シアタールームVRで映画鑑賞はどう変わるか


「シアタールームVR」は、PlayStation VRを使って、劇場で映画を観るような疑似体験ができるアプリケーションです。「VRは仮想空間を動き回ってゲームをするんじゃないの?」と思う人もいるかもしれません。しかし「映画館を仮想体験する」という意味では、映画鑑賞のVRといえるでしょう。

現在、NetflixをはじめとしてYouTube、iTunes、dTVなどオンラインでPCやスマートフォン、タブレットで映画を鑑賞できるようになりました。Amazon Fire TV Stickやスティック型PCをテレビのHDMI端子に挿して、映画を鑑賞することも可能です。

一方、次世代シアターと呼ばれる映画館も登場。ひとつの作品を何度も観るために映画館に訪れる映画ファンも増えています。「カウチポテト」という古い言葉がありますが、休日にソファに寝そべって、ポテトチップスを食べながら映画を観るだけでなく、積極的に映画館に足を運ぶファンもいます。

このような時代の変化とともに、VRデバイスを用いて映画を観ることの意義、これからの映画鑑賞について考察してみましょう。

 

▽シアタールームVRに関する記事はこちら

PSVRで3D映画を楽しむシアタールームVR

 

 

映画鑑賞の場は、劇場4割、家庭7割ほど

 

アメリカ映画協会 (Motion Picture Association of America, MPAA)の資料によると、2017年度の世界映画市場規模は406億ドル(約4兆5,472億円)で過去最高を記録し、年々、右肩上がりに伸びてきました。このうち劇場シェアは46%(406億ドル:約4.5兆円)に対して、ホームシェアは54%(477億ドル:約5.3兆円)になります。やはり月額定額制のサブスクリプションモデルに人気が集まっているためか、家庭で映画を鑑賞する人が多く、劇場より家庭で観る比率が高くなっています。

参考資料:PDF(英語)
https://www.mpaa.org/wp-content/uploads/2018/04/MPAA-THEME-Report-2017_Final.pdf

国内に目を向けると、NTTコム リサーチによる『第6回「映画館での映画鑑賞」に関する調査』(調査期間:2017年6月9日(金)~2017年6月14日(水)、有効回答者数:3,193名)では、映画館での映画鑑賞率は37.1%、3年連続で4割を切る結果になりました。ただ『この世界の片隅に』は、映画館で鑑賞した人の2割がネットで拡散したとのこと。これも注目すべきポイントです。

参考:第6回「映画館での映画鑑賞」に関する調

DMM VR THEATER YOKOHAMA」のように、ホログラフィックによってメガネなしで立体映像を演出する劇場も登場しました。ライブビューイングをはじめとして、映画館も変わりつつあります。

 

 

シアタールームVRとは何か

 

こうした現状を踏まえて、パソコンやスマホ、テレビでNetflixを観るのではなく、なぜVRで映画を観るのでしょうか。そこで「シアタールームVR」について解説します。

現在、VRのゴーグルは各社スタンドアローン型を積極的に発売していますが、「シアタールームVR」はゲーム機PlayStation 4 にPlayStation VRを接続して楽しむアプリケーションです。利用するには、ゴーグルのほかに周辺機器としてPlayStation Cameraが必要になります。本体とVRのセットを購入するのがお得です。

もともとPlayStation VRには「シネマティックモード」という、2Dで映像を楽しめるモードがありました。仮想空間の約2.5メートル先にスクリーンを表示し、大・中・小の3つのレベルで画面の大きさを選ぶことができます。「大」のレベルでは、226インチ相当、視野角90度の映像が楽しめます。

しかし、「シアタールームVR」では、アプリケーションで仮想的な映画館を再現して、シネマティックモード以上の大きな映像を鑑賞できます。映画館と同じようにうっすらと画面を暗くできるほか、座席の位置、部屋の明るさや色など、画面以外の部分も好みに合わせて変更可能です。

「シアタールームVR」のユーザーは、TVアニメ『Persona 5 The Animation』を楽しむことができました。さらに定額制サービスのPS Plus加入者向けに『スパイダーマン:ホームカミング(吹替版)』、『バイオハザード:ザ・ファイナル(吹替版)』、『貞子3D』を、抽選により体験できるβテストを行ってきました。

その後、『オーバーロードIII』、『異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術』、『ガンダムビルドダイバーズ』、『はるかなレシーブ』、『プラネット・ウィズ』、『メガロボクス』などのアニメの第1話を配信することで、コンテンツを増やしつつあります。

シアタールームVRの大きな特徴は「VRならではの巨大画面による没入感、臨場感」といえるでしょう。有線接続のサラウンドヘッドホンを使えば、音響的にも立体感を得られます。

 

 

VRではないホームシアターと比較すると

 

ところで、まだVRというものが登場しなかった頃には、物理的なシアタールームいわゆる「ホームシアター」を作ることが夢だった人が多いのではないでしょうか。この場合、高画質で大画面のテレビと、立体音響を再現するスピーカーシステムを購入しなければなりませんでした。加えるなら、何よりも「広い部屋」が必要なのですが。

立体音響にはスピーカーを5つ設置するような大掛かりなシステムが必要でしたが、現在では安価なサウンドバー(シアターバー)あるいはホームシアタースピーカーで立体音響を再現できるバーチャルサラウンドが普及しました。

また、「ドルビーアトモス」「DTS:X」を採用した製品であれば、前後左右に加えて高さのある音を擬似的に再現します。これらのスピーカーにはマイクが搭載され、まず部屋の音響特性をマイクで測定します。そして、天井や壁にスピーカーから出た音を反射させることによって、部屋の特性にあった立体音響を作り出します。

現状で、VRゴーグルは映像の再現性には優れていますが、音響効果の面で改良の余地がありそうです。とはいえ、物理的に大きなテレビを置いたり、いくつもスピーカーを配置したりするのはムリという財布の事情から、ホームシアターを断念する人も多いはず。したがって、狭い部屋でも、ゴーグルとヘッドホンで巨大なスクリーンを再現する「シアタールームVR」のお手頃感は、ホームシアターを代替する可能性がありそうです。

 

 

他のVRゴーグルで映画は楽しむには

 

「他のVRゴーグルで映画を観ることはできないのか?」と思われた方も多いかもしれません。YouTubeやNetflixのように「Cardboardで視聴」を選択して観ることができる映画もあります。その他、専用のアプリケーションで鑑賞可能です。たとえば、スマートフォン利用型のゴーグルには次のようなアプリがあります。

 

VR ONE Cinema

 

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スクリーンだけでなく映画館の内部にもこだわったアプリです。きちんと椅子があり、観客もいます。画面中央に、動画、静止画、再生のボタンがあり、右端には視点をリセットするボタンを配置。メニューは動画再生中には消え、シアターの左右にある出口の扉に視点を向けるとメニューが表示されます。

 

 

映画は鑑賞から体験へ

 

現在のところバーチャルシアターは、仮想空間上に劇場を再現できた段階です。しかし、今後は3D化したり映像に触ることができたり、さまざまな「体験」の可能性が考えられます。

触覚のほかに聴覚による立体音像はもちろん嗅覚など、五感に訴えるようになるかもしれません。あるいはスタンドアローン型のHMDに映画をストリーミングで流せば、映画の中で自由に動き回って、あらゆる角度から映画を体験する能動的な「没入感」も実現できます。

「シアタールームVR」は、まだその入口に立ったばかりのアプリケーションではないでしょうか。エンターテイメントとしてのVRは、大きく可能性が開かれています。

 


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