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顔認証を採用 どうなる東京オリンピックのセキュリティ


2020年に開催される東京オリンピックとパラリンピックが、あと2年後になりました。訪日外国人が増え、いわゆるインバウンド需要の経済効果も期待されています。同時に、世界各国から選手をはじめコーチや関係者、報道陣なども押し寄せることになり、選手の宿泊施設などのセキュリティを強化しなければなりません。

東京新聞(2017年12月25日) によると、オリンピックで訪れる大会関係者は30万〜40万人といわれます。この大規模な人数は、警備員によるセキュリティチェックだけでは対応不可能です。IDカードだけでは盗難や偽造の可能性も考えられます。そこで、顔認証とIDのカードを組み合わせた二重チェックの導入が予定されています。

IDカードと顔認証によって、東京オリンピックは本当に大丈夫なのでしょうか。顔認証について考察します。

 

 

オリンピックで使われる顔認証とは

 

東京オリンピックの顔認証のシステムには、NECの「NeoFace」が採用されるようです。このシステムはブラジルの空港で稼働実績があるほか、日本では2016年の伊勢志摩サミットで実証実験が行われました。2010年の実績になりますが、米国政府機関が主催した技術を評価するコンテスト(MBE)で、認証エラー率0.3%(照合精度99.7%)を達成した、世界最高水準の認証システムです。

認証処理は「顔検出」と「顔照合」の2つがあります。「顔検出」は、監視カメラに撮影された複数の人物から、たとえばテロリストの写真に合致する人物を発見するような場合に使われます。「顔照合」はWindowsのログオン時の認証など、企業でも一般的に使われています。

2018年1月に開催された『第2回ロボデックス ロボット開発・活用展』では、ソフトバンクのPepperが顔認証で顧客の顔を記憶し、店舗に訪問した顧客を愛称で声をかけるデモも行われました。接客に関しては、実際にロボットではない店員さんに名前を呼ばれた方が嬉しい気がするのですが。

認証する場合、まず顔の「目」を抽出、その部分から鼻や口の位置を割り出して照合します。NECでは顔認証のシステム解説映像をYouTubeで公開しています(英語)。「顔検出」の仕組みはまるでSF映画のようです。この映像の後半で「DUAL FACTOR AUTHENTICATION」として、顔認証とIDカードを組み合わせたセキュリティのイメージもあります。非接触型のIDカードを使えば、カメラに向けて正面の顔を見せて、IDのカードをかざすだけで通過できます。

 

顔認証システムのメリットとデメリット

 

まず、認証自体にどのようなものがあるか考えてみましょう。最も基本的な認証はIDやパスワードです。しかし、技術的な脆弱性以外にも人為的に流出する危険性があります。指紋認証はAppleでも用いられてきました。その他、網膜や静脈などの生体情報で認証するシステムもあります。

ただ、指紋や網膜などの認証には、それらをスキャンする特別な機器が必要になります。一方、顔認証はカメラを設置するだけで認証可能で、歩いた状態でも認証できます。ユニバーサルジャパンでは、年間パスとして顔認証システムを導入しています。歩きながら顔をカメラに向けるだけでゲートを通過できます。両手が荷物で塞がっていても認証できるために便利です。

とはいえ、デメリットとしては。顔認証にはカメラの性能や設置状況に依存することがあげられます。また、認証したデータ流出の危険性も留意すべきでしょう。クラウド上でデータを管理することになると考えられますが、サイバーテロなどの脅威に対して充分な対策をする必要があります。

 

 

オリンピックに向けたセキュリティ対策

 

ところで、身近な顔認証といえば、iPhoneユーザーであればiPhone Xに搭載された顔認証システムではないでしょうか。しかし、3Dでプリントしたフレームとシリコンで作った鼻、いくつかの2次元画像をマスクの上に重ねることによって、Face IDのセキュリティを突破したことが報じられました。

セキュリティが堅牢であればあるほど、それを突破しようと試みるハッカーも登場します。悪意のあるテロリストであれば、大きな被害になりかねません。大会関係者以外に大勢の観戦者が訪日しますが、現在のところ、観戦者に対するITの活用情報は報じられていません。不安が残ります。

中国の警察では「顔認証グラス」を一部で導入。鄭州東駅で名前はもちろん、人種、性別、住所などを眼鏡に投影した情報で確認して、犯罪者を発見する試みに着手しました。ヨーロッパからは行き過ぎた監視社会として皮肉の声もあがっていますが、先進的な試みです。とはいえ、ITは不測の自体で動かなくなる可能性も孕んでいます。ITに頼り切りにならずに、警備員の体制や訓練が必要かもしれません。

 

参考:
中国警察がロボコップ化! 「顔認証グラス」は犯罪者も誤魔化せない(ニューズウィーク日本版、2018年2月8日)


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