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はじめてのSOLIDWORKSアニメーション!基本操作と作り方をわかりやすく解説

1. はじめに

SOLIDWORKSでアニメーションを作成すると、設計した3Dモデルに動きを加えられるため、プレゼンテーション用アニメーションや製品デモンストレーションなど、さまざまな場面で効果的に活用できます。特に初心者向けチュートリアルとして学んでいただくと、モーションスタディを活用して部品同士の動きや分解図アニメーションを簡単に表現できるようになり、設計レビューや教育用アニメーションの作成に大いに役立ちます。

しかし、SOLIDWORKSはCADソフトウェアとして多機能な反面、アニメーション機能の基本操作やキーフレームの概念、タイムライン操作のポイントなどを段階的に学ばないと、導入時に戸惑う場面が少なくありません。そこで本記事では、はじめてSOLIDWORKS アニメーションを扱う人にもわかりやすいように、具体的な手順と部品の動きの設定方法をステップバイステップで解説していきます。

この記事を通じて、アセンブリ アニメーションの基本からモーター設定による回転アニメーションや直線運動、表示状態アニメーション、そしてAVI形式出力の方法まで幅広く学べるようになります。こうした知識と手法を身につけることで、「SOLIDWORKS モーション」を活用するとどんなメリットが得られるかを理解し、実際の設計プロジェクトで3Dモデリングへ応用できる基盤を築いてください。

2. SOLIDWORKSアニメーションの基本

引用:SOLIDWORKSヘルプ:https://help.solidworks.com/2025/japanese/SolidWorks/motionstudies/t_creating_basic_animations_motion.htm

SOLIDWORKSアニメーションを扱ううえで、まず押さえておきたいのは全体の仕組みと前提条件です。SOLIDWORKSには「モーションスタディ」というアニメーション作成機能が用意されており、これを使えばCADソフトウェア上で作成した3Dモデルの動きを時系列で管理し、キーフレームを利用したアニメーションの作成方法や、さまざまな物理シミュレーションを組み合わせた動作表現が可能になります。

モーションスタディでは、基本操作としてタイムライン上にキーフレームを配置し、その時点での部品の位置や角度、表示状態を記録しながらアニメーションを構築します。例えば、回転アニメーションならば軸を指定して回転速度を設定し、直線運動ならばモーター機能を用いて任意の方向へ移動量を設定することができます。さらに分解図アニメーションを作れば、部品の組み立て手順や分解手順を視覚的に伝えることが可能です。

初心者向けチュートリアルとしては、まず基本操作を掴む段階でも、作成したアニメーションを動画出力して確認することが大切です。AVI形式出力や画像連番の生成などの機能を使いこなし、設計レビューや社内プレゼンテーションに応用しやすい発表資料を得ることができます。ここでは、そんなモーションスタディの全体像を理解するうえで欠かせないアニメーションとは何か、そしてアニメーションを作るために必要な環境設定について順を追って解説します。

アニメーションを活用し始めると、単なる見た目の動きだけでなく、物理的な挙動や力学的要素の追加など、さらに高度な機能を組み合わせた表現にもチャレンジしたくなるかもしれません。ですが最初に取り組むべきは、タイムライン操作やキーフレームの打ち方をしっかりと押さえることです。ここを理解すると、段階的にアセンブリの動作やセミナー資料用の教育的動画、そしてプレゼンテーション用アニメーションをスムーズに作り込めるようになるでしょう。

2.1. アニメーションとは何か?

まず「アニメーション」とは、時間の経過とともにモデルが移動したり回転したりする様子を連続的に表現する手法を指します。具体的には、3Dモデリングで作成したオブジェクトに対し、複数のキーフレームを設定してそれぞれの瞬間の位置や角度を記憶し、ソフトウェアがキーフレーム同士の動き(補間)を演算して、滑らかな動画として再生させます。

この連続的な動きのおかげで、単なる静止画や断片的な説明では伝わりにくい機構の動きを、視覚的に理解しやすくできます。たとえばアセンブリ アニメーションとして、部品同士がどのように組み合わさるか、またはどのように分解できるかを示すことで、初心者の方でも設計の意図を的確に把握しやすくなるでしょう。さらにプレゼンテーション用アニメーションとしては、カメラワークを組み合わせてズーム アニメーションを行い、重要な部分を強調したり見せたい角度を切り替えるといった演出が可能です。

