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AWSのEFSでシンプルなファイル共有

ファイル共有はクラウド上のストレージで行うことが一般的になりました。企業によっては、社外にアップロードできない秘匿性の高いデータは仮想化したオンプレミス、それ以外は外部のクラウドで共有するハイブリッドクラウドで運用しているケースもあります。いずれにしてもクラウドにファイルを保存しておけば、本社や支社などの遠隔地や外出先のモバイル環境においてもファイルを利用できます。

AmazonのAWS(Amazon Web Services)には「Amazon Elastic File System(以下、EFS)というストレージシステムがあります。7月には、東京など複数のリージョンで提供を開始しました。

人工知能やIoTの導入により、ビッグデータの容量は急速に拡大しています。さらに企業間あるいは社内で膨大ファイルを共有するようになりました。したがって、ストレージに高速な伝送や堅牢性、使いやすさが求められています。

EFSが提供しているサービスを確認しつつ、ストレージサービスのこれからについて考察していきます。

▽EFSに関する詳細はこちらの記事をチェック

Amazon EFSがサービス開始!EFSの特徴を解説

 

AWSのEFSで提供する機能

 

AWSのEFSは、シンプル、スケーラブル、伸縮自在なファイルストレージです。特長と料金の概要をまとめます。

伸縮自在にスケーリング、EFSの特長

 

「伸縮自在」とはどういうことかといえば、アプリケーションを使用中にファイルの追加や削除が行われたとき、そのアプリケーションを中断することなく、ストレージの容量が自動的に拡張や縮小されることです。クラウドならではの柔軟で便利な機能といえるでしょう。必要な容量だけストレージを増減できるため、ユーザーのニーズに迅速に対応し、コストを最適化できます。

従来、特にオンプレミスのサーバーでストレージの容量を拡張する場合には、サーバーの設定変更や物理的にストレージを増設するなど手間がかかりました。しかし、Amazon EFSでは管理者の手を煩わせることなく、ストレージ容量の増減が自動的に行われます。

Amazon EFSは、Amazon EC2インスタンスにシームレスに統合されるため、複数のインスタンスから同時にファイルシステムにアクセスできます。シンプルなインターフェースを装備して、迅速かつ容易にファイル共有システムを構築できます。

また、AWS Direct Connect で Amazon VPC に接続していれば、オンプレミスのサーバーにEFSをマウントすることも可能です。このことにより、オンプレミスのデータ移行やバックアップがスムーズに実行できます。

セキュリティの面でも、POSIX アクセス許可、Amazon Virtual Private Cloud (Amazon VPC) によるネットワーク管理、AWS Identity and Access Management (IAM)ファイルシステムへのアクセスコントロール、AWS Key Management Service (KMS) による転送中のデータ暗号化など、セキュアな機能を提供しています。

AWS EFSの料金体系

 

EFSの料金は、基本的に1か月で使用したストレージ分です。EFS にコピーしたデータについてGB 単位で課金されます。

料金体系のデフォルトはバーストスループットモードで、スループットが 1 GB あたり 50 KB/秒となるベースラインレートがストレージ領域に含まれています。帯域幅やリクエストに関する料金は発生しません。

プロビジョンドスループットモードでは、必要なリソースを予測して準備しておくことができます。保存されたデータのストレージ量と、予測ならびに準備したスループットの請求を、分割して支払うことが可能です。つまり、データ量が増えた場合には、その分が加算されます。ユーザーはAmazon CloudWatch を使うことによってデータ量を追跡できるため、請求額を予測できます。

具体的には、以下のAmazonのサイトでご確認ください。

Amazon EFS Pricing

AWS EFSの競合サービスとこれから

 

市場調査会社のCanalysによると、2018年第2四半期のクラウドインフラ市場は200億ドル規模で、市場の上位3位は、1位はAWSの31%(前年比48%増)、2位はMicrosoft Azureの18%(前年比89%増)、Google Cloudの8%(前年比108%増)でした。

この上位3社で全体の57%のシェアを占めています。依然としてAWSがトップの座にありますが、前年比で分かるようにMicrosoft AzureとGoogle Cloudが勢いを伸ばしてAmazonを追随しています。

参考:Microsoft AzureとGoogle Cloud躍進もAWSが依然首位–クラウドインフラ市場

Microsoft Azureのファイル共有システムは「Azure Files」です。Windows、Linux、macOSといった複数のプラットフォームに対応し、業界標準のServer Message Block (SMB)3.0 プロトコル やHTTPS の暗号化により安全性を確保しています。Azure File Syncによって、よく使われるオンプレミスのファイルをキャッシュすることにより、迅速なアクセスを可能にします。

Googleでは、Googleドライブが馴染み深いといえるでしょう。「G Suite by google Cloud」では、容量無制限のBusiness エディションと Enterprise エディションを提供しています。AIによるファイル検索も備えています。

各社の状況から、容量の増減を自動化もしくは無制限にして、クラウドとオンプレミスやクライアントPCを意識することなくファイルを共有できるように、ストレージサービスは進化していくのではないでしょうか。EFSがどのように他社の追随をかわしていくのか注目したいところです。

 

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