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Google Arts & Cultureアプリに追加された新機能「Google Art Transfer」とは?

新型コロナの影響で増加したお家時間を、皆さんはどうお過ごしでしょうか?
今回はお家時間を少しだけアカデミックに楽しむことができる
「Google Arts & Culture」に新しく搭載された機能、「Google Art Transfer」についてご紹介しましょう。
合わせて、スマホのカメラを使ったいくつかのユニークな機能についてもまとめていきます。

この記事でわかること
・Google Arts & Cultureとはどんなサービスなのか
・自分の写真をアート作品に変換できるGoogle Art Transfer
・Google Arts & Cultureアプリのその他の機能

そもそも「Google Arts & Culture」とはどんなサービスなのか?

Googleは、「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすること」をミッションとして掲げている企業です。
世の中の全ての情報・知識をデータ化し、ネットを通じたオンラインでアクセスできるようデータベースとして蓄積し、さらに容易に検索可能な形で提供することが使命であるとされおり、そのサービスは基本的に無料となっています。*注1

このようなGoogleのプロジェクトの一つとしてスタートしたのが「Google Art & Culture」です。
世界中の有名美術館や施設と協力し、数万点にもおよぶアート作品をオンライン上で閲覧できるサービスです。
単純な写真ギャラリーではなく、Googleの持つ様々な技術でユニークな展示がなされているのも大きな特徴です。
「アートとテクノロジーの交わるところ」から生み出される可能性を楽しむことができる人気のコンテンツです。*注2

展示されているアート作品は、世界70カ国1,200以上の美術館・ギャラリー・教育機関との協力によるものです。
家から一歩も出ることなく、大英博物館でラムセス2世の胸像を見た次の瞬間にカイロの古代エジプト美術博物館に行って、悠久の歴史を感じながらウオークスルーで散策する、、、
などといった楽しみ方ができます。

もちろん、古代美術に限らず現代アートやストリートアートまで多種多様な作品がありますので、好みやその日の気分に応じて世界中の美術や文化に触れることができます。

さらに表示される作品は高解像度のデータですので、拡大表示して細部の微妙なタッチまで精彩に見ることができます。
普段美術館で見るときにはここまで近寄ることができませので、これはデジタル・オンラインならではの利点といえます。

また、ストリートビューの要領で美術館の中を散策できるため、実際にその場所を訪れているような臨場感も生まれます。
興味のあるテーマや作者や時代だけでなく、色や技法などでも検索できるなど、豊富な検索ができることもGoogleらしい特色です。
「Google Arts & Culture」は、自宅にいながら世界中の芸術や文化に触れることができる素晴らしいサービスです。*注3

自分の写真をアート作品に変換できる「Google Art Transfer」

スマホやタブレット用のGoogle Arts & Cultureに、新機能として「Google Art Transfer」が搭載されました。
これは自分の撮影した写真を、現在や過去のアート作品風に変換してくれる機能です。
ゴッホやムンク、ダ・ヴィンチなどの有名画家風に加えて、古代ギリシャの壺やテキスタイル風など40種類近くのスタイルを試すことができます。
キースへリング、カンディンスキー、シャガールにリキテンシュタインなど、自分好みのアレンジを楽しむ事ができます。
日本人では葛飾北斎や草間彌生など4作品がスタイルとして登録されています。

この「Google Art Transfer」は、Google AIで解析したそれぞれの作品の特徴を使って、画像を再構成しているということですから、必ずしもアーティストの特徴を抽出しているものではなさそうです。
実際、ゴッホについては2つの別スタイルがありますので、作品ごとに異なる特徴を試すことができるということでしょうか。

Googleによると、この機能は単純に作品と画像をブレンドしたり、オーバーレイするのではなく、特定のアートスタイルによるアルゴリズムで再現したものであるとされています。
また、サーバー側の処理ではなく、ユーザーのデバイス上で完全に実行されるとも説明されています。*注4

実際にいくつか試したところ、確かに特徴を捉えた画像に変換されるものの、期待した出来栄えにうまくアレンジできないことも多いようです。
このようなフィルター機能を持ったアプリは他にもたくさんあります。
、それらが「ゴッホ風」「印象派風」にうまく変えてくれるのに比べて、Google Art Transferは「アルゴリズムファースト」的な感じであり、最終的な出来栄えについてはそれほど考慮してないのかもしれません。
実際の利用については、何回か試してみてうまくいったら採用するといった使い方になりそうです。
変換された画像はjpeg形式かgif形式で保存することができます。

操作方法はいたって簡単で、初めてでも迷うことありません。
アプリを起動→下部にあるカメラアイコンをタップしてArt Transferを選択→写真を撮るか画像を選択して好きなスタイルを適用、これだけの操作です。
ただし、画像下部には適用したスタイルの元作品に関する解説文が表示されますので、何か別の用途で用いる時には留意が必要です。