また、動きの種類も多彩なので、回転アニメーションや直線運動だけでなく、SOLIDWORKS モーションによる剛体の衝突判定やバネ、重力などの物理シミュレーションを用いて、よりリアルな部品の動作を再現できます。こうした表現力の豊かさがアニメーションの魅力です。特に学習の初期段階では、まず基本的なキーフレームの概念を掴むことから始めると、さまざまな業種・目的に合わせた動画を作成する道がぐっと広がります。

2.2. 必要なツールと環境設定

SOLIDWORKSでアニメーションを作るには、まずモーションスタディを扱える環境が必要です。通常、SOLIDWORKS Standardライセンス以上で『アニメーション』と『基本モーション』は利用可能です。『Motion Analysis』(より高度な物理シミュレーション)を行うには、SOLIDWORKS Premiumまたは別途モーションアドインが必要です。特に、物理シミュレーションを組み合わせてより高度な動作解析を行うケースでは、どのエディションを使用しているかを把握しておくといいでしょう。

ツールとしては、SOLIDWORKSの画面下に表示される「モーションスタディ」タブが操作の中心になります。ここにタイムラインがあり、キーフレーム作成、モーター設定、動力の追加など、アニメーション作成方法を実践するためのメニューがそろっています。また、動画出力の際には、AVI 形式出力や画像ファイルの連番出力を選択することができるため、出力時のフレームレートや解像度を適切に設定する環境が整っていれば問題ありません。

そして、動作環境としては十分なグラフィック性能を備えたPCが望ましいです。3Dモデリングやアニメーションの再生中は描画処理が集中するため、スペックがギリギリのマシンではプレビューがカクつく場合があります。作業効率を高めるためにも、推奨スペックを満たすマシンを用意し、表示を高速化するオプションやパフォーマンス設定を見直しておくと、スムーズな学習体験を得られるでしょう。

3. 基本操作の学習

引用:SOLIDWORKShヘルプ:https://help.solidworks.com/2025/japanese/SolidWorks/motionstudies/t_creating_basic_animations_motion.htm

いよいよアニメーションを構築するための具体的な操作方法に入っていきます。SOLIDWORKS アニメーションを自在に扱うには大まかに、モーションスタディの作成・キーフレームの設定・モーターや動きの付与といったステップを順番に理解することが不可欠です。

まずは、シンプルなパーツやアセンブリを用いて、モーションスタディの画面構成を確認しましょう。ここでタイムライン操作やキーフレーム生成がどのように行われているかを正しく理解しておくと、今後のより複雑なアニメーション作成でもスムーズに進められます。とりわけ、キーフレームの打ち方を誤ると、思わぬタイミングで部品が変な角度に動いてしまうなどのトラブルが生じることもあります。頭で理解するだけでなく、実際に触れてみることが重要です。

さらに、モーター設定を使用すれば、部品を特定の軸で回転させる回転アニメーションや、一定距離を移動させる直線運動を簡単に実装できます。これに加え、表示状態アニメーションでは部品の透明度を徐々に変化させたり、非表示にしたりして、視覚的な演出効果を加えることが可能です。これらの操作を繰り返し学習し、「SOLIDWORKS チュートリアル」等を参照しながら試行錯誤すると、初心者向けチュートリアルを卒業して中級レベルのアニメーションカスタマイズへと進む道が開けてくるでしょう。

ここでは、代表的な流れとして、モーションスタディの設定、キーフレームとタイムラインの取り扱い方、そしてモーターや追加演算などの設定手順を順々に見ていきます。部品の動きの設定を習得することで、実際の設計レビューや製品デモンストレーションで使える動画出力にもつなげやすくなるはずです。

3.1. モーションスタディの設定

まず、SOLIDWORKS画面下の「モーションスタディ1」などと書かれたタブをクリックし、新規モーションスタディを立ち上げます。ここでは標準的に「アニメーション」を選択するか、より高度な物理シミュレーションを行いたい場合は「モーション解析」を選ぶことになります。

この段階でざっくりとしたタイムラインの長さを設定できるので、試しに5秒や10秒程度の短いアニメーションを想定してみましょう。続いて、タイムライン上に部品名が並び、各部品の回転や移動を制御できるようになります。また、「計算タイプ」の指定で「基本モーション」や「ソリッドボディ接触の有無」など、どのくらい物理演算を考慮するかが選べるのもモーションスタディの特徴です。

