Android Autoの特徴、ミラーリングとの違い


自動車を運転する際に、カーナビを使う方は多いでしょう。自分の現在位置が分かる他、道を知らない場所でも目的地を入力することで道順を教えてくれます。

そのようなカーナビと同じような機能を持つAndroidアプリが「Android Auto」です。この記事を読むと以下の4つのことが分かります。

①Android Autoの概要
②Android Autoと他ソフトウェアの違い
③Android Autoの使い方
④カーナビアプリの今後

それぞれの項目について詳しく解説します。

 

Android Autoの概要

 

Android搭載スマートフォンが、自動車の車載液晶と連携してカーナビはもちろんミュージックプレイヤーにもなる。これが「Android Auto」です。「車載の液晶画面に専用のUIでアプリを表示する」特徴があります。

スマートフォンの画面を車載液晶に表示させると聞いて「そのまま画面を拡大表示するの?」と考える人もいるかもしれません。しかし、画面をそのまま他のディスプレイに表示する機能は「ミラーリング」と呼ばれています。車載の液晶とスマートフォンを連携させるミラーリングの技術には「MirrorLink」という規格がありました。

では、Android Autoとミラーリングの違いとは何でしょうか。

 

ミラーリング、MirrorLinkとは何か

 

まず、ミラーリングとは何かを解説します。

たとえば、5人の友人たちが集まって旅行の写真や映像を楽しみたいとき、液晶の小さな画面をみんなで鑑賞するには狭すぎます。そこでテレビやパソコンのディスプレイにスマートフォンの画面を表示させると、みんなで大画面に映し出された写真や映像を楽しめます。これが「ミラーリング」で、スマートフォンからPCへのミラーリングには、ケーブルで大画面のディスプレイに接続する有線の方法とワイヤレスで接続する方法があります。

iOSの場合、もともとiOSの機能の「AirPlay」を使う方法が簡単です。事前にPCにミラーリングソフトウェアをインストールして起動させておけば、iPhoneでコントロールセンターのAirPlayをタップするだけで、ワイヤレスでスマートフォンの画面をPCのディスプレイに表示できます。その他、「LonelyScreen」のような無償ソフトウェアも便利です。

AndroidではOSにミラーリングの機能が備わっていないため、有料もしくは無料のミラーリング用アプリを使います。たとえば「ApowerMirror」は、WindowsとMacの両方のPCに対応しています。Androidの場合、USBもしくはWi-Fi接続でミラーリングします。PCとAndroidのどちらかの端末から、他の端末を操作することも可能です。

以上がミラーリングの概要ですが、スマートフォンと自動車の車載AVのミラーリング規格が「MirrorLink」であり、2011年に米国のカー・コネクティビティー・コンソーシアム(CCC)が策定しました。パナソニック オートモーティブシステムズは、いち早くMirrorLink対応カーオーディオを発表。GALAXY S3などのスマートフォンも対応していました。

MirrorLinkの特徴は、既存技術を活用して使い勝手がよいところです。Bluetooth、USB、Wi-Fiなどでスマートフォンと車載AVを接続し、アプリのコントロールはUPnP(Universal Plug and Play)、オーディオのストリーミングはRTP(Real-Time Protocol)が使われています。MirrorLink対応アプリを使えば、カーオーディオの操作、カーナビ、ニュースの音声読み上げ、TwitterやFacebookのタイムラインの閲覧ができます。

 

Android Autoの特徴

 

では、MirrorLinkのミラーリングとAndroid Autoの違いは何でしょう。Android Autoでは画面やUIが統一され、ひとつの車載専用アプリのように利用できる点です。したがって、スマートフォン端末の画面がそのまま車載液晶に表示されるミラーリング(MirrorLink)とは異なります。

開発側の観点では、サードパーティのアプリをAndroid Autoに対応させるとき、あらたに画面やUIを作成することが不要になります。リリース済みの既存アプリのapk(Android application package)ファイルにAndroid Auto用のサービスなどを追加すればよいため、対応が容易です。

ただし、Android Autoでは、デザインガイドラインでカスタマイズが厳しく制限されています。当然といえば当然ですが、アプリのカスタマイズによってはドライバーの生命に関わる危険性があるからです。さらに審査も必要です。

Android Autoに連携したアプリは、Android AutoのProxy(代理)として動作します。アプリ内でビデオストリームとオーディオストリームを処理して車両のシステムに送信し、車両側で表示ならびに再生します。ナビゲーションなどの一部はAndroid端末のハードウェアスペックに依存するアーキテクチャになっています。

 

Android Autoの対応ブランド

 

Android Autoは多くの自動車ブランドやカーナビブランドに対応しています。対応するモデルは年々増加しており、2019年6月現在、その数は400を超えています。

対応する日本の自動車ブランドは以下の通りです。

・ホンダ
・マツダ
・三菱
・日産
・スバル
・スズキ
・トヨタ

また、対応する日本のカーナビブランドは以下の通りです。

・アルパイン
・JVC
・ケンウッド
・パナソニック
・パイオニア
・ソニー

ただし、上記ブランド全ての製品や年式に対応しているわけではありません。さらに、これ以外にも海外の様々なブランドがAndroid Autoに対応しています。対応しているブランドやモデルについてはAndroid Autoの公式サイトをご覧ください。

Android Auto(リンク:https://www.android.com/intl/ja_jp/auto/

また、Android Autoはスマートフォン単体でも利用できます。対応の有無はAndroid Autoを、カーナビの画面で見るかスマートフォンの画面で見るかの違いとなります。

 

Android Autoと他ソフトウェアの違い

 

Android Autoは自動車の運転時に利用するアプリです。他に運転時に使用する機器やアプリとしては、カーナビ、Googleマップ、CarPlay等が挙げられます。

