デザインに革命を生んだiPhoneを振り返ってみよう
2007年1月9日に、アップルが初代iPhoneを正式発表し、同年6月29日にアメリカやヨーロッパの一部のみで発売されてから、早11年が経ちました。今なお根強い人気を博し、世界の主要国からみても、日本は断トツでiPhone普及率が高く、スマホ保持者の6割近くはiPhoneを使っている計算になります。
なぜこんなにもiPhone が愛され、飽きられずに長年にわたり使用されているのかを、片手に納まる寸法の中に込められたデザインの観点から、見ていきたいと思います。
初代iPhoneのデザインを見てみよう
遡ること、今から11年以上も前に発表され、今なお色あせる事のない、そのデザインは画期的で、ユーザーに対しては挑戦的な物でした。
それまでのスマホのデザインと言えば、スマートブックといった今でいう電子辞書的なデザインか、QWERTYキーボード搭載のストレート端末が主流で、どちらも物理的なキーボードが付いていました。そのため液晶画面が小さく、端末デザインも無骨だった時代に、マルチタップといった技術で操作性を向上させ、デザイン的に不要な物理キーボードを取っ払い、端末前面は液晶画面にして、操作に必要な物が全て詰め込まれており、ユーザーインターフェースに画期的なデザインを呼び込みました。
これは、初代iPhone発表時に、当時アップルのCEOだったスティーブ・ジョブズ氏もプレゼンで大きく発表もしております。
そのため、3.5型ディスプレイを搭載でき、サイズは縦115mm×横61mmと手のひらにフィットする、丸みを帯び奥行きの感じられる立体的なリッチデザインとなり、それ以降のスマホのベンチマークにまで発展していきました。
背面はアルミニウムとプラスチック。下部1/6程度がブラックで、残り上部がシルバーのツートンカラーと、この配色に時代を感じるのは私だけではないはず。
歴代iPhoneにみるデザインの移り変わり
初代iPhoneのデザインを引き継ぎ、発売されてきた歴代iPhoneを振り返ってみましょう。
iPhone3G、3GS
日本で初めて発売され注目を浴びた3G。初のSの名称を持つ3GSと、多少の大きさ変更と、縁はテーパー状になり、より握りやすくなっています。カラーモデルもホワイトとブラックの2色展開。
iPhone4、4S
4からは強化ガラスに変わり、背面の膨らみが無くなり、平坦なデザインに変化しました。特に4Sは、歴代の中でも最高傑作といわれるほどデザインも評価されております。
iPhone5、5S、5C
5からは液晶サイズも変わり、本体自体も縦長となり、従来までの3.5インチから4インチと外見が大きく変わりました。5Sからはカラー展開も序所に増えています。特に5Cではカラフルなカラーバリエーションがあり、異色のiPhoneとなりました。
iPhone6、iPhone6 Plus、iPhone6S、iPhone6S Plus、iPhoneSE
液晶サイズが4.7インチに拡大しましたが、背面ラインとカメラが出っ張ったデザインとなり、当初は不評の声が多かったです。さらに一回り大きなplusもこの代から発売され、片手で操作できる範囲を超えてきました。また、液晶サイズが4インチのSEがあり、液晶サイズの拡充が図られました。
iPhone7、7 plus
カラーバリエーションも増え、ホームボタンが実際のボタン式から感圧式に変わりました。感圧式のため、実際にボタンを押し込んだ感覚がないため、今までのボタン式になれていると、最初は違和感がありました。
iPhone8、8 plus
ガラスとアルミフレームを組み合わせた構造に変わっています。特にガラス素材のため、透明感があり、見た目にも美しい仕上がりとなっております。
iPhoneX
iPhone10周年モデルのXでは、大幅な変更がされ、ホームボタン廃止に伴い、5.8インチワイドスクリーンへと進化しました。全画面ディスプレイのため、本体自体のサイズはそれほど大きくはなっていません。
初代iPhoneを彷彿させるがごとく、キーボードだけではなく、ホームボタンも液晶画面内に収めた革新ですね。
10年以上も受け入れられているデザイン
このように初代iPhoneから、10年後に発売されたiPhoneXまでの移り変わりを振り返っても、液晶や本体の大きさ、カラー展開、素材はその時代によって戦略と合せて変化していますが、キープデザインを元に、何年経っても飽きがこなくて、いつの時代にも受け入れられ、風化せず使い続けられるデザインとなっていることが分かります。
このデザインを今から11年前に発表しているというから、本当に驚きです。
機能とデザインの関係性
基本的には機能が大前提で、その下にデザインがあるイメージでしたが、iPhoneではその常識を覆していますね。キーボードという物理的な機能を除外させるため、その根本となったものが、マルチタップといった技術があり、タッチパネルを飛躍的に進化させ、デザイン発想を豊かにし、生まれてきたのがiPhoneだと言えます。
新しい技術が生まれれば、今までの機能の枠を超えたデザインを作れるということでしょう。
スティーブ・ジョブズ氏の数ある名言の中でも「デザインっていうものは、どう機能するかってことなんだよ。」といった言葉があります。こう振り返ってみると、iPhoneも確かに、デザインで機能させていますね。
今はなきジョブズ氏。昨年アップルを退社した初代iPhoneを創ったデザイナーのクリストファー・ストリンガー氏がいない今後、どのようなiPhoneや新しいデザインが生まれるか、注目していきたいですね。
株式会社キャパでは、アプリの企画・開発についてご相談を承っています。
アプリを作りたいので、具体的な提案が欲しい。頭の中にあるアイデアを本当に実現できるのか知りたい。予算内に収まるのか?
などのお客様のご相談に、親身に応じます。
アプリ開発:実績のご紹介