最初はあまり難しく考えず、単純に部品を動かしたり回転させたりしてアニメーションになる様子を確認してみると良いでしょう。特定のフレーム位置で部品をドラッグすれば、その場所にキーフレームが自動追加され、そこまでの補間動作が生成されます。タイムライン上で変更を加えた後、右下の“再生”ボタンでアニメーションをシミュレートできますので、意図した動きになっているか確認し、必要に応じて軌道(移動・回転方向)の設定を調整しましょう。より滑らかで意図通りの動きになるよう細かく調整していくのがコツです。

3.2. キーフレームとタイムラインの操作

キーフレームとは、アニメーションの各時点における部品の位置や姿勢、表示状態を記録したポイントです。タイムライン上にキーフレームを設定すると、キーフレーム間はソフトウェアが自動的に補間して、連続したモーションを描き出します。ここで重要なのは、思ったタイミングで正しい位置にキーフレームを置くことです。

操作の流れとしては、まずタイムライン上の目盛りを任意の時間に移動し、その時点で部品を移動・回転させます。すると、自動キー機能をオンにしていれば、その瞬間の姿勢が記録されます。もし手動キー設定の場合は「キーフレームの追加」を行い、確実に保存します。次の段階として、時間を進めて別の姿勢を設定し、再度キーフレームを打つ。こうして2点を結ぶモーションが形成されるイメージです。

ただし、タイムラインが複雑になるにつれ、どの時点でどんなキーフレームを打ったか分かりにくくなります。あらかじめ主な変化タイミングを決めておくと混乱を防ぎやすいです。また、キーフレーム同士の間隔が狭いと、実行時に動きが急になったり、再生が速すぎたりするので、ビジュアル的に違和感が出たらキーフレームの配置時間を調節してください。キーフレーム同士の間隔を広げれば動きはゆったりとし、狭くすれば短時間で素早いアクションが可能となります。

3.3. モーターと動きの追加

回転アニメーションを作りたいときや、直線運動で一定速度を保ちたいときにはモーター設定が便利です。アセンブリ内の回転軸となる円筒面や直線ガイドを選んでモーターを適用し、角速度や移動速度を指定すれば、キーフレームを打たなくても連続的な動きを自動で生成できます。

例えば、ファンが回転するアニメーションを作るならば、モーター設定で軸を選び、回転数や回転方向を入力すればOKです。タイムライン上にモーターの始点・終点をセットしておくと、指定した時間内で回転を続けます。同様に、ある部品を一定方向に動かす直線運動も同じ操作感で扱えるので、手動でキーフレームを細かく打つよりずっと効率がいいでしょう。

さらに、分解図アニメーションを細かく作り込む際にも、このモーターや直線移動機能は役立ちます。キーフレーム操作と組み合わせて、局所的には手動で姿勢を作りつつ、全体にはモーターで一定速度を保つなど、状況に合わせて使い分ければ、設計レビュー向けの解説動画などもわかりやすくスムーズな仕上がりになります。

4. 実践!簡単なアニメーションの作成

ここからは、実際にシンプルなアセンブリを使ってアニメーションを作るときの手順を解説していきます。初心者の方が最初に取り組む際には、あまり複雑な機能を詰め込みすぎず、まずは1つか2つの部品を動かしてみる程度のスモールプロジェクトで手を慣らすとよいです。たとえば、回転アニメーションでプロペラを回すだけの例や、引き出しのように部品を直線運動させるだけの例などが、学習に最適といえます。

このステップバイステップを行うことで、タイムラインの基本操作やキーフレーム配置のタイミング、アニメーションの速度調整やプレビューの確認方法などを実感的に把握することができます。実際に画面で部品が動く様子を見ながら学習すると、単なるテキストや静止画だけではわかりにくいポイントが見えてくるはずです。ここでは最終的に、AVI形式出力などで動画ファイルを得ることを目標としつつ、細かい調整やミスの修正方法もあわせて紹介していきます。

