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ベクターワークス推奨スペックはこれ!快適に動かすためのPC選びガイド【2025年版】

1. はじめに

ベクターワークス(Vectorworks)は、建築設計や舞台演出、インテリア、ランドスケープデザインなど、幅広い分野で活用されている設計ソフトです。2D図面から3Dモデリング、さらにBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)まで一つのソフトで対応できる点が、多くのプロフェッショナルから支持されています。

ただし、その多機能さゆえに、パソコンには相応の処理能力が求められます。特に3Dモデルの作成や高精細なレンダリング、BIM機能を使う場合は、CPU・メモリ・グラフィック性能など、PCの各パーツが作業効率に直結します。

そこで重要なのが「推奨スペック」の把握です。起動さえすればいいという最低限のスペックではなく、快適に作業を進めるためのPC構成を理解しておくことが、ミスやストレスを防ぎ、プロジェクトの品質向上にもつながります。

本記事では、Vectorworksを快適に使うための推奨スペックを2025年基準で詳しく解説します。さらに、用途に合ったパソコンの選び方や注意点もわかりやすく紹介します。初心者の方でも理解できるよう丁寧に解説していきますので、3DモデリングやBIM対応のPC選びに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

2. ベクターワークスとは?その基本機能と用途

この章では、ベクターワークス(Vectorworks)というソフトの特徴や、どのような分野で利用されているのかを解説します。まずはベクターワークスの基本的な機能について確認し、その後に具体的な活用シーンを見ていきましょう。

ベクターワークスは、建築設計向けのCADソフトとして世界中で導入されている実績ある製品です。2D図面の作成から3Dモデリング、さらにはBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)にも対応しており、プロフェッショナルが必要とする機能を網羅しています。特に3D表示やレンダリングなどの処理を多用する場面では、パソコンの性能が作業スピードに大きな影響を与えます。

以下のセクションでは、ベクターワークスの主な機能と活用シーンをより詳しく紹介します。とくに大規模プロジェクトや高度なBIM作業を行う場合、快適な作業環境を実現するためには高性能なパソコンが欠かせません。それぞれの機能がどの程度パソコンに負荷をかけるのかを把握しておくことは、適切なスペックを見極めるうえで非常に役立ちます。

2.1. ベクターワークスの基本機能

ベクターワークスの中心となる機能は、大きく分けて「2D作図」「3Dモデリング」「BIM機能」の3つです。

まず、2D作図では、建築図面や舞台・設備設計など、細部まで正確に描き出せるツールが豊富に揃っています。線の種類や寸法の設定が柔軟にでき、直感的な操作で設計を進められる点が特長です。初心者からプロフェッショナルまで幅広く使いやすい設計環境が整っています。

次に、3Dモデリング機能では、設計した平面図をもとに、立体的なモデルをスムーズに構築できます。壁の厚みを設定したり、素材のテクスチャを貼ったりすることで、完成後のイメージをよりリアルに表現できます。特に建築やインテリア設計では、空間の見え方を事前に確認できるため、プレゼンや検討作業の精度が向上します。

さらに、BIM機能では、建物の構造や部材の情報をモデルに統合し、干渉チェックや材料数量の集計といった業務を効率化できます。ただし、BIMは扱うデータ量が多く、プロジェクトが大規模になるほどCPUやメモリ、GPUへの負荷も大きくなるため、それに見合ったPCスペックが必要になります。

2.2. ベクターワークスの主な用途

ベクターワークスは、建築設計だけでなく、舞台演出、イベント設計、インテリアデザイン、ランドスケープ(造園設計)など、さまざまな分野で利用されています。

たとえば建築分野では、1つのプロジェクト内で2Dと3Dの図面を連携させ、整合性を保ちながら設計を進めることができます。また、レンダリング機能を使えば、完成後の建物のイメージを高精度なビジュアルで伝えられるため、クライアントとの打ち合わせにも役立ちます。近年では、BIMを活用したデータ連携や情報管理を行うケースも増えています。

