有機ELに「価格が高い」以外のデメリットはあるのか


家庭用テレビにPC、スマホなど、身の回りはディスプレイだらけです。昔は大きなブラウン管テレビが主流でしたが、今やディスプレイといえば液晶でしょう。
そして液晶の次にディスプレイ市場を席巻しそうなのが、有機ELディスプレイです。
とても薄く、カーブをつけたり折り曲げたりだってできてしまう、これまでの常識を覆すディスプレイ。そんな有機ELですが、デメリットとして「価格が高い」とよく耳にします。
果たしてデメリットは価格だけなのでしょうか。本記事では、有機ELのデメリットについて考えてみます。

 

 

6つのメリットを持つ有機EL

 

まずは有機ELのメリットについて簡単に確認しましょう。メリットとしてよく挙げられるのは以下の6点です。
・薄い
・曲げる・丸めるなど、様々な形状が可能
・完全な黒を作れる(コントラストがきれい)
・視野角が広い
・電力消費が小さい
・応答が高速(ゲームやVRに強みを発揮)

これらの特徴は、有機ELパネル自体の発光によって映像を映し出していることに由来します。
一方、液晶パネルではバックライトが発光し、その光をフィルターで着色・シャッターで調節することで映像を映し出しています。

※有機EL・液晶の詳しい仕組みは過去記事をご覧ください。

画期的と噂の有機ELは本当にいいのか液晶と比較する

液晶と有機ELを比較、ディスプレイはどうなるのか

 

 

有機ELのデメリットは4点か

 

しかし、有機ELにも弱点があります。価格の高さを筆頭として、他にも
・日光の下などの明るい場所で見えづらい
・焼き付きが発生する
・寿命が短い
といったデメリットが取り上げられがちです。

では、実際のところこれらのデメリットはどれほど問題視されるものなのでしょうか。果たして、有機ELの使用をためらうほどのものなのでしょうか。

 

デメリット1:価格が高い

 

有機ELのデメリットの代名詞とも言うべき「価格の高さ」。実際、どれほど高いのでしょうか。

1つの試みとして、「価格.com」で有機ELテレビと液晶テレビの最安価格を確認してみましょう。
※有機ELテレビは基本的に薄型・大型なので、液晶テレビも同様の条件で見ています。
※有機ELテレビで最安だったLGエレクトロニクス同士での比較です。

有機EL:155,686円(OLED55C7P [55インチ]。4K対応。2017年4月発売)
液晶:67,982円(55UJ6100 [55インチ]。4K対応。2017年9月発売)
※値段は2018年8月17日時点。

価格に2倍以上の差があります。
液晶テレビがとても安くなっているため、相対的に「有機ELは高い」と言えそうです。

ただし、有機ELテレビ「OLED55C7P」が2017年6月には35万円ほどだったことを考えると、価格は大きく下がってきています。
(参考:ついに55インチで35万円前後。LG製品は23万円! 普及価格帯に突入した有機ELテレビの最新動向 – 価格.comマガジン

この先、「価格が高い」というデメリットがなくなる日が来るかもしれませんね。

 

デメリット2:日光下で見づらい

 

有機ELは最高輝度、つまり一番明るくしたときの明るさが液晶よりも低いです。家電量販店で朝日や夕焼けの映像を見比べてみると分かります。
そのため、屋外の昼間などの日光下や明るい部屋などでは画面が見づらくなります。
外で確認することも多いスマートフォン利用時や、天窓のある部屋・窓の近く等で昼間テレビを視聴する際には、日光を遮るなどの工夫が必要です。

 

デメリット3:焼き付きが心配?

 

有機ELは同じ画面を表示し続けた場合、その部分が劣化して色味が変になってしてしまう「焼き付き」が発生します。せっかく高い値段で購入したものがすぐにダメになってしまっては困りますよね。

しかし、普通に1日数時間程度テレビを視聴する程度であれば、基本的にはそれほど焼き付くことはないと言われることもあります。

焼け付きの不安がより強いのは、スマートフォンやゲーム、PCのモニタでしょう。
スマートフォンは画面上部の時間表示やアイコンなどが、ゲームだと体力ゲージなどが同じ部分に表示され続けますし、PCだと画面下や上にずっと表示されているツールバー、タスクバーが気になるところです。また、ゲームやPCは長時間使用する場合も多いです。

焼き付きについてはメーカーも気にしているようで、有機ELテレビや有機ELのスマートフォンには、画面の明るさを調節したり、表示を少しずらしたりといった「焼き付き防止機能」が備わっているものもあります。
(参考:有機ELテレビの魅力とは? 東芝REGZAの開発陣にきいてみた (3) 「有機ELの課題」にどう向き合うか | マイナビニュース

 

デメリット4:寿命が短い?

 

有機ELは寿命の短さがデメリットとして挙げられることもあります。
しかし、それは「液晶と比較すると短い」というだけで、実用面ではそれほど問題ではない、とも考えられます。
というのも、有機ELの寿命は3万時間とも言われており(参考:有機ELテレビの魅力とは? 東芝REGZAの開発陣にきいてみた (3) 「有機ELの課題」にどう向き合うか | マイナビニュース)、テレビであれば1日8時間(朝2時間・夜6時間)視聴したとしても10年程度耐えられる計算だからです。
スマートフォンなら、仮に1日16時間(7時間睡眠、1時間風呂以外の全ての時間)使用したとしても5年ほど使用できます。
有機ELの寿命が尽きるよりも、テレビやスマートフォンを買い換えるスパンの方が短いのではないでしょうか。

また、有機ELテレビを販売しているLGエレクトロニクス社の社員は10万時間が過ぎてから有機ELの明るさが減っていく、とも述べており、今後さらなる長寿命化が期待されます。
(参考:LGエレクトロニクス、有機ELテレビ大衆化の準備完了…2018年までに10兆ウォン投資(2) | Joongang Ilbo | 中央日報

 

 

価格の高さ以外で気になるデメリットは日光下での見づらさと焼き付きリスク

 

有機ELのデメリットについて見てきました。
結果、現状では
▲ましになったとはいえ、液晶と比較すると価格はまだ高い。
▲日光下などの明るい場所では有機ELパネルの輝度が足りず、見づらい。
△画面の焼き付きリスクは存在する。しかし、普通の使用では焼き付きはそこまで気にしなくてよいと言われることもある。また、焼き付きを軽減する機能が組み込まれている商品も出ている。
○一般的な利用期間を耐える程度には寿命がある。
ということが分かりました。

しかしながら技術は着々と進歩していくものです。将来的には価格と最大輝度、焼き付きリスクというデメリットも克服され、有機ELが液晶に取って代わっているかもしれませんね。

 

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