iPad ProとApple Pencilは私たちをどこへ導くか


アラン・ケイの描いた未来に近づく最強デバイス

 

「あなた、コンピューターで何やってるの?」「コンピュータって何?」
このAppleのCMを目にした方は多いのではないでしょうか?コンピューターの未来は、どこにでも手軽に持ち運びが可能で、OSやプログラミングなども意識せず小さな子供でも手軽に使える端末であることを表現しています。50年も前にこんな情景を予言したアラン・ケイという人物について皆さんはご存知でしょうか。

 

 

アラン・ケイのダイナブック構想

 

1970頃にアラン・ケイは「ダイナブック」という未来端末を提唱しました。GUIを搭載したA4サイズの小型コンピューターで音声・動画などを扱うことができ、ネットワークへの接続なども含まれていました。まさに、今のiPadがその姿に一番近いデバイスと言えるでしょう。アラン・ケイの夢は50年後の現在、我々が普通に手にすることができるようになりました。

Appleの創業者であり、類稀なるビジョナリーでもあるスティーブ・ジョブズはゼロックスのパロアルト研究所を訪問し、GUI環境で動くAltoというコンピューターを見てMacintoshを開発したというのは有名な話です。ケイはAppleコンピューター社のフェローとして1984年から1997年まで在籍しています。ジョブズのコンピューターに関する理想のかなりの部分はケイの影響を受けているのは間違いないでしょう。

iPhoneを発表した時のジョブズの見事なプレゼンテーションは、Youtubeなどで今でも見ることができます。iMacから始まるApple奇跡の復活劇の中でも、特に重要なマイルストーンとなった記念すべきイベントとなりました。このプレゼンの中でジョブズはスタイラスを「邪魔で、すぐ無くしてしまう不必要なもの」として完全に葬り去ったはずです。さて、Apple Pencilはジョブズの理想に反する製品なのでしょうか?

 

 

iPadがターゲットとするマーケット

 

Appleが今、戦略的に重視しているマーケットは明らかに教育分野です。以前からこの分野についてはAppleが力を入れて取り組んでおり、過去にはeMacなどの製品も製造していたことがあります。しかし、学生にとってキーボードを使った入力作業がハードルとなることが多く、なかなか普及と利用が進まないという時代が続きました。

iPadはこうしたコンピューターが抱える入力の問題を解決することができる魅力的なデバイスです。iOSを搭載していますので、スマートフォンと同様の操作性で、初心者でも迷うことなく感覚的に利用することができます。最初に紹介したAppleのCMのように、OSの存在すら意識する必要がありません。これこそがアラン・ケイの理想であるダイナブックに現時点でもっとも近い端末と言えるでしょう。

先日発売されたiPad第六世代ではApple Pencilに対応しています。低価格のiPadは教育市場への訴求力があり、キーボード操作に慣れていない低学年の学生にとってもApple Pencilが付属することで無理のない導入が可能となります。初めて触れた端末によって得られたユーザー体験がその後の嗜好を決定し長期間でのAppleユーザーとなる、Appleはそんな道筋を想定したのでしょう。

 

 

プロユースとしてのApple Pencilの実力は?

 

Apple Pencilはハードとしての性能は専用のペンタブレットに遜色のない使い勝手を実現しており、イラストレーターなどのプロユースでの利用が広がる可能性を秘めています。微細な線が描けるように通常のスタイラスペンとは異なり、Apple Pencilの先端からは微量の電流を流す仕組みが実装されています。それをiPad側とApple Pencil側で適切な調整を図りながら描画していくため、細かな線までしっかりとイメージ通りに描くことができます。まさにアナログの紙とペンの感覚が実現できる現時点で最高水準のデバイスと言えます。

しかし、残念なことに現時点ではiPad ProとApple Pencilの性能を十分に活かすだけのソフトウエアが不足しています。イラスト作成でスタンダードであるSAIやClip Studio Paintほどの機能を持つアプリが存在しませんので、プロユースとしてクリエーターが利用する場面は多少制限されそうです。今後、この魅力的なデバイスに対応したアプリが出てくるのを期待したいところです。

 

iPadとApple Pencilの組み合わせはアラン・ケイの理想にもっとも近い最強のデバイス

 

ケイはあるインタビューでもっとも優れた入力デバイスは?と聞かれた時に次のように答えたそうです。
「紙と鉛筆。どこにでもあり、持ち運びが容易で、自由に絵や文字が書き込める。何より安い。」
これはケイの理想とするダイナブックの目標を明確に表現したコメントです。この事からも、iPadとApple Pencilの組み合わせは現時点ではもっともダイナブックの理想に近いデバイスと言えるでしょう。

私は今でもiPadを初めて世界に紹介する時のジョブズの姿を思い出します。すでに病魔に蝕まれ、やつれた姿で登場したジョブズは、まるで愛しい我が子を抱くように、椅子に腰掛けながらiPadを操作して見せました。彼も理想として追い求めたアラン・ケイの夢を実現するデバイスのリリースに、深い思いを抱いていたのかもしれません。iPhoneからスタイラスを葬り去ったジョブズでも、このiPadの性能を十分に引き出す入力デバイスであるApple Pencilには最大の賛辞を与えたのではないでしょうか。

 

 

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