1. TOP
  2. ブログ
  3. 2024年最新:生成AIを活用している企業

2024年最新:生成AIを活用している企業

2024年、生成AIを活用している企業の最前線

2024年に入り、生成AIの活用がますます広がりを見せています。生成AIは、文章や画像、音声などの新たなコンテンツを自動生成する技術であり、ビジネスのさまざまな分野でその可能性が注目されています。特に、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する企業にとって、生成AIは業務効率化や新たなビジネスモデルの創出に大きな役割を果たしています。

PwCコンサルティングが2023年に実施した「生成AIに関する実態調査2023」によると、生成AIの認知度はまだ低いものの、認知層の60%がChatGPTを知っており、生成AIの自社への活用に関心を持っています。また、生成AIを活用している企業の中には、DX推進やIT関連部門、経営企画部門、中間管理職が多く、業務代替をポジティブに捉えていることがわかります。※1

本記事では、生成AIの基本とその進化、そして具体的な企業の活用事例を紹介し、生成AIがビジネスに与える影響や導入における課題と解決策について詳しく解説します。生成AIの導入を検討しているDX担当者や経営企画部門の中間管理職の方々にとって、具体的なユースケースや成功事例を知ることで、生成AIの活用方法やその効果を理解し、実践に役立てていただければ幸いです。

生成AIの基本とその進化

生成AIとは何か?

生成AI(Generative AI)は、人工知能の一種であり、テキスト、画像、音声などの新しいコンテンツを生成する能力を持っています。代表的な生成AIには、OpenAIが開発したChatGPTやDALL-E、Midjourneyなどがあります。これらの技術は、自然言語処理や画像生成の分野で大きな進歩を遂げており、ビジネスや日常生活において幅広く活用されています。

生成AIの基本的な仕組みは、大量のデータを学習し、そのデータに基づいて新しいコンテンツを生成することです。例えば、ChatGPTは膨大なテキストデータを学習し、人間のように自然な文章を生成することができます。一方、DALL-EやMidjourneyは、画像データを学習し、指定された条件に基づいて新しい画像を生成します。

生成AIの技術的進化と現状

生成AIの技術は急速に進化しており、その応用範囲も広がっています。特に、自然言語処理(NLP)や画像生成の分野での進歩が顕著です。例えば、ChatGPTは、対話型AIとしての性能が向上し、ビジネスの現場での利用が進んでいます。DALL-EやMidjourneyは、広告やデザインの分野での活用が期待されています。

生成AIの技術的進化の一例として、OpenAIのChatGPTを挙げることができます。ChatGPTは、GPT-4という大規模な言語モデルを基にしており、非常に高い精度で自然な対話を生成することができます。この技術は、カスタマーサポートやマーケティング、教育など、さまざまな分野での応用が進んでいます。

また、画像生成AIのDALL-EやMidjourneyは、指定された条件に基づいて高品質な画像を生成することができます。これにより、広告やデザインの分野でのクリエイティブな作業が効率化され、新しいビジネスモデルの創出が期待されています。

生成AIを活用している企業の紹介

製造業での活用事例

製造業においても生成AIの活用が進んでいます。例えば、パナソニックコネクトでは、AIアシスタントを導入し、1年で全社員18.6万時間の労働時間を削減しました。このAIアシスタントは、社内データベースと連携し、業務効率化を図るためのプロジェクトの一環として導入されました。2023年9月には自社のニュースリリースやWebページを学習した自社特化AIの実用化も開始し、品質管理規定や過去の事例を元に製品設計時の品質についての質問を可能としています。※2

また、オムロンは自然言語指示で動くロボットの開発に取り組んでいます。この技術は、食材の切り方など、特定の作業動作をロボットアームの動作モデルとして生成実現されます。これにより、製造現場での作業効率が大幅に向上することが期待されています。※3

IT・テクノロジー業界での活用事例

IT・テクノロジー業界では、生成AIの活用が特に進んでいます。LINEでは、エンジニアが生成AIを活用し、1日2時間の業務効率化を実現しています。具体的には、GitHub Copilotを利用し、エンジニアが実装したい機能や動作に必要なコードを自動生成し、開発時間を短縮しています。※4

また、メルカリは、AIアシスタントが売れやすい商品名や説明文を提案する「メルカリAIアシスト」機能を提供しています。この機能により、出品者は商品情報を効率的に作成でき、取引の活性化に寄与しています。※5

小売業での活用事例

小売業においても生成AIの活用が進んでいます。セブンイレブン・ジャパンは、商品企画の時間を大幅に削減するために生成AIを活用しています。この取り組みにより、店舗の販売データやSNS上での消費者の反応を分析し、新商品に関する文章や画像を迅速に作成することが可能になります。生成AIの導入により、商品企画にかかる時間が最大で90%削減され、市場のトレンドや顧客のニーズに迅速に応えることができるようになりました。※6

