CADオペレータに有利な資格5選!それぞれの特徴や求人倍率をご紹介
「CADオペレータに興味がある」
「CADオペレータとして就職に有利になる資格はあるの?」
とお考えの方へ。建築物や機械・部品の設計を行うCADオペレータは、ものづくりが好きな方に人気があります。手に職を付けることができ、将来性の高さからCADオペレータを目指している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
CADオペレータに必須となる資格はありません。しかしCADの知識やスキルを証明できる資格を持っておくと自信につながりますし、特に経験が少ないオペレータ志望の方や若い方にとって、就職・転職活動の一助となります。
この記事では、CADオペレータを目指している方におすすめの資格を5つご紹介します。資格を通してCADを学びたいと思っている方は、ぜひ最後までお読みください。
この記事を読むと、以下の2つのことがわかります。
- CADオペレータに有効な資格の種類
- CADオペレータの有効求人倍率
CADオペレータに有利な資格5選
CADオペレータとして就職・転職に有利な資格は、以下の5つが挙げられます。
- 2次元CAD利用技術者試験
- 3次元CAD利用技術者試験
- 建築CAD検定試験
- オートデスク認定プログラム
- CADデザインマスター認定試験
それぞれについて、順番に解説します。
2次元CAD利用技術者試験
「2次元CAD利用技術者試験」はCADエンジニア育成のための検定試験で、一般社団法人コンピュータ教育振興協会が主催しています。2次元と3次元の2種類があり、2次元では基礎・2級・1級の3段階があります。(3次元CAD利用技術者試験は次でご紹介します)
基礎知識は2級や1級取得へ向けたファーストステップという位置づけで、初心者に向いています。筆記試験のみで、CADソフトは使用しません。
2次元2級ではCADシステムの運用やデータ管理に関する業務を目指す人を対象として、2次元CADの基礎知識の習得を目指します。CADシステム分野と製図分野の2つから出題され、CADシステムの概要や基本機能、CADシステムやネットワークの知識や製図に関する一般知識や表現方法などの証明ができます。2次元CADでも3次元CADの基礎知識は出題されるので、3DCADについても学ぶことができます。
1級では実技+筆記があり、CADシステムを使用した実技問題も出題されます。(1級の受験には、2級の合格が必須です。)機械・建築・トレースの3分野別の専門知識を問う筆記問題も出され、CADシステムの知識や利用、CADシステムのプラットフォームや製図の知識・図形から出題されます。
3次元CAD利用技術者試験
「3次元CAD利用技術者試験」はものづくりの最先端を担う人材育成を目指し、3次元CADのエキスパートを目指すための試験です。2級・準1級・1級と段階があり、準1級・1級は2級の合格が必須です。
2級では60問の筆記試験とCBT方式による選択問題で、CADソフトは使用しません。3次元CADの概念分野や実用的モデリングの手法、3次元CADデータの管理と周辺知識分野・3次元CADデータの活用分野から出題されます。
準1級は3次元CADを使った機械系・製造系のモデリングや設計・製図の業務従事を目指す人向けのレベルで、3次元CADの知識や操作の基礎的な部分の習得、設計の補助業務やオペレータを目指す人を対象としています。3次元CADソフトを使ったパーツのモデリングや作成したモデルを使ったマークシート問題の実技試験と記入試験があり、記入試験では私物ノートPCを持ち込むか、会場のPCとソフトを利用するかを選ぶことができます。CADリテラシーや空間把握分野、2次元図面からのパーツモデル作成能力分野の2つから出題されます。
1級は3DCADシステムの業務に従事して半年以上の実務経験、1年以上の就学経験者を想定しており、3次元設計の補助業務を担ったり、将来設計者やオペレータの管理業務を目指したりする人が対象です。準1級と同じく3次元CADを使ったパーツおよびアセンブリのモデリング、作成したモデルを使ったマークシート問題の実技試験があります。もう1つ「記入試験」があり、自分のPCを持ち込む「持込受験」か、会場のPCとソフトを利用する「一般受験」を選ぶことができます。
1級ではCADリテラシーや2次元図面からのモデル作成以外に、アセンブリモデリング能力分野からも出題されます。
3次元CAD推奨ソフトについては公式サイトで紹介されていますので、詳しくは「3次元CAD資格試験に使用できるソフトについて」をご参照ください。
