってしまったり、画面が動かなくなったりしてしまうことがあります。AutoCADはプロ向けのソフトとはいえ、時としてこのようなトラブルに見舞われることは珍しくありません。
この記事では、AutoCADが動かなくなってしまった時の原因や、どのようにAutoCADのトラブルを解決すれば良いのかについて、順番に解説します。
目次:
- AutoCADが動かなくなる原因
- AutoCADを強制終了する方法
- AutoCADのファイルを復旧する方法
AutoCADが動かなくなる原因と主な対処法
AutoCADが動かなくなってしまった場合、その原因には様々なものが考えられます。以下はその代表的な要因です。
また、AutoCADが動かなくなる原因は一つではなく、複合的な要素が組み合わさることで発生している場合も考えられます。ケースバイケースで柔軟に対応できるよう、各種原因への理解を深めておきましょう。
AutoCADの更新が行われていない
AutoCADは不定期に更新プログラムを配布しており、常に最新の状態にしておくことが推奨されています。
更新プログラムは基本的に自動でアップデートされますが、まれに更新が行われていないケースもあるものです。まずは更新プログラムを確認し、きちんと最新の状態にアップデートされているかをチェックしてみましょう。
GPUに問題を抱えている
AutoCADはグラフィック負担の大きいソフトです。そのため、GPUが何らかの問題を抱えている場合、AutoCADのパフォーマンスに悪影響を及ぼすことがあります。
また、GPUを動作させるためのグラフィックスドライバが更新されていない場合も、AutoCADのパフォーマンスに悪影響を与える可能性があります。グラフィックスドライバを最新の状態にアップデートできているか、確認しておきましょう。
ファイルが破損している
AutoCADで特定のファイルを展開したときにのみ動かなくなる場合、ファイルの破損を疑う必要があります。
ファイルが破損している場合、復旧が可能な場合とそうでない場合があります。RECOVERコマンドを使って、復旧作業を行ってみましょう。
サードパーティプラグイン・ソフトが干渉している
AutoCADを操作する際、サードパーティ製のプラグインやソフトを同時に使用することによって、何らかのバグを誘発している可能性があります。
サードパーティ製のソフトでAutoCADとの併用を推奨している場合でも、バージョンアップなどに伴い、互換性が一部失われているケースも少なくありません。
AutoCADが正常に動作しない場合、一度サードパーティ製品の使用を全て終了し、AutoCAD単体で立ち上げてみることをおすすめします。
複数のディスプレイを使用している
複数のディスプレイを使用する場合、メインのPCにディスプレイアダプタを接続して運用することになりますが、AutoCADの動作不良に影響を与えている可能性があります。
これまではマルチディスプレイでも正常に動作していた場合、たまたま不具合に繋がっているというケースもあるため、一度ディスプレイを一台で運用してみましょう。
一台で問題なく動作することが確認できた場合、再度ディスプレイアダプタを使用して複数のディスプレイを接続します。
OSに問題がある
OSのアップデートが行われていないと、最新版のAutoCADとの互換性が担保されず、正常に動作しないケースがあります。
OSはセキュリティアップデートなどが頻繁に行われるだけでなく、最新のバージョンのOSとなると、基本的なソフトウェアの仕様や対応ソフトの要件なども大きく変化します。AutoCADを使用する場合は最新のOS環境へアップデートの上、操作することをおすすめします。
AutoCADを強制終了する方法
AutoCADが動かなくなってしまい、ソフトを修了しようとしても実行ができない場合は、強制終了を行います。
AutoCADの強制終了を実行する場合、最もポピュラーなのはWindowsのタスクマネージャーの操作です。タスクマネージャーはWindowsのタスクバー上で右クリックし、[タスクマネージャー]を選択することで実行可能です。
タスクマネージャーを開くと、AutoCADのアプリが表示されています。これを選択の上、マネージャーの下部にある[タスクの終了]をクリックして、強制終了を実行しましょう。
AutoCADのファイルを復旧する方法
AutoCADが動かなくなった場合、何らかの形でファイルが破損していたり、動かなくなったことが原因で破損させてしまったりすることがあります。
AutoCADはファイル復旧の機能も備わっているので、もしものトラブルの際には以下の方法を参考にしましょう。なお、必ずしも破損したファイルが元通りになるとは限らない点には注意が必要です。
強制終了したファイルの復旧方法
ファイルをAutoCADの強制終了によって破損させてしまった場合、AutoCADを再起動させてから[図面修復管理]のパレットを展開します。
強制終了する直前に、自動でバックアップなどの形でファイルが保存されていることがあります。これらのファイルが存在する場合は、ダブルクリックでファイルを展開し、再度名前をつけて保存しましょう。
フリーズ直前の作業までは保存されていない可能性があるため、その点は注意が必要です。
破損しているファイルの復旧方法
ファイルが破損していて開けなくなっている場合は、新規の図面を開いてRECOVERコマンドを実行します*1。するとファイルの参照画面に移行するので、破損ファイルをここで選択しましょう。
続いて空のテンプレートを開き、INSERTコマンドを実行して破損ファイルを選びます。その上でOKをクリックすると、空の図面に修復された図面が表示されます。
また、図面のPDFが存在する場合はPDFIMPORTを実行することで、DWG形式のファイルとして修復することもできます。
まとめ
この記事では、AutoCADが動かなくなってしまった場合の対処法について解説しました。AutoCADは負荷の大きなソフトウェアであるため、適切な動作が得られないこともあります。
動かなくなってしまった場合も焦らずトラブルシューティングが行えるよう備えておき、ソフトの再起動やファイルの修復を正しく実施しましょう。
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出典:
*1 Autodesk「AutoCAD製品で開くことができない図面ファイルを修復する」