金融業での活用事例

金融業界でも生成AIの活用が進んでいます。三菱UFJ銀行は、生成AIの導入により、月22万時間の労働時間の削減を目指しています。生成AIの導入により、社内文書のドラフト作成や稟議書の作成が効率化され、顧客との対話やサービス提供の質の向上に時間を割くことができるようになります。※7

また、SMBCグループは、独自の対話AI「SMBC-GPT」を開発し、従業員の生産性向上を図っています。このAIアシスタントツールは、文章の作成、要約、翻訳、ソースコード生成など多岐にわたる業務を支援し、従業員の生産性向上に寄与しています。※8

教育業界での活用事例

教育業界でも生成AIの活用が進んでいます。ベネッセは、自社サービスの進研ゼミにおいて生成AIを活用した学習支援サービス、「チャレンジ AI 学習コーチ」を2024年3月20日以降に提供しています。このサービスは、生成AI「ChatGPT」の技術を利用し、子どもたちが教科の分からないことをAIに質問し、疑問を解消することができます。※9

また、学研ホールディングスは、オリジナル学習システム「GDLS」でChatGPTを活用し、個別に最適な学習アドバイスを提供するベータ版を開始しました。このシステムは、生徒の学習履歴や理解度の変化に基づいて各生徒に対して適切な学習アドバイスを提供し、学習効果を最大化します。※10

建築業界での活用事例

建築業界でも生成AIの活用が進んでいます。大林組は、初期段階の設計業務の効率化が可能な生成AIを活用したツールを開発しました。このツールを用いると、建物の大まかな形状を描いたスケッチや、コンピュータで作成した3Dモデルを基にして、建物の外観デザインを複数の提案を受けることが可能です。※11

また、西松建設は、建設コストの予測に生成AIを活用したツールを導入しています。このツールでは、建設コストへの影響要因となるニュースや統計を基に物価変動の精度高い予測を提供し、建設費用の見積もりにおけるリスクを軽減します。※12

その他の業界での活用事例

その他の業界でも生成AIの活用が進んでいます。例えば、KDDIは、人気の「三太郎シリーズ」CMを生成AIを使ってアニメーションにリメイクし話題となりました。視聴者はCMを視聴するだけでなく、特設サイトで自分だけのオリジナル三太郎MVを生成AIを使って作成できるという、参加型の新しいCMの形を実現しました。※13

生成AI導入における課題と解決策

技術的課題とその克服

生成AIの導入には、技術的な課題が伴います。例えば、生成AIの精度や信頼性の向上が求められます。これを克服するためには、継続的なデータの収集と学習が必要です。また、生成AIの導入には、高度な技術力を持つ人材の確保が重要です。

技術的課題を克服するためには、外部の専門家やコンサルタントと連携し、最新の技術動向を把握することが重要です。また、社内での技術力向上を図るために、定期的なトレーニングや勉強会を開催することも有効です。

倫理的・法的課題への対応

生成AIの導入には、倫理的・法的な課題も伴います。例えば、生成AIが生成するコンテンツの著作権やプライバシーの問題があります。これを解決するためには、法的な専門家と連携し、適切な対策を講じることが重要です。

また、生成AIの利用においては、透明性と説明責任が求められます。生成AIがどのようにデータを利用し、どのようなアルゴリズムでコンテンツを生成しているのかを明確にすることが重要です。これにより、利用者や顧客の信頼を得ることができます。

人材育成と組織文化の変革

生成AIの導入には、人材育成と組織文化の変革が必要です。生成AIを効果的に活用するためには、従業員が生成AIの技術や活用方法を理解し、実践できるようになることが重要です。

人材育成のためには、定期的なトレーニングや勉強会を開催し、従業員のスキル向上を図ることが有効です。また、生成AIの導入に伴い、組織文化の変革も必要です。従来の業務プロセスや意思決定プロセスを見直し、より柔軟で革新的な組織へと変化させることが求められます。

今後の生成AIの展望と企業への提言

生成AI技術の未来予測

生成AI技術は今後も急速に進化し、さまざまな分野での応用が期待されています。例えば、自然言語処理や画像生成の分野では、より高精度で自然なコンテンツ生成が可能になると予測されています。また、生成AIの応用範囲も広がり、医療や教育、エンターテインメントなど、さまざまな分野での活用が進むと考えられます。

生成AI技術の未来予測として、より高度な対話型AIや、リアルタイムでのコンテンツ生成が可能になることが期待されています。これにより、ビジネスの現場での利用がさらに進み、業務効率化や新たなビジネスモデルの創出が加速するでしょう。例えば、カスタマーサポートにおいては、24時間対応可能なチャットボットが導入され、顧客満足度の向上が期待されます。また、マーケティング分野では、個々の顧客に合わせたパーソナライズドコンテンツの生成が可能となり、より効果的なマーケティング施策が実現します。

