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米国のAmazon freshサービスが月額利用料を変更〜日本との違いや今後の日本向け戦略を探る

家電から音楽配信まで、通販界の何でも屋さんになりつつあるAmazonですが、実はエリア限定で面白いサービスが展開されています。
多くの方が週に一度、多い方なら毎日でも買うであろうある物を届けるそのサービス「Amazon fresh」に、今回は注目してみたいと思います。

この記事では次の事がわかります
・Amazon freshとはどのようなサービスか?
・日本と米国で異なるサービス利用料
・日本のAmazon freshの今後の展開は?

食料品は最優先の生活必需品

野菜や果物・肉や牛乳など、私達の生活には新鮮な食料品が欠かせない存在です。
普段、みなさんはこうした物をどこで購入していますか?
恐らく多くの方は、スーパーやコンビニ或いは商店街のお店といった実店舗を挙げるのではないでしょうか?
あるいは、ネットスーパーを利用しているという方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、何かと忙しい現代社会。特に1人暮らしの社会人の方などは、なかなか買い物に行く余裕がないという方も少なくないはず。
また、ネットスーパーを使うにしても、配送のある時間帯は仕事中で在宅していないというケースは案外多いものです。
そんな方に便利なサービスが、今回ご紹介するAmazon freshなのです。

Amazon freshとは?

Amazon freshを一言で表すと、Amazon版ネットスーパーサービスです。
まずはサービスの概要を簡単にご説明しましょう。

■Amazon freshの概要(日本版:記事執筆時点)*1
・会費……月額500円(税込)※ 別途Amazon PrimeまたはAmazon Studentの会員登録が必要
・最低注文金額……4,000円/回
・配送料……390円/回(10,000円以上の注文で無料)
・注文受付……24時間
・配送時間帯……午前8時〜深夜0時(2時間刻み)
・最短配送所要時間……注文から4時間以内
・配送可能エリア……南関東(東京・神奈川・千葉)の一部地域

サービス内容を見てみると、通常のAmazonのルールとはかなり違っている事がわかります。
特に大きな違いが、配送に関する部分です。

配送ルールの違いがAmazon freshの強み

通常、Amazonで在庫のある商品を注文すると、離島などでない限り最短で当日配送、遅くとも翌日〜翌々日には手許に注文した物が届きます。
一方Amazon freshの場合、最短で注文から4時間以内とかなり早いスピード納品です。
もちろん、状況次第では翌日納品となる場合もあるので必ずしもfreshの方が早いとは言えませんが、この早さは驚異的ではないでしょうか?
くわえて、配送時間帯の幅も通常のAmazonより広く設定されています。
Amazonの基本ルールでは21〜22時にはその日の配送を終えてしまうのですが、Amazon freshの場合は最長深夜0時までとなっている為、夜遅く帰宅しても十分受け取ることが可能です。
「仕事がかき入れ時で中々休みが取れない」という方でも、これなら使いやすいのではないでしょうか?

日本と米国で異なるサービス利用料

Amazon freshのサービスは、実は日本だけでなく、本家米国のAmazonでも行われています。
こちらは従来月額14.99ドルの会費を徴収するサービスでしたが、2019年10月29日(現地時間)からはAmazon Prime(米国版)会員に無料で付帯するサービスとなりました。2
ただし、米国版Amazon(Amazon.com)のPrime会員は、月額払いなら12.99ドル(約1,410円)、年間一括払いでも99ドル(約10,740円)なので、この記事を書いている2020年1月上旬現在では日本のサービスの方がコストパフォーマンスに優れていると言えるでしょう。
2

日本でも今後変更が行われるのか?

このように、現状では米国と比べて圧倒的に安価な利用料金となっているAmazon fresh(日本版)ですが、今後料金の変更は行われるのでしょうか?

値上げの可能性は当面低い?

ここからはあくまで筆者の推測ですが、値上げに関しては、当面の間は行われない可能性が高いと考えられます。
その理由は次の2点です。

日本のAmazon freshは現時点で試験サービスの域を出ない規模であること

日本におけるAmazon freshは、現時点で一都二県の一部地域に展開エリアを限定するなど、まだ試験の域を脱していないサービスです。
もしこの段階で大幅な値上げを行えば、これから新規展開するエリアも値上がりした金額で参入せざるを得ず、金額次第では競合他社に負けてしまいます。

日本の都市部は実店舗をもったスーパーによる宅配サービスが既に展開されていること

現在、日本では都市部を中心にスーパーによる宅配サービス(いわゆるネットスーパー)が展開されており、既にAmazonのライバルが多く居る状態です。
また、ネットが苦手な世代の場合も、生協の宅配サービスを利用できる地域であれば、ネットスーパーに近い利便性を確保できます。
よって、こうしたライバルに対しAmazon freshが圧倒的な優位を確保するまでは、値上げは難しいでしょう。

値下げの可能性は?