完成したアニメーションは、教育用アニメーションや社内向けマニュアルの補助資料などにも流用可能です。一度成功体験を積むと、さらにカメラワークや物理シミュレーションを取り入れて拡張したアニメーションを作りたくなるはずですので、この「実践」の章でしっかり操作の流れに慣れておくことをおすすめします。特にゴールとして、部品の動きの設定を自由に行えるようになれば、設計レビューでのインパクトも一段と高まるでしょう。

4.1. プロジェクトの準備と計画

まず、挙動を示したいアセンブリをあらかじめ用意しておきます。可能であれば、部品数を少なめに構成し、可動部がはっきり分かりやすいモデルを選びます。たとえば、三枚羽のプロペラとシャフトがついたモデルや、引き出し付きの小さなキャビネット、単純な歯車機構だけのアセンブリなどが初心者に向いています。

プロジェクトの目的を明確にすることも大切です。例えば「ファンが一定速度で回転する様子を動画にする」といった具体的なゴールを設定すると、そのために必要なパーツの準備やモーター設定の計画が立てやすくなります。また、スムーズな動きを表現するために、本番前にタスクを分割して試験的に回転アニメーションを作ってみると良いでしょう。特に、アニメーションの速度調整やキーフレーム位置の確認を念入りにしておくと、完成度が高まります。

実際の現場では、プレゼンテーション用アニメーションとして複雑な製品の組み立て手順などを示すことも多いですが、そうした大きなプロジェクトに挑戦する前に、まずは焦らず小さな目標をクリアするステップから始めてください。ゆくゆくは複数のアセンブリ アニメーションを組み合わせるなど、より発展的な表現にも手を伸ばしやすくなります。

4.2. アニメーションのステップバイステップ作成

作成の手順としては、まずSOLIDWORKSを起動して対象のアセンブリファイルを開き、画面下のモーションスタディタブをクリックして、新規モーションスタディを始めます。次に、以下のような流れで簡単な回転アニメーションを作ってみてください。

(1) タイムラインを数秒程度に設定して、最初のフレーム(0秒)にて部品の姿勢を初期状態として記録。

(2) 時間を2秒に進め、プロペラや回転させたいパーツを90度ほど回して、新たなキーフレームを自動生成させる。

(3) さらに時間を4秒あたりに進めて、180度回転した状態を作り、キーフレームを追加。

(4) 再生ボタンを押して、0秒から4秒までの間で段階的に回転する様子を確認。

このように、基本的には部品の姿勢を変更して時間軸を進めるだけで連続的な動きを表現できます。また、モーター設定を使うなら、回転数や回転方向を入力するだけで自動連続回転を付与できるので、キーフレームを細かく打たなくても済む場合があります。いずれにしても一度再生して確認し、想定通りでなければキーフレームの位置やモーターのパラメータを修正します。

こうしたステップバイステップを繰り返すうちに、タイムライン操作やキーフレームの編集感覚が自然と身につきます。初心者向けチュートリアルとしては、まず「回転アニメーションが意図した速度・タイミングで動く」ことを目標にすると、モーションスタディのコツをずいぶん掴めるようになるでしょう。

4.3. アニメーションのプレビューと調整

ある程度キーフレームを配置して動きを作り終えたら、何度か再生ボタンを用いてアニメーションをプレビューし、滑らかさやタイミングに問題がないかをチェックします。もし中間で唐突に部品が跳んだり急停止するようであれば、キーフレームの配置時刻や角度設定が不適切かもしれません。また、回転アニメーションの場合は軸がずれていると変な軌道になることもあるので、軸設定を再確認してみましょう。

アニメーションの速度調整は、キーフレームの間隔を広げたり狭めたりする方法が基本です。間隔を長くすれば動きがゆっくりになり、短くすると速度感が増します。直感的にはタイムラインでドラッグ&ドロップするだけなので、何度か試して好みのテンポを探してみてください。プレビュー時に拡大や回転など視点を動かしながら確認できるので、見せたいアングルが決まっている場合はカメラワークも合わせて追い込むと完成度の高い動画になります。

最後に、必要に応じて部品の表示状態アニメーションなどに手を伸ばすと、アセンブリ内で部品が徐々に消えたり現れたりと、プレゼンテーション効果を高める表現が可能になります。こうした微妙な演出は、設計レビューでの理解促進において意外と大きな差を生むため、時間に余裕があればぜひ挑戦してみてください。