さらに、生成AIは医療分野でも大きな変革をもたらすでしょう。例えば、医療画像の解析や診断支援において、生成AIが高精度な診断を提供することで、医師の負担を軽減し、診断の精度を向上させることが期待されます。教育分野では、個々の学習者に合わせたカスタマイズされた教材の生成が可能となり、学習効果の向上が見込まれます。

企業が取り組むべき戦略

生成AIの導入を成功させるためには、企業が取り組むべき戦略があります。まず、生成AIの導入に向けた明確なビジョンと目標を設定することが重要です。これにより、生成AIの導入が企業の戦略と一致し、効果的な活用が可能になります。

また、生成AIの導入には、適切なデータの収集と管理が不可欠です。高品質なデータがなければ、生成AIの性能を最大限に引き出すことはできません。企業はデータガバナンスを強化し、データの品質を維持するための体制を整える必要があります。さらに、生成AIの導入には、従業員のスキルアップも重要です。生成AIを効果的に活用するためには、従業員が生成AIの基本的な知識を持ち、実際の業務で活用できるスキルを身につけることが求められます。

具体的な施策としては、生成AIに関する社内研修の実施や、外部の専門家を招いたワークショップの開催が考えられます。また、生成AIの導入プロジェクトを進める際には、パイロットプロジェクトを実施し、小規模な範囲でのテストを行うことで、リスクを最小限に抑えつつ、効果を検証することが重要です。

さらに、生成AIの導入には、倫理的な観点からの検討も欠かせません。生成AIが生成するコンテンツが社会に与える影響を考慮し、適切なガイドラインを策定することが求められます。例えば、生成AIが生成するコンテンツが誤情報や偏見を含まないようにするためのチェック体制を整えることが重要です。

このように、生成AIの導入を成功させるためには、企業が取り組むべき戦略は多岐にわたりますが、明確なビジョンと目標を持ち、適切なデータ管理と従業員のスキルアップを図ることで、生成AIの持つポテンシャルを最大限に引き出すことができるでしょう。

大手ゼネコンBIM活用事例と 建設業界のDXについてまとめた ホワイトペーパー配布中!

❶大手ゼネコンのBIM活用事例
❷BIMを活かすためのツール紹介
❸DXレポートについて
❹建設業界におけるDX

参考URL:

※1 pwc『生成AIに関する実態調査2023』
https://www.pwc.com/jp/ja/knowledge/thoughtleadership/generative-ai-survey2023.html

※2 パナソニックホールディングス株式会社『パナソニック コネクト 生成AI導入1年の実績と今後の活用構想』
https://news.panasonic.com/jp/press/jn240625-1

※3 オムロン株式会社 『オムロン サイニックエックス、ロボット制御に関する共同研究プロジェクトを京都大学・東京工業大学・奈良先端科学技術大学院大学と開始』
https://www.omron.com/jp/ja/news/2021/11/c1111_1.html

※4 LINEヤフー株式会社『LINEヤフーの全エンジニア約7,000名を対象にAIペアプログラマー「GitHub Copilot for Business」の導入を開始』
https://www.lycorp.co.jp/ja/news/release/000862/

※5 株式会社メルカリ『メルカリ、生成AI・LLMを活用してお客さまの最適な行動を促す「メルカリAIアシスト」の提供を開始』
https://about.mercari.com/press/news/articles/20231017_mercariaiassist/

※6 日本経済新聞『セブンイレブン、商品企画の期間10分の1に 生成AI活用』
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC25AYT0V21C23A0000000/

※7 日本経済新聞『三菱UFJ銀行、生成AIで月22万時間の労働削減と試算』
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB270LP0X21C23A1000000/

※8 日経Xtech 『SMBC独自開発、従業員専用「生成AIアシスタント」の利用開始、グループに展開!』
https://special.nikkeibp.co.jp/atclh/NXT/23/microsoft0830/

※9 日経BP 『ベネッセ、進研ゼミで生成AI活用の新サービスを提供開始へ』
https://project.nikkeibp.co.jp/pc/atcl/19/06/21/00003/020900521/

※10 PRTIMES 『株式会社学研ホールディングス – 学研オリジナル学習システム(GDLS)でChatGPTを活用し、生徒の学習効果を最大化する個別アドバイスを提供開始』
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000005223.000002535.html

※11 大林組 『建築設計の初期段階の作業を効率化する「AiCorb®」を開発』
https://www.obayashi.co.jp/news/detail/news20220301_3.html

※12 株式会社xenodata lab.『西松建設、経済特化生成AI『xenoBrain』で建設業界の物価変動を先読み』
https://www.xenodata-lab.com/news/20231107

※13 KDDI株式会社『10年目のau三太郎、生成AIでリメイクしたお正月CMを放映、自分だけの三太郎MVを創れる特設サイトも公開』
https://www.au.com/information/topic/content/2023-028/

    カテゴリ一覧

    PAGE TOP