先に触れたように、米国のAmazon freshは、Prime会員なら追加の月額・年額料金は必要ないサービスとなりました。
では、日本のAmazon freshが値下げされる可能性があるかというと、こちらも現時点では低いというのが筆者の予測です。
そもそも、こちらも既に解説した通り、日本のAmazonPrimeの会費は米国と比べてかなり割安になっています。
それに加えてAmazon freshの月額料金を無料化するとなると、流石のAmazonでも負担が大きすぎるのではないでしょうか?
もちろん、今後Amazon freshを日本で拡大する過程で、顧客獲得の為に会費の値下げや無料化を行う可能性がないわけではありません。
ただ、現時点でのAmazon freshの展開状況を見ると、仮にこうした戦略が採られるとしても、もう少し先の話になりそうです。

Amazon freshはいつ全国展開されるのか?

この記事を書いている2020年1月上旬現在、Amazon freshは南関東の一部地域のみの限定的な展開となっています。
読者の皆さんの中にも、使ってみたいのに自分の住むエリアが対応していないとやきもきしている方は、案外たくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
日本におけるAmazon freshの今後については、Amazonからの公式発表も特にない現状ですが、果たして提供エリアの拡大、あるいは全国展開が行われるのでしょうか?

時間は掛かるが拡大の可能性は十分ある

Amazon freshでは賞味期限のある食品を扱っている関係上、Amazonの倉庫から比較的近い距離で、かつ柔軟な配送体制を構築できるエリアでないと提供が難しくなってきます。
また、深夜帯配送などは、ある程度需要を見込める(=人口が多い)エリアでないと成立しません。
よって、今後サービスエリアが拡がるとしても、暫くは都市部を中心とした対応に留まるでしょう。
ちなみに、ここ数年、Amazonは配送を大手宅配便事業者から中小のデリバリープロバイダへ移行しつつあります。
さらに筆者も1ヶ月ほど前に気付いたのですが、デリバリープロバイダで配送を行う際、Amazonのサイトやアプリ上では「Amazonによる配送」という表記がされるようになりました(以前はデリバリープロバイダまたは各運送業者の社名が表示されていました)。
単に案内上の問題でこうした表記になっている可能性もありますが、もしかすると、近い将来Amazonはデリバリープロバイダを買収して自社直営の配送網にする考えをもっているのかもしれません。
仮にそれが実現すれば、Amazon freshを提供できるエリアの幅もさらに拡がるでしょう。

音声アシスタント「Alexa」がAmazon最大の強み

既存のネットスーパーや生協とAmazonの最も大きな違いは、自社で音声アシスタントの技術をもっているかどうかです。
元々はスマートフォンの1機能に過ぎなかった音声アシスタントも、現在ではスマートスピーカーやイヤホンなど、音に関わる様々な機器で対応が進んでいます。
さらに今後はAI技術との組み合わせにより、今以上にユーザーに寄り添った、秘書やお手伝いさんに近い役割を担うようになっていくことでしょう。
そして、ここまで技術が進歩すれば、食料品など日常的な買い物は、音声アシスタント経由でネット通販を利用するようになると考えるのが自然です(高齢化が進み出歩くことが困難な方が増えれば尚更でしょう)。
そうなった時、Alexaのような音声アシスタント技術をもっているかどうかは、自社の競争力を左右する大きな要因になると考えられます。
Amazonにとって、日本のAmazon freshは、大躍進に向けた助走段階といったところなのかもしれません。

まとめ

今回は「米国のAmazon freshサービスが月額利用料を変更〜日本との違いや今後の日本向け戦略を探る」と題して、Amazonの今後の対日本戦略をAmazon freshの視点から予測してみました。
今後少子高齢化が進むにつれ、重要さを増してくるのが食料品の宅配サービス。
AlexaをはじめIT技術に強いAmazonが勝つか、御用聞きのような昔ながらのスタイルの販売店が復権するのか、今後に要注目と言えるでしょう。

参考

*1
https://www.amazon.co.jp/b?ie=UTF8&node=4842098051

*2
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1910/30/news088.html

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