クラウド?社内?あなたの会社のサービスはどこに置くべき?
社内システムをクラウドサービスに移行しようか?そう考えている方は多いのではないでしょうか。とはいえ、社内にサーバを置いて運用する(オンプレミス)のも捨てがたい。価格だけではない両者の比較を、項目別に見ていくことによって、サービスはどこに置くのが最適なのかを考えます。
自社サーバvsクラウドの訴求ポイントと課題
サービス開始時の初期導入費用
オンプレミスの場合初期費用が高額になりがちです。それは、サービス立ち上げににあたって、サーバ機器、ストレージ、OS、さらに、インストールするアプリケーションの費用。もしくはアプリケーションの開発費などがかかります。これらは、場合によって、数百万円単位の費用となることがあります。
クラウドの場合には、初期費用がかかる場合もありますが、オンプレミスと比べると圧倒的に少ない額(高くても数十万円レベル)ですむことが多いです。
初期導入費用という点では圧倒的にクラウドサービスにメリットがあります。
サービスの恒常的な運用にかかる費用
オンプレミスの場合、運用にかかる費用も考えておく必要があります。
まず、システムがダウンした場合には、自前での対応が必要です。日頃からシステムの稼働監視が必要となり、そして、システムに対するセキュリティバッチの適用なども自分たちで行う必要があります。
クラウドサービスの場合には、基本的にサービスの運用(監視や、セキュリティパッチの適用など)に関する部分は気にしなくても良いということになります。システムのバックアップや停止時の復旧もサービス側が担保することになります。
ただし、システム停止からどれくらいのリードタイムで復旧するかや、セキュリティリスクの担保については、サービス提供会社のサービスレベルによりますので、注意が必要です。
運用費用についてはクラウドサービスは費用がほとんどかかりません。しかし、本当に任せて大丈夫なのか、クラウドサービス運営会社のSLAなどをよく確認する必要があります。オンプレミスは自前ですべて用意しなければならず手間がかかる反面、サービスレベルは自社で自由に設定できるのが強みです。
サービスのネットワーク上のセキュリティ
オンプレミスの場合は、サーバは社内にありますので、ネットワーク環境は自由に設定することが可能です。経営に関して最重要なデータやシステムはインターネットに接続しない環境におく必要もあるでしょう。
クラウドサービスの場合、サービスは基本インターネット上で公開にありますので、オンプレミスのように閉鎖ネットワーク環境を構築することは不可能です。しかし、サービスによってはVPN(バーチャル・プライベート・ネットワーク)接続を提供している場合などがあります。
ネットワークのセキュリティ対策についてはやはりオンプレミスが一番安心ではありますが、クラウドサービスにもネットワークセキュリティを考慮したサービスの提供が増えていますので、クラウド化においてはサービスのセキュリティ要件をよく検討する必要があります。
サービス基盤の拡張性
オンプレミスにおいて、サーバのスペックやストレージの容量を変更する場合には、機器の変更が伴います。機器の変更には、機器の費用と納期、入れ替え作業のコストと作業時にサービス停止が伴うなどの問題があります。
クラウドサービスにおいては、スペック向上や容量拡大については比較的フレキシブルに対応できる場合が多いです。容量やスペックを向上させる場合には、サービス提供会社によって料金体系が異なります。
スケールアップについては、オンプレミスよりもクラウドサービスの方が、敷居が低く簡単に対応することができます。しかし、容量やアカウントを追加しすぎるとかえってオンプレミスよりもクラウドサービスの費用の方が高額になる場合がありますので注意が必要です。
サービスのカスタマイズの容易さ
オンプレミスは必要に応じてアプリケーションをカスタマイズすることが容易です。社内に全ての環境があるので当然ではありますが、既存システムとの連携なども自由に設定することが可能です。
一方、クラウドサービスの場合、特にSaaSでは、サービスのカスタマイズには一定の制限があると考えるべきでしょう。その制限を許容することが可能かどうかをしっかり判断するべきです。
特徴をしっかり検討して最適な選択を!
このように、オンプレミスとクラウドサービスにはそれぞれにメリット、デメリット、得意な分野が存在しています。その特徴をよく理解した上で最適な方法を選択して下さい。