5. アニメーションの出力と共有

作成したアニメーションが概ね完成したら、次は動画としてエクスポートする手順を押さえておきましょう。SNSや社内ツールで共有したり、プレゼン資料として組み込んだりできるようになると、実際の業務や学習シーンで役立つ場面がさらに増えます。特にSOLIDWORKSアニメーションは、簡単にAVI形式出力できるので、一般的な動画プレーヤーで再生しやすいファイル形式を得ることができます。

出力時には、解像度やフレームレート、圧縮コーデックなどを設定する必要があります。解像度が高ければ画質が鮮明になる一方、ファイルサイズが大きくなるため、発表の用途や共有方法によってバランスを考えるのがおすすめです。フレームレートは、標準的な30fps~60fpsあたりを選ぶとスムーズな印象になり、教育用アニメーションなどを作る際にも比較的違和感のない仕上がりを得やすいでしょう。

また、保存した動画は社内データベースやクラウドストレージにアップロードしておくと、社内メンバーがいつでもアクセスできるようになり、設計レビューや研究会でのディスカッションがはかどります。エクスポート機能を使いこなすことで、SOLIDWORKS モーションスタディで組み上げた魅力的なアニメーションをさらに広く活用していただけるはずです。

5.1. 動画ファイルとしてのエクスポート

動画ファイルを出力するには、モーションスタディの画面上で「アニメーションの保存」ボタンを探し、プルダウンから「ビデオとして保存」を選択します。わかりやすい場所に保存先のフォルダを指定し、AVI、MP4などの対応拡張子を選択した後、解像度やフレームレートを決めて「保存」ボタンを押すだけです。特定のコーデックを指定できる場合もありますので、必要に応じて最適なものを選びましょう。

たとえば、プレゼンテーション用アニメーションなら、フルHDや4Kといった高解像度で作ると見栄えは良いですが、その分だけファイルサイズやレンダリング時間が増えます。社内向けに軽量ファイルを共有したい場合は、HD(720p)程度でも十分視認性は高いことが多いので、プロジェクトの要件に応じてバランスをとると良いです。

特に、社外へ提出する資料の場合は画質重視で作っておく方がクオリティを評価してもらいやすいというメリットがあります。逆に、反復確認のために何度も見直す場合は、軽い解像度で実行速度を優先するなど、状況に応じて出力パラメータをカスタマイズすることをおすすめします。

5.2. アニメーションの共有とフィードバック

完成した動画は、プロジェクトメンバーや上司、クライアントなどに見せてフィードバックを受け取ることで、アニメーションの品質や情報伝達のわかりやすさがさらに向上します。メールに添付する場合はファイルサイズ制限がネックになることがあるため、ファイル共有サービスや社内サーバにアップロードしてリンクを共有するのが便利です。

もし相手もSOLIDWORKS環境を持っているなら、モーションスタディそのものを含んだアセンブリデータを共有して、各自のPC上で再生・修正を試してもらう方法も考えられます。また、チーム内で映像編集ツールを使って解説テキストやBGMを追加すれば、教育用アニメーションとしてより完成度の高い動画になります。場合によってはスライドやパワーポイントと合わせて埋め込む形で発表すると、動画が再生されるタイミングを自在にコントロールでき、プレゼン全体を通して一貫性のあるメッセージを伝えやすいでしょう。

フィードバックを受けたら、必要に応じて再度モーションスタディを修正し、新たなキーフレームを追加したりモーター設定を変えたりすることで改善サイクルを回します。この繰り返し作業により、単純な回転アニメーションから高度な分解図アニメーションまで、経験を積むほどに洗練された作品が作れるようになるはずです。

6. よくある問題とその解決策

アニメーションを作っていると、どうしても思った通りに動かない、突然エラーが出る、ファイル出力で不具合が起きるなど、さまざまなトラブルに直面することがあります。特に初心者の場合は、キーフレームの誤操作やモーターの方向設定ミスなど小さな設定の行き違いで想定外の動きになり、戸惑いやすいです。しかし、こうしたトラブルは原因をしっかり切り分けて検討すれば、多くの場合は決して直せないものではありません。

問題が起きたときには、まずはタイムラインやキーフレーム、モーター設定の順に確認していくと抜け漏れを発見しやすいです。加えて、ソフトウェアそのもののバージョンやGPUのドライバが最新化されているかもチェックしてみてください。特に、アニメーション再生時に描画が乱れる場合やプレビューが極端に遅い場合は、ハードウェアの制限や設定不備が関係しているケースもあります。