舞台・イベントの分野では、照明や音響の配置計画を空間全体でシミュレーションでき、実際の施工や演出イメージをより具体的に確認できます。造園やランドスケープ設計では、地形のモデリングや植栽の配置計画を通じて、視覚的にわかりやすい設計資料を作成できます。これにより、行政や施主に対する説明資料としての説得力も高まります。

このように、ベクターワークスは多分野にわたる用途を持つため、作業内容に応じて必要なPCスペックも異なってきます。3Dモデリングを頻繁に行う場合や、複雑なBIMデータを扱うプロジェクトでは、グラフィック性能やメモリ容量が快適な作業環境のカギを握る重要な要素となります。

3. ベクターワークスの推奨スペック(2025年版)

ここからは、Vectorworksを快適に使用するための「推奨スペック」について詳しく解説していきます。特に2025年版では、レンダリングやBIM機能がさらに強化されると見込まれており、PCの処理性能をしっかり確保しておくことがこれまで以上に重要になります。

近年は多コアCPUや高性能GPUの活用が進み、最低限動かすだけの「動作環境」と、ストレスなく使える「推奨環境」との差がますます広がっています。これからVectorworksを導入する、あるいはバージョンアップを検討している方は、性能面に余裕を持たせたパソコンの導入・更新が重要なポイントとなります。

以下では、「OS・CPU」「メモリ・GPU」「ストレージ・ディスプレイ」の各項目に分けて、快適な作業を実現するために必要なスペックを具体的に紹介していきます。どこにどの程度の性能が求められるのかを把握して、後悔しないパソコン選びに役立ててください。

3.1. OSとCPUの要件

まず最初に確認したいのが、OSとCPUの条件です。

OSについては、Windowsであれば「Windows 11(64bit)」が推奨されており、最新ビルドでの使用が望ましいとされています。ただし、Windows 10(64bit)でも対応可能なバージョンもあり、併用環境では事前に互換性の確認が重要です。一方、Macの場合は最新のmacOSに対応しており、Apple製チップ(Mシリーズ)にも最適化が進んでいます。

次にCPUですが、基本的には「Intel Core i7」または「AMD Ryzen 7」以上が推奨されています。クロック周波数とコア数のバランスが重要で、VectorworksではレンダリングやBIM処理などでCPU負荷が高くなる場面が多いため、マルチコア・高クロックのプロセッサが望ましいです。

大規模なBIMモデルや複雑な3D表示を頻繁に扱う予定がある場合は、Core i9やRyzen 9といった上位クラスのCPUも検討する価値があります。また、Macの場合はApple M1 Pro以上のグレードが快適動作の目安とされており、特にM2シリーズは処理性能と電力効率のバランスが良好で、BIMなどの重たい処理にも適しています。

パソコンの頭脳であるCPUは、Vectorworksのパフォーマンスを左右する最も重要なパーツの一つです。OSとの組み合わせにも注意しながら、できるだけ高性能なものを選んでおくと長く安心して使えます。

3.2. メモリとGPUの要件

Vectorworksをスムーズに操作するには、メモリ(RAM)とGPU(グラフィックボード)の性能が非常に重要です。

まずメモリについてですが、最低でも16GBは確保しておきたいところです。これは小規模な2D作図や軽めの3Dモデルを扱う場合に限った目安であり、本格的にBIM機能を使うなら32GB以上の容量を強くおすすめします。さらに、扱うデータが多い大規模プロジェクトでは、64GB以上を搭載することで作業の安定性とスピードが格段に向上します。

メモリ不足のまま作業を進めると、ファイルの読み込みや書き出しに時間がかかるだけでなく、アプリがフリーズしたり動作が不安定になることもあります。複数の図面ファイルを同時に開く場合や、複数のアプリを並行して使うことが多い方は、容量に余裕を持たせた構成が安心です。

次にGPU(グラフィックボード)ですが、こちらは3Dモデリングやレンダリング処理を行う際に特に重要です。推奨されているのは「NVIDIA GeForce RTX 3060」以上のクラスで、AMDの場合はRadeon RXシリーズのハイエンドモデルが目安になります。VRAM(ビデオメモリ)は最低でも4GB、快適性を重視するなら8GB以上を推奨します。

