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AutoCADでなみなみ線を描く方法は?スプラインの使い方を紹介

AutoCADは自由な描画ができることで知られており、複雑な図面作成が必要なシーンでも、強力な効果を発揮します。

図面の作成においては直線での作図が一般的ですが、場合によっては曲線を多用しなければならないケースもあります。この記事では、そんなAutoCADを使ってなみなみ線を描画するための方法について、便利なツール紹介も含めて解説します。

目次:

  1. AutoCADにおけるなみなみ線の扱い
  2. スプラインとは
  3. スプラインとポリラインの違い
  4. スプラインの使い方
  5. スプラインのフィットと制御点の使い方
  6. スプラインをポリラインに変換する方法

AutoCADにおけるなみなみ線の扱い

なみなみ線は、いわゆる波線の通称として親しまれている線の一種です。サイン曲線とも呼ばれます。

半円を互い違いに重ねたような波を描く線は、図面に流線形をもたらしたい時などに用いられています。

AutoCADでは、このようなやや複雑性を持ったなみなみ線も、いとも簡単に描画することが可能です。好みのタイミングで曲線を描けるようにその方法を知っておくことで、複雑な図形を描きたくなった際にもスムーズに描画し、生産性向上に繋げられるでしょう。

スプラインとは

AutoCADでなみなみ線を描きたい場合、使用することになるのがスプラインツールです。スプラインは、曲線を多様に使った図面を作成したい場合に活躍するツールで、フリーハンドのような柔軟で細かな調節ができつつも、それでいてコントロールされた図面を作成可能です。

スプラインツールの特徴は、フィット点と呼ばれる目安となる点を通過するような形で描画を行うところにあります。フリーハンドでマウスの赴くままに描画するのではなく、あらかじめなみなみ線を引きたいところに目安をつけ、そこを通過するように線引きを行う手法です。

このような仕組みを用いることで、スプラインを使うと滑らかかつ丁寧になみなみ線を描き、不規則さを最小限に抑えられます。

スプラインとポリラインの違い

スプラインと似たような機能として、ポリラインと呼ばれるものがあります。ポリラインは、複数の線や円、弧によって構成されたオブジェクトを指す言葉です。1本の線の場合は線分と呼びますが、ポリラインは2本以上存在しているという特徴を備えています。

そのためなみなみ線を描きたい場合には、ポリラインを使って描画することもできます。ただ、スプラインとポリラインではなみなみ線をどのようなシチュエーションで使いたいかによって、使い分けるのが理想です。

スプラインの場合、3次元的になみなみ線を描画したい場合に用います。3Dの曲面や、等高線を描きたい時に活用するのが特徴です。

一方のポリラインは、2Dの作図作業を行うときに適しているとされるツールです。また、モデリングを行う際もポリラインが頻繁に用いられています。

スプラインの使い方

AutoCADにおけるなみなみ線の基本的な描き方は、

  1. 基準点を作る
  2. スプラインツールで描画する

という2ステップです。

AutoCADを起動したら、まずは綺麗な波線を描くための基準線、および基準点を決定します。基準となる線分を一本引き、次にディバイダを選択します。

ディバイダはホームにある[作成]タブをクリックすると、アイコン形式で表示されます。ディバイダを選択したら、先ほど作成した線分を選択し、分割数を入力します。

分割数を入力すると、この数に応じてなみなみの凸凹部分が作成されるので、任意の数を指定すると良いでしょう。

分割された線分を、複製して等間隔に、上下に配置します。配置が完了したら、最後に線分をまとめて削除して、準備は完了です。線分を削除することで、基準点だけが図面には残されます。

スプラインを使用するには、ツールバーにあるスプラインアイコンをクリックします。あるいは、コマンドラインから[SPLINE]と入力することで、ツールを立ち上げ可能です*1。

続いて、なみなみ線の始点を決定します。始点が決まったら、基準点に則って中間点を一つずつ指定し、終点まで定義しましょう。

最後の点を打ち終わったら、Enterキーを入力することで点を入力した通りになみなみ線が描かれます。基準点を規則正しく並べておくことにより、シンメトリーななみなみ線に仕上がるはずです。

スプラインのフィットと制御点の使い方

上記の方法で作成したスプラインは、後から編集することもできます。この際、使用するのがフィット点と制御点です。

フィット点の使い方

フィット点を操作するか、制御点を操作するかは、任意で選ぶことができます。編集したいスプラインにカーソルを合わせると、矢印マークが現れます。これをクリックすると、フィット点と制御点をそれぞれ選択可能です。

フィット点を選択した場合、指定した点を掴むような形で作成したスプラインを編集できます。膨らみを調整したり、凸凹部分をさらに強調したりといった使い方が可能です。

点の移動によってなみなみ線を変形できる機能と覚えておきましょう。

制御点の使い方

一方の制御点は、線上から離れた位置に表示される点です。制御点を操作することで、スプラインの形状をフィット点よりも柔軟に編集することができます。

スプラインを細かく制御して理想の形に仕上げたい場合、制御点を活用しましょう。

スプラインをポリラインに変換する方法

作成したスプラインは、後からポリラインに変換して運用することもできます。

[ホーム]タブを選択して、修正パネルを開きます。そこから[スプライン編集]をクリックしましょう。

スプライン編集機能を選択した後は、ポリラインに変換したいスプラインをクリックします。その後pと入力するだけで、ポリラインの変換を行えます。

ポリライン変換に際しては、精度の値を変更することができます。一度変換を実行した上で、必要の際には取り消しの上精度の値を変更して実施すると良いでしょう。

まとめ

この記事では、AutoCADにおけるなみなみ線の引き方について、解説しました。AutoCADでなみなみ線を引く場合、最も使用するのがスプラインです。

スプラインは等高線の描画などに使用されるため、3Dモデリングの際にも活躍します。一方のポリラインも、作図作業においては使用機会が多く、両方の使い方を覚えておくと良いでしょう。

また、スプラインはポリラインに変換して、そのまま運用することもできます。スプラインではなく急遽ポリラインが必要になった場合、変換機能を使えば作業時間を無駄にする心配はありません。

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出典:

*1 Autodesk「スプライン」

https://help.autodesk.com/view/ACADWEB/JPN/?guid=AutoCAD_Web_Help_List_Commands_Spline_html

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