人工知能って結局何?人工知能が私たちに与えるメリットとは
最近なにかと話題になる「人工知能(AI)」ですが、いったいどんなものなのでしょうか。少し前の映画では、人工知能で人間のように生きたり戦ったりするロボットの映画もありましたね。ですが、私たちの生活にどんなメリットがあるのか、いまいちわかりにくいと思いませんか?
人工知能とは、人のように考えたり判断したりできるシステムのことです。人工知能を搭載したロボットのPepper君も一時期話題になりましたが、人工知能は私たちのもっと身近なところで活用されています。
人工知能は第3次ブームが来ている
実は人工知能については1950年代から研究されており、2013年から「第3次AIブーム」として注目されています。
第3次AIブームのポイントは「機械学習」「ディープラーニング」といわれており、機械が自分で情報を集めて学習してくれます。繰り返し学習して理解を深める「ディープラーニング」は、まさに人間のようです。
人工知能には、人間のように広くて強い汎用能力を持つ「強いAI」と、決まった範囲の中で人間よりも高い知能を発揮できる「弱いAI」の2種類があります。囲碁で機械が人に勝ったり、Amazonで絶妙なセレクトで「おすすめ商品」を選んだりしてくれるのは後者の「弱いAI」です。
人工知能が家電に搭載されたことで認知度が高まった
第3次ブームの人工知能は家電に搭載されたことで注目されており、Alexa(アレクサ)やルンバといった機械が続々と家庭で使われています。
Alexaに話しかけると人工知能で言葉を理解して、天気を教えてくれたり電気をつけてくれたり、さらにはAmazonの商品を購入できます。(事前にスマホアプリで設定が必要)
また、お掃除ロボットとして人気のあるルンバは、やみくもに掃除機をかけるわけではありません。最初に人工知能で部屋の広さを認識して、効率よく掃除ができるように「考えて」動きます。ルンバは同じ場所を4回掃除しますが、「ゴミが多い」と判断したら自分で判断して4回以上掃除します。
さらにルンバは、隙間に対して「抜け出せない」と判断したら「後退する」というトラブル回避術まで持っています。まさに人のように「自分で考えて」掃除を行ってくれるので、人間の手間が大幅に減ります。
人工知能を介護業界にも取り入れる
人工知能は介護にも活用されはじめています。政府は「未来投資戦略2017」で、介護業界でも人工知能の活用を目指していることを明記しています。
2025年になると、団塊の世代が75歳以上になり「3人に1人が高齢者」という時代が来ます。さらに介護業界は慢性的な人手不足が続いていますので、人工知能を介護に活用して、介護職員や家族の負担を減らそうとしているのです。
特に国が力を入れているのは、「ケアプランの作成」です。「何曜日にどんな介護サービスを受けるか」というプログラムをケアマネージャーが作るのですが、専門知識が必要で時間がかかります。ケアマネージャーは多い人で何十人もの高齢者を担当しますので、ケアプランの作成だけでも月に何時間もかかってしまいます。
介護や医療の専門知識を人工知能が学習して、人の代わりにケアプランを作れるようになれば、ケアマネージャーの負担もぐっと軽くなるでしょう。
そのほかにも、人工知能が搭載された見守りシステムがあります。部屋に取り付けるとセンサーで人の動きを感知するだけではなく、日ごろの生活や睡眠のパターンを把握することで、体調を崩したときに機械が「いつもと様子が違う」と人よりも早く発見してくれるのです。
人工知能を人間がうまく活用すれば、ご紹介したようなメリットをもっと生み出す可能性があります。きっと私たちの未来を明るくしてくれるでしょう。