特にBIMモデルや高解像度のレンダリングではVRAMの使用量が増えるため、GPUがボトルネックになると描画速度や処理時間が著しく低下するおそれがあります。最新のGPUドライバを常に保っておくことも、安定したパフォーマンスを維持するためには重要です。

GPUは画面の描画だけでなく、作業全体のレスポンスにも大きな影響を与えます。作業効率と快適性の両立を目指すなら、GPU性能にも十分こだわるべきでしょう。

3.3. ストレージとディスプレイの要件

最後に、ストレージとディスプレイに関する要件について解説します。これらも快適な作業環境を整えるうえで見落とせない要素です。

まずストレージについてですが、Vectorworksを使用するうえでは「SSD(ソリッドステートドライブ)」の搭載が必須です。従来のHDDでは読み書き速度が遅く、ソフトの起動やファイルの保存に大きな時間がかかってしまいます。特にNVMe接続のSSDであれば、より高速にデータの処理が行えるためおすすめです。

容量の目安としては、OSやVectorworks本体、関連ファイル、プロジェクトデータなどを合わせて500GB以上のSSDが望ましいです。作業中に保存される一時ファイルやレンダリングデータ、素材ファイルなどのスペースも考慮し、空き容量には常に余裕を持っておくと安心です。

次にディスプレイについてですが、作業効率を高めるためには解像度が重要です。最低でもフルHD(1920×1080)以上が基本となり、できればWQHD(2560×1440)や4K(3840×2160)などの高解像度ディスプレイを選ぶことで、図面や3Dモデルをより正確に確認できます。

さらに、2D作業と3D表示を同時に進める方は、デュアルディスプレイ環境の導入もおすすめです。画面スペースが広がることで作業の流れが格段にスムーズになり、業務効率が大幅に向上します。

ただし、高解像度ディスプレイを使用するとGPUへの負荷が高くなるため、それに見合った性能のグラフィックボードを選ぶことが前提となります。パソコン全体のバランスを見ながら、ストレージとディスプレイ環境を整えることが、快適なVectorworks運用のカギになります。

4. 推奨スペックを満たすパソコンの選び方

ここからは、これまで解説してきた推奨スペックの内容をもとに、実際にどのようなパソコンを選べばよいのかについて詳しく解説します。Vectorworksを快適に動作させるには、PCの性能バランスが非常に重要です。とくにCPU・メモリ・GPU・ストレージなどは相互に影響し合うため、どれか一つだけ高性能にしても、全体の作業効率が上がらない場合があります。

また、使用する目的や作業スタイルによっても、必要なスペックやパソコンの形態(ノートかデスクトップか)は変わってきます。価格だけで選んでしまうと、「処理が遅くてストレスになる」「拡張できず買い替えが必要になる」といった事態に陥ることもあります。

以下では、「デスクトップとノートの違い」から始め、「各パーツの選び方」まで項目ごとに整理して紹介します。初めて導入する方や、買い替えを検討している方は、ぜひ参考にしてください。

4.1. デスクトップ vs ノートPC

まず、Vectorworks用のパソコンを選ぶうえで最初に考えるべきなのが、「デスクトップ」と「ノートPC」のどちらにするかという点です。

デスクトップパソコンは、本体が大きい分だけ冷却性能が高く、パーツの拡張性に優れているというメリットがあります。同じ価格帯で比べた場合、ノートPCよりも高いスペックを搭載しやすいため、3DモデリングやBIM作業のような高負荷の作業を快適にこなすには有利です。必要に応じてメモリやストレージ、グラフィックカードを後から増設・交換できる点も大きな利点です。

一方、ノートPCは軽量で持ち運びができるため、外出先やプレゼンの現場でVectorworksを使用したい方には便利です。ただし筐体の小ささゆえに冷却性が限られ、高負荷時には動作が不安定になりやすいことや、後からパーツを増設しにくい機種が多い点には注意が必要です。

