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AutoCADでスライド寸法を使いこなすために知っておきたいこと

AutoCADを使った図面作成において、基本的な操作となるのが寸法入力です。AutoCADでは実に多様な寸法機能が揃っており、必要に応じて柔軟に表示を切り替えたり、編集したりすることができます。

この記事では、AutoCADを使った寸法入力をより便利なものにするスライド寸法について、解説します。

目次:

  1. 寸法とは
  2. 寸法線と寸法補助線について
  3. AutoCADを使った寸法の引き方
  4. AutoCADで使える寸法補助線の主な機能
  5. 寸法補助線の表示をAutoCADで変更する方法
  6. AutoCADのスライド寸法機能とは
  7. AutoCADでスライド寸法を使いこなす方法

寸法とは

そもそも寸法は、図面のそれぞれの辺の長さがいくつなのかを表す物です。直線・曲線の二点間の距離を数値化し、単位はmm(ミリメートル)が基本となります。記入のさい、単位は省略して数値だけで表現し、最小限の情報で必要事項を伝えることが大切です。

また、寸法は長さだけではなく、角度を表すための角度寸法が使われることもあるので、覚えておくと良いでしょう。

寸法線と寸法補助線について

寸法はただ辺の隣に数字を書くだけでなく、寸法線と寸法補助線を使い分けることで正しく表現することができます。

寸法線は、測定する長さの方向や角度と平行に矢印線を引き、どこからどこまでの寸法を測定しているのかを表すための線です。

寸法線があることで、複雑な図面でも寸法の表示を正しく読み取ることができます。ちなみに寸法の値は、寸法線の中央に書き込むことが一般的です。

寸法補助線は、寸法の位置を知らせる部分を測定したいところから垂直に引き出し、寸法線を書き込むために用意する線です。寸法補助線があることで、寸法線を正しく記入することができます。

寸法補助線は寸法線を引くための補助的な線なので、場合によっては記入しないこともあります。例えば図面の都合上、形状の中に寸法線を引く場合は、寸法補助線の記入は必要ありません。

AutoCADを使った寸法の引き方

AutoCADを使って図形に対して寸法を記入する方法は、実に簡単です。まずはAutoCADで[寸法記入]ツールを立ち上げます。[寸法記入]ツールはホームから[注釈]を選択するとあるのでこれをクリックしましょう。

[寸法記入]ツールが立ち上がったら、続いて寸法を記入したい線分をクリックします。すると寸法線の位置と寸法補助線の位置が自動で表示され、選択している線分に合わせて最適な形で寸法を正しく引くことが可能です。

寸法線の位置は、線分をクリックした際に必要に応じて柔軟に変更することができます。図面の都合に合わせて、見やすい形で設定すると良いでしょう。

AutoCADで使える寸法補助線の主な機能

AutoCADでは、寸法補助線に関する機能が充実していることで知られています。寸法補助線を単なる直線として引くのはもちろんですが、プロパティから設定を変更することで

  • 線の色
  • 線の太さ
  • 延長の程度
  • オフセット長

といった要素の変更が可能です*1。

線の色や太さを変更する場合、変更の内容は画面上の図面はもちろん、印刷した際にも変更内容が反映されます。図面や図形に合わせて、適宜設定を変更できるのが理想です。

延長の程度とは、寸法補助線を寸法線を超えてどの程度延長させるかを設定する物です。寸法線のみやすさ、あるいは補助線の見やすさを確保するために使用します。

オフセットとは、寸法補助線の起点と始点の距離を指す言葉です。オフセット長の設定によりこの距離を自由に設定できます。

場合によって見やすい寸法線や寸法補助線は異なるため、色々と試してみることをおすすめします。

寸法補助線の表示をAutoCADで変更する方法

上述の通り、AutoCADでは寸法補助線を自由に設定することができるのが便利なポイントです。寸法補助線の表示設定を後から変更したい場合は、[ホーム]タブから[注釈]パネルを選択し、[寸法スタイル管理]を選ぶことで可能です。

[寸法スタイル管理]を選ぶと、ダイアログボックスから変更するスタイルを選ぶことができます。スタイルを選択したら[修正]を選び、[寸法線]タブから[寸法補助線]の設定を変更しましょう。

スタイルの変更が完了したら[OK]を選ぶことで、表示設定の変更は完了です。

AutoCADのスライド寸法機能とは

AutoCADでは寸法線をそのまま平行に移動させることはできませんが、代わりに寸法補助線を斜めにスライドさせるための「スライド寸法」機能が存在します。

スライド寸法機能は、平行に寸法補助線をずらして寸法を見やすく表示するための機能です。寸法線はデフォルトの場合、線分に対して垂直に表示されます。

しかしスライド寸法機能を有効活用することで、寸法補助線の角度を変更し、寸法表示の柔軟性を高めることが可能です。

AutoCADでスライド寸法を使いこなす方法

スライド寸法機能をAutoCADで使用するにあたっては、以下のポイントを覚えておくことが重要です。

スライド寸法機能の使い方

スライド寸法機能を使用するには、[注釈]タブから[寸法記入パネル]を展開し、[スライド寸法]を選ぶことで可能です。

スライド寸法機能を立ち上げたら、斜めにスライドさせたい寸法補助線をクリックします。すると角度入力が可能になるので、傾けたい角度を入力してEnterを押すと、寸法補助線に角度が反映され、斜めに表示されます。

スライド寸法機能を立ち上げる方法としては、もう一つ[DIMEDIT]コマンドを入力するという方法もあります。DIMEDITを入力してオプションから[スライド]を選択することで、スライド寸法を実施可能です。

DIMEDITコマンドのその他の使い方

DIMEDITコマンドはスライド寸法以外にも、いくつかの便利な機能を実行することができます。バリエーションとしては

  • 元の寸法値位置
  • 寸法値置き換え
  • 寸法値角度

が挙げられ、いずれも便利なツールです*2。

元の寸法値位置は、設定した寸法スタイルをデフォルトに戻す機能です。寸法値の置き換えは、寸法値の変更を実行できます。

寸法値角度は、寸法値そのものを回転させ、視認性を図面に合わせて高めることができます。いずれの機能も歯がゆい部分を細かく設定できるので、覚えておきましょう。

まとめ

この記事では、AutoCADを使ったスライド寸法の方法や寸法補助線の使い方について解説しました。

スライド寸法を覚えておくことで、寸法の表現力を高め、より質の高い図面作成に役立てることができます。各種機能の違いを覚えておき、スキルアップに繋げましょう。

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出典:

*1 Autodesk「AutoCAD 2022 ヘルプ」

https://help.autodesk.com/view/ACD/2022/JPN/index.html?guid=GUID-695722CD-A131-48DB-9AB8-162F0832FE04

*2 Autodesk「AutoCAD for Mac 2024 ヘルプ」

https://help.autodesk.com/view/ACDMAC/2024/JPN/?guid=GUID-4C422870-32A1-457B-8D1E-BD4AF7967FF1

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