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Pythonを組み込みソフトウェア開発で使うと何が嬉しいのか

プログラミング言語のPythonについて紹介する記事はネット上に多く存在し、PythonでできることはWeb開発や機械学習など多岐に渡ると紹介されます。
特に機械学習に関しては便利なライブラリがあるということで「機械学習といえばPython」といえるほどになってきています。

社会的な注目度でいえばIoT(Internet of Things)も話題になることが多いですよね。このIoTと関わりの深い組み込みソフトウェア開発においてもPythonは活用されることがあります。
しかし、Pythonで組み込み開発ができると何が嬉しいのでしょうか。

 

この記事を読むと以下の3つのことが分かります。
①組み込みソフトウェアの概要
②Pythonと組み込みソフトウェア開発の関係
③組み込みソフトウェア開発にPythonを利用するメリット

 

Pythonとは

 

汎用のプログラミング言語であるPythonはWebアプリやデスクトップアプリの開発、業務の自動化、データ分析など幅広い用途に利用できます。
近年ではビッグデータやAIのブームもあり、データ分析や機械学習に強いPythonの人気が高まっています。

 

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Pythonはできることが多岐に及ぶだけでなく、プログラミング初心者にとっても取り組みやすいプログラミング言語です。
また、コードのブロックを表すためにインデントが必須といったように誰が書いても同じような分かりやすいコードになるようにデザインされています。
Pythonはコードの可読性を高め、プログラムの保守性を上げてくれるでしょう。

さまざまな場面で利用できて使いやすいPythonですが、組み込みソフトウェアの開発にも利用されることがあります。

 

組み込みソフトウェアとは

 

組み込みソフトウェアとは、組込みシステムで使用されるソフトウェアのことです。組み込みシステムはPC等の汎用的なシステムと異なり、洗濯機や電子レンジ等の家電製品や産業用の機器など、限定的な使用用途を持つ機械や装置に搭載されています。

組み込みソフトウェアはハードウェアと強く結びついた、特定の目的に特化したソフトウェアだといえます。
今や電気を使って動く身の回りの多くの機器に組み込みソフトウェアが入っていると考えると、身の回りは組み込みシステムだらけです。

近年話題のIoTにおいても組み込みシステムは重要です。IoTではモノをインターネットに接続し、ネットワーク化して情報のやり取りを行うためのシステムをモノに搭載しなければなりません。IoTの普及に伴い、組み込みシステムへの注目度も高まるでしょう。

組み込みソフトウェアが日々の生活や活動を支えており、これからのIoT時代にますます重要になってくることが分かりますね。

 

Pythonで組み込みソフトウェア開発

 

コスト等との兼ね合いから、組み込みシステムで使用できるCPUやメモリに制限があるケースは多いです。組み込みソフトウェアには基本的に軽量・高速なC言語の他、C++やJavaが使用されます。さらに条件が厳しい場合にはアセンブリ言語が使用されることもあります。

ではPythonと組み込みソフトウェア開発との接点は何かという話ですが、その接点の1つに「Raspberry Pi」があります。Raspberry PiはIoTや電子工作を手軽に体験できる人気のシングルボードコンピュータです。IoTやMakerムーブメントの広がりとともに人気が出てきました。
Raspberry PiではLinuxベースのOSが多く用いられており、プログラミングにはPythonも利用できます。
Raspberry Pi の「Pi」はPythonから取られており、Raspberry Pi財団が学習用言語としてPythonを推奨しています。

Raspberry PiによるIoTや電子工作の体験は組み込みソフトウェア開発を身近なものにしてくれます。その際によく利用されている言語がPythonなのです。

PythonはLinuxOS上で動くため、Linuxを搭載する組み込み機器であればPythonでソフトウェアを開発可能です。
また、「Micro Python」という組み込み機器向けの環境もあります。マイクロコントローラ上での動作に最適化されたPythonで、C言語で記述されています。

元々Pythonには人気があったこともあり、Pythonと組み込みソフトウェア開発とのつながりが強まってきているのです。

では次に、組み込みソフトウェア開発にPythonを利用するメリットを3つ紹介します。
● 開発・メンテナンスがしやすい
● 学習コストが低い
● AIや機械学習を活用しやすい

 

組み込みにおけるPythonの良さ1:開発・メンテナンスがしやすい

 

Pythonは少ないコード量で機能を実現できるようにデザインされた言語です。また、インデントによるブロックの記述に代表されるように、誰が書いても同じような分かりやすいコードになるように作られています。
コンパイル不要な言語であり、スピーディな開発が可能です。また、コードが書きやすく読みやすいため、過去に自分が書いたコードや他の人が書いたコードも理解しやすく、プログラムのメンテナンスがしやすい点も特徴的です。
組み込みに限った話ではありませんが、エンジニアの負担を減らしてくれるという点でPythonを採用するメリットは大きいです。

 

組み込みにおけるPythonの良さ2:学習コストが低い

 

Pythonは学習コストが低く、初学者にもピッタリのプログラミング言語だと言われています。
また、PythonはWeb開発やデスクトップアプリ開発、データ分析や業務自動化など用途が広く、利用者も多いです。
そのため、初めてプログラミングを行う人や別領域から移る人にとって、Pythonであれば組み込みソフトウェア開発にもとっつきやすいと考えられます。

 

組み込みにおけるPythonの良さ3:AIや機械学習を活用しやすい

 

近ごろ機械学習・AIが社会を賑わせています。Pythonは機械学習・AIのためのライブラリが充実しており、「機械学習やAI開発を行うならばPython」といえるほどです。
機械学習やAIは組み込みシステムと組み合わせることで便利かつ面白いことができるようになります。例えば機械学習できゅうりを仕分ける農家さんが有名になったことがありますが、ここでもRaspberry Piが利用されています。
(参考:https://cloudplatform-jp.googleblog.com/2016/08/tensorflow_5.html

組み込みソフトウェアをPythonで開発することは今流行りの機械学習・AIを活用する上でもメリットがあります。

 

まとめ

 

組み込みソフトウェア開発でも利用されることがあるPython。組み込みシステムに限りませんが、以下のようなメリットがあります。
● 開発・メンテナンスがしやすい
● 学習コストが低い
● AIや機械学習を活用しやすい

なお、Pythonはスクリプト言語でありコンパイル不要ということで、開発を進めやすい代わりに実行速度が犠牲になっている部分もあります。この実行速度の問題はMicro PythonやCythonといったC言語を活用する方法、Python.hというC言語とPythonとを接続するようなAPI等で対応することもできます。

最近人気のプログラミング言語であるPython。データ分析や機械学習、ブロックチェーンなど近年ブームになった分野での活用が目立ちます。
そんなPythonは組み込みソフトウェア開発での利用も可能ということで、IoT領域でも存在感を発揮していくことになるのかもしれませんね。

 

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