そのため、外での作業が多い方はハイスペックなノートPCを選ぶことで一定の快適さを確保できますが、設計業務がメインであれば、性能と拡張性に優れたデスクトップPCのほうが長期的にはおすすめです。用途に応じて最適な形態を選ぶことが重要です。

4.2. CPUの選び方

CPUは、Vectorworksの処理速度に直結する最重要パーツの一つです。特に、レンダリングやBIM機能を使う作業ではCPUに大きな負荷がかかるため、性能の高いものを選ぶことで全体の作業効率が大幅に変わってきます。

推奨されるのは、IntelであればCore i7以上、AMDであればRyzen 7以上のクラスです。最近では8コア以上のCPUが主流となっており、マルチタスクやマルチスレッド処理を活かした高速なレンダリングが可能です。Core i5やRyzen 5でも起動はしますが、快適な作業を求めるなら中〜上位モデルが理想です。

さらに、大規模なBIMデータを扱うケースや、高解像度のレンダリングを頻繁に行う場合は、Core i9やRyzen 9などのハイエンドCPUを検討するのも良い選択です。コア数だけでなく、クロック周波数もチェックしておきたいポイントで、ベースクロックが3.0GHz以上あれば重い処理も安定して行いやすくなります。

なお、CPUの性能が高すぎても他のパーツがボトルネックになってしまっては意味がないため、メモリやGPUとのバランスを考えて構成を決めることが大切です。CPUは一度選ぶと交換が難しいパーツですので、将来を見据えた余裕あるスペックを選びましょう。

4.3. メモリの選び方

メモリ(RAM)は、作業中にデータを一時的に保管するための領域で、容量が大きいほど複雑な図面や3Dモデルをスムーズに扱うことができます。

Vectorworksを使う上では、最低でも16GBのメモリが推奨されますが、実際には32GB以上を搭載しておいたほうが安心です。とくにBIMや複数ファイルを並行して開くような作業が多い場合は、64GBを搭載しても無駄にはなりません。プロジェクトが進行するにつれてファイルが大きくなるため、初期段階で余裕のあるメモリ構成にしておくと将来的なストレスを減らすことができます。

ノートPCでは、メモリが基板に直付けされていて増設できないモデルもあるため、購入時にあらかじめ必要な容量を見越して選ぶことが大切です。一方、デスクトップPCであれば、あとからの増設が比較的容易なため、将来的な拡張性も加味して構成を検討する余地があります。

また、同時に複数のアプリケーションを立ち上げて作業する場合にも、メモリ容量の多さはシステム全体の安定性に寄与します。作業が複雑化・多様化している現代の設計業務では、メモリは単なる「補助パーツ」ではなく、快適な操作環境の基盤とも言える存在です。

4.4. GPUの選び方

GPU(グラフィックボード)は、3D表示やレンダリングを行う際の処理を担当する重要なパーツであり、Vectorworksではとくにその影響が大きくなります。

基本的には、NVIDIAのGeForce RTXシリーズ(たとえばRTX 3060以上)や、AMDのRadeon RXシリーズの中〜上位モデルが推奨されています。これらのGPUは3D描画処理に優れており、大量のポリゴンや高解像度テクスチャを扱っても、滑らかな動作を実現できます。特に、VRAM(ビデオメモリ)は重要な要素で、最低でも4GB、できれば8GB以上を搭載しているモデルを選びたいところです。

レンダリングを多用する業務や、BIMを中心に活用するプロジェクトでは、GPUの性能が作業効率を左右する決定的な要因となります。たとえば、画面のスクロールや拡大縮小が重くなる、モデルの変更反映が遅れるといった現象も、GPUの処理能力が不足していることが原因で起こるケースが多いです。

また、4Kなどの高解像度ディスプレイや複数画面を使う場合には、GPUへの負荷が増すため、より高性能なモデルを選ぶ必要があります。GPUは後からの交換が難しいことも多いので、導入時にしっかりとしたスペックを確保しておくことが後悔しない選び方です。