ここでは、そんな典型的なトラブルの対策法をまとめつつ、困ったときに頼りになる追加のリソースやサポート窓口をご紹介します。問題がクリアになると、改めて「SOLIDWORKSアニメーションの幅広い可能性」に気づけるので、根気強くトラブルシューティングをしていきましょう。

6.1. トラブルシューティングガイド

1. 動きがギクシャクする:

   – キーフレームの間隔が極端に短い、または補間設定がおかしくなっている可能性があります。キーフレーム間を適切な距離に調整し、補間モード(リニア、イージーイン/イージーアウトなど)が適切か確認してください。

2. 部品が勝手な軌道を描く:

   – 回転軸やメイトの設定ミスが考えられます。モーションスタディの「コンタクト」や「ジョイント」に誤りがないか、あるいはモーター設定で選択した参照面や軸が正しいかを再確認しましょう。

3. 再生が重くて遅い:

   – ハードウェアリソースの不足が原因の場合があります。グラフィック設定を下げる、部品数を減らす、あるいはプレビュー時の解像度を下げるなど、パフォーマンス最適化を試してみてください。十分なメモリとGPU性能を確保することも重要です。

4. 動画出力で映像が乱れる:

   – 選択したコーデックが環境に合わない場合や、フレームレートが高すぎる場合などが考えられます。別のコーデックを試すか、フレームレートを30fps程度に落として再度エクスポートしてみると改善することがあります。

6.2. 追加リソースとサポート

トラブルシューティングをするうえで、公式マニュアルやオンラインコミュニティ、ユーザーグループは強い味方になります。SOLIDWORKSの公式サイトには「SOLIDWORKS チュートリアル」や「知識ベース」が充実しており、よくある疑問がQ&A形式で上がっている場合も多いです。動画出力に関してもフォーラムで具体的な設定例が共有されていることがあります。

また、企業ユーザーであればサブスクリプション契約を通じたサポート窓口に問い合わせる方法もあります。解析やモーター設定などの上級機能を使っていると、どうしても専門的な知識が必要となるシーンが増えるため、早い段階でサポートの利用手順を把握しておくと安心です。情報交換の場としては、SNS上の設計者コミュニティや勉強会などで同じくアニメーション機能を使いこなしている人に相談するのも有効です。

最終的には、自ら試行錯誤を重ねながら学習し、分からない点があれば外部リソースを活用して前進する姿勢が大切です。特に初心者のうちは、実践を通して小さな成功と失敗を何度も繰り返すことが、SOLIDWORKSアニメーションにおける(そして3Dモデリング全般にも通じる)スキルアップの近道といえるでしょう。

7. まとめと次のステップ

ここまで、SOLIDWORKSアニメーションがどのように動作するか、そして初心者が基本操作をマスターするための流れをご紹介してきました。モーションスタディを使い、タイムライン操作とキーフレーム設定を理解することで、3Dモデリングのデータに動きを与えてプレゼンテーション用アニメーションや教育用アニメーションを作成する基礎が固まります。

実際にやってみると、回転アニメーションや直線運動をただ設定するだけでも、CAD ソフトウェアの枠を超えた視覚的な訴求力を感じられるようになるはずです。さらに、物理シミュレーションやカメラワーク、表示状態アニメーションなどを組み合わせると、よりリアルな動作や多彩な演出が可能となり、製品デモンストレーションや設計レビューでも説得力が増していきます。

次のステップとしては、複雑なアセンブリに挑戦し、モーター設定を複数同時に使うなどの応用を行って、より高度なアニメーションを作ってみてください。また、SOLIDWORKSモーション解析を活用すれば力学的な現象をリアルに再現することもできるため、エンジニアリングの観点から製品の動作をシミュレーションしたい場合にも役立ちます。最初は試行錯誤の連続かもしれませんが、習得を重ねるうちに、多機能なSOLIDWORKSを使いこなす喜びと創造性を実感していただけるでしょう。

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参考情報

・アニメーションの作成(Creating Animations) – 2025 – SOLIDWORKS ヘルプ

https://help.solidworks.com/2025/japanese/SolidWorks/motionstudies/c_Creating_Animations.htm

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