建築CAD検定試験
「建築CAD検定試験」は全国建築CAD連盟が主催しており、1993年に誕生した日本初の建築CAD資格試験です。機械CADのイメージが強いCADにおいて建築に特化している点が特徴で、試験開始から30年以上、総受験者は17万名超えという規模の大きさを持っています。団体受験では760校以上の教育機関や建設関連企業で広く採用されており、その認知度の高さから初心者の方にもおすすめの試験です。
4級・3級・准2級・2級・准1級の5段階がありますが、1級は「時期尚早でできない」という理由から設けられていません。(※1)また4級は高校による団体受験のみ実施されているので、その他の方は3級からの受験となります。
建築CAD検定試験で特徴的なのは出題方法で、すべて実技試験のみです。
3級では図面があたえられ、CADシステムで正しくトレースできるかを問われます。実技試験のみで問題は4題のみ、階段平面図や通り芯・寸法の記号、壁や窓を2時間以内で作成する流れです。准2級もCADを使った実技試験のみで問題は2題、詳細な指示を元に平面詳細を書いたり南立図面を完成させたりします。
2級は試験時間が5時間あり、ラフスケッチを元に平面詳細図を書いたり、各種図面を完成させたりします。准1級では1階平面図や2階平面図、基準階平面図や断面図を作成し、与えられた4つの図面がすべて完成した場合のみ合格できます。
CADソフトの指定や推奨はなく、汎用CADであれば問題ありません。
オートデスク認定プログラム
「オートデスク認定プログラム」はCADツールの「AutoCAD」やBIMツールの「Revit」を開発・販売しているオートデスクが主催している資格です。初心者向けには「オートデスク認定ユーザー」があり、CADツールであるAutoCADやAutodesk Revit Architecture、Autodesk Fusion 360を使って学んでいる学生や設計者を目指す社会人向けとなっています。
CADツールとして認知度が高い「AutoCAD」のスキルや知識を証明する「AutoCADユーザー試験」は、初心者の方に大変おすすめです。合格すれば「AutoCADユーザー」として正式に認定されるので、AutoCADを導入している企業であれば、高く評価してもらえるでしょう。
問題は30問で選択式+実技操作があり、70パーセント以上の正解率で合格です。会場にAutoCADがインストールされたPCが用意されているので、自分のPCやAutoCADがなくても心配ありません。基本的な作図スキルやオブジェクト作成、作図補助機能の使用・オブジェクトの編集など幅広い分野から出題されるので、AutoCADを体系的に学ぶことができます。
オートデスク認定プログラムでは、AutoCAD以外にも「Revit Architecture」、「Fusion 360」の合計3つが用意されています。
CADデザインマスター認定試験
「CADデザインマスター認定試験」は日本デザインプランナー協会が主催する資格で、建築や機械・設備や土木といったさまざまな場面や業務の中で的確に作図できることを証明する資格です。ソフトはオートデスク社の「AutoCAD」と2次元汎用CADの「Jw_cad」を使い、CADオペレータとして必要な知識や技術を学ぶことができます。
CADデザインマスター認定試験は講師活動にも活かせる資格なので、将来はCAD分野での講師活動を視野に入れている方にもおすすめです。杭伏せ図や基礎伏せ図、見上げ図や平面図などの一般的な知識が問われ、在宅で受験できます。受験申込時に回答用紙が送付されるので、在宅で受験した後、回答用紙を返送する必要があります。
【2022年度】CADオペレータの求人倍率について
厚生労働省の公開しているデータでは、2022年度時点の有効求人倍率が「1.10」となっています。倍率が1を超えているので1人1件以上の求人がある計算となり、売り手市場の職業です。(※2)
CADは一定数の需要があり、上記の求人倍率から考えても資格を勉強する価値はあるでしょう。ものづくりが好きな方や手に職を付けたい方、設計や製図が好きな方は、資格を通してCADを勉強するのもおすすめです。
建築・土木業向け BIM/CIMの導入方法から活用までがトータルで理解できる ホワイトペーパー配布中!
❶BIM/CIMの概要と重要性
❷BIM/CIM導入までの流れ
❸BIM/CIM導入でよくある失敗と課題
❹BIM活用を進めるためのポイント
についてまとめたホワイトペーパーを配布中
参照サイト