4.5. ストレージの選び方

ストレージは、OSやソフトウェア、作業ファイルを保存しておくための領域で、読み書きの速度がVectorworksの動作快適性に大きく影響します。

現在の基準では、HDDではなくSSDを選ぶのが必須といえます。特にNVMe(PCIe接続)タイプのSSDは、SATA接続のSSDよりもさらに高速で、アプリの起動やファイルの読み書きが格段にスムーズになります。レンダリングやBIM作業のように大量のデータをやり取りする場面では、その違いが体感できるレベルで表れます。

容量の目安としては、最低でも500GB以上のSSDが望ましく、OS・Vectorworks本体・素材データ・プロジェクトファイルなどのスペースを確保するためにも、空き容量に余裕を持たせることが重要です。大規模な図面やレンダリングデータはファイルサイズが大きいため、1TB以上の容量を備えたモデルを選んでおくと、運用面でも安心です。

可能であれば、OSとソフトウェア用のメインドライブ(Cドライブ)と、データ保存用のサブドライブ(Dドライブ)を分ける構成にすることで、作業中の安定性がさらに向上します。バックアップや一時保存の効率も良くなり、システムの保守管理にも役立ちます。

ストレージは見落とされがちですが、読み書きのスピードや容量の余裕が作業ストレスを減らす要となります。快適なVectorworks運用を実現するために、しっかりとした選定を心がけましょう。

5. よくある質問とスペックに関する注意点

この章では、Vectorworksを導入・使用する際に多く寄せられる質問や、パソコンのスペックを選ぶうえで注意すべきポイントをまとめて解説します。購入前や運用中に疑問を感じやすい点をあらかじめ把握しておくことで、無駄なコストやトラブルを防ぐことができます。

スペック表やカタログを見ただけでは判断しにくい点も多いため、ここでは現場の実例や使用経験に基づいた観点から、実用的なアドバイスをお届けします。とくに、内蔵グラフィックスだけで本当に動くのか、Macでも使えるのかといったよくある疑問について、明確にお答えしていきます。

また、中古パソコンや法人向けリース機を導入する際の注意点、ドライバやOSとの互換性など、スペック以外にも見落としがちなポイントもあります。そうした点にもしっかり目を向けておくことで、導入後のストレスや失敗を未然に防げるでしょう。

Q1:グラフィックボードなしでもVectorworksは動作しますか?

はい、Vectorworks自体は内蔵グラフィックス(たとえばIntelのUHD GraphicsやIris Graphics)でも一応動作します。ただし、快適性には大きな差があり、特に3DモデリングやBIM、レンダリングなどの高負荷な作業を行う際には、処理速度が大幅に低下することがあります。

実際には、画面がカクついたり、操作のレスポンスが遅れたりといった不便さを感じやすくなります。そのため、スムーズな作業を求めるのであれば、独立型のグラフィックボード、たとえばNVIDIA GeForce RTXシリーズやAMD Radeonシリーズの搭載が推奨されます。とくにVRAMの容量が4GB未満の場合は、最新のVectorworksにおいては描画処理で負荷がかかりすぎる可能性もあるため注意が必要です。

Q2:MacでもVectorworksは問題なく動作しますか?

はい、VectorworksはmacOSに正式対応しており、Apple製のMシリーズチップ(M1、M2など)にも最適化が進められています。これにより、Macでも快適にVectorworksを使える環境が整っています。

ただし、Macではパーツのカスタマイズ性が限られており、購入後にメモリを増設したり、グラフィック性能を後から強化したりといった柔軟な対応が難しい点には注意が必要です。購入時に構成をしっかり検討しておかないと、後から性能不足を感じることもあります。

また、使用する周辺機器との相性や、他のWindows向けCADソフトとの互換性も考慮する必要があるため、複数の設計ソフトを併用する予定がある方は、OSの選定を慎重に進めるのがおすすめです。

Q3:メモリは後から増設できますか?