Google Arts & Cultureアプリのその他の機能

Google Arts & Cultureアプリには、Art Transfer以外にもユニークな機能がいくつかあります。
特にデバイスのカメラを使った5つの機能は、VRやARといった最先端のテクノロジーとアートを融合した面白いものばかりです。
今回紹介したArt Transferにしても、Google AIをベーステクノロジーとして利用していますので、さすがGoogleといったところでしょうか。

では、”Explore Arts and Culture through a new lens”(新しいレンズを通した芸術と文化の探訪)と題された機能について順番にご紹介して行きましょう。

名画を現実空間に実物大で配置するArt Projector

AR(拡張現実)テクノロジーを利用したArt Projectorは、カメラを通じて見える現実世界に名画を実物大で配置し、自由な角度から閲覧することができる機能です。
目の前まで作品に近づくことができますので、自宅にいながら作品の細部まで見ることができますし、実際の大きさについても実感することが可能です。
世界の名作を自宅の居間に配置して鑑賞することができるとは、なんとも贅沢な体験だと思いませんか。

自分に似た作品を検索することができるArt Selfie

世界中のアート作品をデータベース化しているGoogleならではの機能が、この「Art Selfie」です。
自撮りした自分の画像を元に、よく似ているアート作品を検索して表示するという機能です。
実は、一致率何パーセントという数値評価もしてくれる優れものです。

「18世紀の夫人と似てませんか?」
というキャッチフレーズのように、古い時代のポートレイトなどから一致率の高い順にいくつかの絵画が表示されます。

私も試してみましたが検索される人物に納得がいかず、ついムキになって何度かやり直すなど、思いの外夢中になってしまいました。
もちろん、抽出された作品の解説も見ることができますので、自分の顔をきっかけにアートに対する知識が少しだけ豊かになるかもしれません。
これはおすすめの機能です。

お気に入りのアート作品をまとめることができるPocket Gallery

例えば、わずか35点ほどしか確認されていないフェルメールの作品は、オランダ・ドイツ・イギリス・アメリカなど世界各地の美術館に収蔵されているだけです。
おり、現実にそれらすべてを見ることはかなり困難です。
しかし、オンラインのサービスを利用すれば、一気に全作品を閲覧することが可能になります。
「Pocket Gallery」はまさにそのようなニーズにふさわしい機能で、お気に入りの絵画・アート作品を一箇所にストックし、いつでも自由に鑑賞することができます。
高解像度の画像で保存されているデータですので、実際の美術館では絶対にできないほど間近まで迫って、作品の細部を鑑賞することができます。

色の組み合わせでアート作品を検索できるColor Pallete

「Color Pallete」は、自分が持っている画像データを使って、その中の5ヶ所の色を指定し、その色の組み合わせを有しているアート作品を検索・表示する機能です。
Googleといえば、これまでにない検索エンジンでスタートアップした企業であり、現在においてもその分野では他を圧倒しています。
Googleの検索エンジンは、
「世界中のWebサイトをデータベース化して、もっとも適切な検索結果を瞬時に表示する」
ものと定義していますので、Webサイトの部分をアート作品に変えるだけで、GoogleがArts & Cultureで実現しようとしていることに繋がると言えるでしょう。*注5

【まとめ】
現在DIYや料理など、おうち時間を有意義に過ごすため、新しいアクティビティが人気になっているようです。
世界がネットワークで繋がり、自宅にいながら世界各地の芸術や文化に触れることができるGoogle Arts & Cultreも、そうした選択肢の一つに加えてみてはいかがでしょうか。

「フランダースの犬」で主人公のネロが最後に見たかったルーベンスの絵も、現代では手のひらの上のデバイスで、気軽に楽しむことができる時代になりました。
テクノロジーの進化を十分に享受しながら、アートへの造形を深める絶好の機会となりそうです。

■参考文献
注1
日本経済新聞 「グーグルやアップル 「使命感」が違い生み出す」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO79806620X11C14A1X12000/
Google 「Googleについて」
http://www.sneed.co.jp/docs/Google09610.pdf
注2 Experiments with Google ”Arts & Culture Experiments”
https://experiments.withgoogle.com/collection/arts-culture
注3 App Store 「Google Arts&Culture」
https://apps.apple.com/jp/app/google-arts-culture/id1050970557
GP 「世界のアートを旅するアプリ「Google Arts & Culture」がスゴい!」
https://www.goodspress.jp/reports/116497/3/
Life Design 「まるでグーグル美術館?!世界中のアート作品を鑑賞できる「Google Arts & Culture」」
https://life-designs.jp/webmagazine/google-arts-culture/
注4 Google Arts & Culture ”Transform your photo in the style of an iconic artist”
https://blog.google/outreach-initiatives/arts-culture/transform-your-photo-style-iconic-artist/
注5 Google Arts & Culture “5 Things to Do With Your Camera Phone From Home”
https://artsandculture.google.com/story/4-things-to-do-with-your-camera-phone-from-home/6AISWNxkfTniIA


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