では、Android Autoは他のソフトウェアと比較してどのような違いがあるのでしょうか。その特徴やメリット、デメリットについて解説します。

 

カーナビとの違い

 

Android Autoとカーナビにおける一番の違いは、インターネット接続の有無です。Android AutoはGoogleマップを元に地図を表示しているため、地図更新の手間が必要ありません。また、渋滞情報や迂回路検索についても、リアルタイムで情報を取得できるため、より正確な情報を表示できます。

ただし、Android Autoはインターネット接続していないと利用できません。スマートフォンのデータ通信量超過や、電波が届かない場所に注意が必要です。

 

Googleマップとの違い

 

Android Autoは、カーナビ機能にGoogleマップを利用しています。現在地表示やルート案内のナビゲーション機能については、Googleマップと全く変わりません。

しかし、Android Autoは自動車の運転をサポートするアプリであり、運転時でも操作しやすいように設計されています。例えば、UIを比較すると、Android Autoの方がアイコンや文字が大きく表示されるため、スムーズにタップできます。

また、Android Autoはナビゲーション機能以外にも、音楽再生や電話の発着信機能を備えており、運転中でも安全に操作できるように配慮されています。Android AutoはGoogleマップと比較して、より運転時の利用に特化したアプリと言えます。

 

CarPlayとの違い

 

CarPlayはAppleが開発したiOS用のカーナビアプリです。CarPlayとAndroid Autoは対応するOSが異なるだけで、基本的な機能はほとんど変わりません。

ただし、すべてのコントロールが車両側に移行される点では、Appleの「CarPlay」と異なります。CarPlayでは、処理の一部もしくは全部を車載デバイスが担うため、CarPlayを利用しつつiPhoneのホームを呼び出して別の操作が可能です。

 

Android Autoの使い方

 

Android Autoは運転中に利用すると便利な、いくつかの機能が搭載されています。それらのうち、特に代表的な3つの機能は以下の通りです。

・ナビゲーション機能
・電話の発着信機能
・音楽再生機能

上記3つの機能の使い方について、それぞれ解説します。

 

ナビゲーション機能

 

ナビゲーション機能を利用する際は、下のアイコン一覧から右折矢印マークのナビアイコンをタップします。ナビゲーション機能が起動すると、Googleマップを元にした地図と現在地が表示されます。

ナビゲーションを開始するためには、まず目的地を設定する必要があります。音声入力の際は、「OK、Google」と声をかけるか、マイクボタンをタップした後に目的地を言います。ディスプレイ入力の際は「目的地を入力」と表示された検索欄に目的地を入力します。

あとは、地図上に表示された目的地をタップすると、ナビゲーションが始まります。Android AutoのナビゲーションはGoogleマップと全く同じであるため、Googleマップを利用した経験がある方はスムーズに操作できるはずです。

 

電話の発着信機能

 

電話の発信機能を利用する際は、下のアイコン一覧から受話器マークの電話アイコンをタップします。

音声入力の際は、「OK、Google」と声をかけるかマイクボタンをタップした後に、連絡先の名前や電話番号を言います。ディスプレイ入力の際は、連絡先をタップするか電話番号を入力します。

Android Auto起動中に電話の着信があると、画面に発信者の情報が表示されます。表示された通知をタップすることで通話が開始されます。

 

音楽再生機能

 

音楽再生機能を利用する際は、下のアイコン一覧からヘッドホンマークのオーディオアイコンをタップします。

音声入力の際は、「OK、Google」と声をかけるかマイクボタンをタップした後に、アプリの名称と曲名を言います。ディスプレイ入力では、利用する音楽再生アプリをタップした後、曲名をタップします。

 

カーナビアプリの今後について

 

Googleの「Android Auto」、Appleの「CarPlay」以外にも「Yahoo!カーナビ」や「カーナビタイム」等、様々なカーナビアプリがあります。カーナビアプリの競争が激しくなる中、各社はアプリの機能や使い勝手を追求し改善を図っています。

Android Autoでも、2019年5月にアップデートが実施されました。実施内容については以下の通りです。

・「ダークテーマ」を追加
・操作ツールの複数表示
・通知センターの表示変更

「ダークテーマ」が追加されたことにより、夜間でもアプリの操作がしやすくなりました。また、操作ツールの複数表示が可能となりました。例えば、ナビ画面を表示しながら、再生する音楽の変更等が行えます。さらに、通知センターの表示が変更され、着信やメッセージが見やすくなりました。

今後、カーナビアプリは大きく進化していくことが予想されます。その進化のカギを握るのが、電子機器化する自動車との連携です。

 

電子機器化するクルマの行方

 

電気自動車など動力源が電力になるとともに、自動運転をはじめ、インターフェースがスマートフォンと連携するなど、クルマの電子機器化が急速に進展しています。しかし電子機器であるがゆえに、セキュリティや安全面に対する配慮も大切です。

Android Autoでは最終的に自動車のシステムが優先されるので、アプリを使用していたとしても、自動車がバックするときには後方カメラや衝突防止アラームがアプリに割り込むように設計されているようです。

これからは単体ではなく、自動車の運転という「ユーザー体験全体を見据えたアプリ」開発が重要です。この業界を牽引するリーダーがGoogleなのかAppleなのか、それはまだ分かりませんが。

 

まとめ

 

カーナビアプリの機能が進化するにつれて、車載カーナビ機器の存在意義が薄れつつあります。良質なカーナビアプリが、無料で提供されているからです。

カーナビアプリの中でも、Android Autoは運転時の操作や使い勝手に優れたアプリです。その特徴と使い方を理解することで、運転はより快適で楽しいものになるはずです。

[2019年6月10日アップデート]

 

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