メモリの増設可否は、使用するパソコンのタイプによって異なります。デスクトップPCであれば、メモリスロットに空きがあれば比較的簡単に増設が可能です。将来の拡張性を考えるなら、初期構成でメモリスロットに余裕のあるモデルを選ぶとよいでしょう。

一方で、ノートPCや超薄型のモデルでは、メモリが基板に直付けされているケースが多く、増設や交換ができないものも少なくありません。このような場合、購入時点で必要な容量をしっかり見極めておく必要があります。

特にVectorworksのような重めのソフトを使う場合、作業中に足りなくなると大きなストレスにつながるため、将来の使用環境を見越して余裕ある容量を選ぶのがポイントです。

Q4:BIM機能を使うには、どのくらいの構成が必要ですか?

BIM機能を本格的に活用する場合、通常の2D作図や軽い3Dモデリングとは異なり、パソコンにかかる負荷が大きくなります。そのため、CPU・メモリ・GPUのいずれも高水準なスペックが求められます。

具体的には、CPUはCore i7以上(またはRyzen 7以上)、メモリは最低32GB、可能であれば64GBを推奨します。GPUに関しても、VRAM 8GB以上のミドル〜ハイエンドクラスが望ましく、大規模なモデルや高解像度ディスプレイを使う場合は、さらに高性能なモデルを選ぶことで処理の安定性が向上します。

BIMはモデルの複雑さだけでなく、干渉チェックや数量拾いといった多様な処理を行うため、スペック不足のまま作業すると動作が重くなり、生産性が落ちてしまいます。快適に運用するためにも、BIM対応を視野に入れた構成を最初から選んでおくと安心です。

その他の注意点:中古パソコンや法人向けPCを導入する場合

コストを抑える目的で中古パソコンや法人リース落ちのモデルを検討する方も多いかもしれませんが、いくつか注意すべきポイントがあります。

まず、スペックが最新のVectorworksの要件を満たしているかどうかを確認することが最優先です。CPUの世代が古すぎる場合や、メモリ・GPUの性能が不足している場合、快適な動作は望めません。また、グラフィックボードのドライバが既にサポート終了している場合もあるため、公式サイトで最新の対応状況を確認しておくと安心です。

OSについても、サポートが終了しているバージョンではVectorworksの動作が保証されない場合があるため、導入前にしっかりと調査を行いましょう。価格だけで決めるのではなく、長期的に安定して使用できる環境であるかを見極めることが大切です。

6. まとめ:快適なVectorworks環境で作業効率アップ

ここまで、Vectorworksを快適に使うために必要なパソコンの推奨スペックや、構成ごとの選び方、注意点について詳しく解説してきました。

Vectorworksは非常に多機能な設計ソフトであり、2D図面だけでなく3DモデリングやBIMといった高度な処理を行うため、パソコンの性能が作業効率に直結します。CPUやGPU、メモリ、ストレージといった各パーツのバランスを最適化することで、ストレスの少ない快適な作業環境を構築することができます。

特にBIM機能を活用するようなプロジェクトでは、大容量メモリや高性能GPUの重要性が増しており、将来的なバージョンアップや複雑な設計業務にも対応できるパソコンを選んでおくことが、結果的にコストパフォーマンスの高い選択につながります。初期投資は多少かかっても、高いパフォーマンスを持つPC環境は作業時間の短縮やミスの軽減、クライアントへの提案力向上にも貢献します。

この記事でご紹介した内容を参考にしながら、ご自身の用途や作業スタイルに合ったパソコン構成を見極めて、最適な作業環境を整えてください。快適なVectorworks環境を手に入れることで、日々の業務効率を高めるだけでなく、より創造的で質の高い成果を生み出すことができるはずです。

今後の設計業務をスムーズに進めるためにも、ぜひこの記事の内容を活用して、納得のいくPC選びを実現してください。快適な操作環境は、あなたの設計力を最大限に引き出す力になります。

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<参考文献>

Vectorworks Japan

https://www.vectorworks.co.jp/

Vectorworks システム要件 – ナレッジベース – Vectorworks コミュニティボード

https://forum.vectorworks.net/index.php?/articles.html/articles/sysreq/

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