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Mac Proが2013年以来のマイナーアップデート、どこが変わったのか

なぜMac Proは4年もの間アップデートしなかったのか

アップルファンの間では、2013年以来Mac Proがアップデートされなかった中で「もうAppleはデスクトップパソコンを見放したのではないか?」「近い将来、AppleはiPadとiPhone、Apple Watchだけの会社になるのではないか?」というまことしやかな噂が流れていました。といっても、こういった噂を流していたのは、デスクトップ型パソコンの実際のユーザーで、自分の気に入った製品が置いてきぼりになっているような軽い恨みがそういう言葉となって出てきていた、というのが真相でしょう。

アップル社自身は、Mac Proを見放したとか、見放すつもりだったということはありません。それが今回のマイナーアップデートにも現れているわけですが、パソコン市場が世界的に縮小しする中、Macの販売台数はここ12四半期、400万台~600万台の間で推移してきています。これは数字的には、Appleの収益にもかなり貢献している良好な出荷台数であり、アップル社は頻繁にアップデートを繰り返したからといってこの販売台数が急激に伸びたり、急激に減少したりすることはない、という読みをもっていたわけです。

また、新興国の経済発展と技術力の向上で、パソコンの部品価格は年々下落の一途をたどっています。最終的にAppleブランドで完成品を市場に送り出して収益を確保するビジネスモデルのAppleにとって、パソコンの部品が下落の一途をたどることは非常に好ましいことです。新しい最新の部品を常に追いかけていくよりも、現在のMac Proブランドのままで、内部の部品調達コストが年々下がっていったほうが、当然のことながらMac Pro1台あたりの利益率は向上します。

Appleがアップグレードの間隔を長くすればするほど、低下し続ける部品価格のおかげで、Macから得られる利益は大きくなる。1年前に発売されたプロセッサの価格は、今では大幅に下がっている。それは、同社が販売するMacの1台あたりの利益が拡大することを意味する。

もしかすると、この発想は創業者のスティーブ・ジョブズにはあまりなかった発想だったかもしれません。現在Appleはマイクロソフト社と製品のイノベーションを競い合うだけでなく、GoogleやAmazonなどの新興企業ともしのぎを削ることを余儀なくされています。そうした中で確実に利益を確保していく戦略をとっているティム・クックらしいところなのかもしれませんね。

新しいMac Proはどこが変わったか

では、待ちに待ったMac Proはどこがわかったのでしょうか。今回のアップデートはマイナーアップデートなので、それほどドラスティックな変化があったわけではありません。

まずMac Pro下位モデルでいうと、CPUがXeon E5-1620からXeon E5-1650 v2に変化しました。また、GPUはAMD FirePro D300からAMD FirePro D500に変更になりました。CPUとGPUという心臓部が刷新されたのに、金額的には298,800円と旧モデルと同額なので、コストパフォーマンスが目に見えて向上したというところでしょう。

Mac Pro上位モデルは、CPUがXeon E5-1650からXeon E5-1680 v2に変化しました。GPUはAMD FirePro D500からAMD FirePro 700となりました。下位モデルと同様に、心臓部が刷新されて金額的には398,800円と上がりましたが、こちらもコストパフォーマンスはかなり改善されています。

本命は2018年モデル

以上、長らくアップデートがなかった本当の理由と、今回のアップデートの特徴を整理しました。Mac Proを見捨てたということはないにせよ、待ちに待ったにしては今回のアップデートはやはりインパクト不足だった感は否めません。
Appleとしてはこのあたりの事情を、次期Mac Proへの構想として米国のメディアに話しています。製品の次期構想についてAppleが口を開くというのは非常に例外的なことですが、Appleはプロダクトの責任者が現在のMac Proのパーツ配置などの失敗を認めたうえで、次世代モデルではCPUやGPUを取り替えやすくするなどに言及しています。

そうなると、2018年モデルを期待して待っていた方が賢い選択なのかも知れません・・・。
Mac Proファンとしては悩ましい選択です・・・。

 

 

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