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コイズミ照明はRevit向けBIMデータで生産性向上に貢献!

光空間づくりに実績のあるコイズミ照明では、設計者や施工者の生産性向上に貢献することを目的にAutodeskのRevit向けのBIMデータ提供を行っています。
この記事ではコイズミ照明のBIMへの取り組み概要やゼネコンとの協業事例をまとめました。
照明設備を扱う他社の状況も合わせてご紹介しますので参考にしてください。

BIMの導入背景と建築業界の現状

建築業務は設計から建設、維持管理までに多くの企業が関わります。
ある工程について設計効率化が図れていたとしても、他の企業や工程に負荷や無駄が生じている場合には、建築に関わるプロセス全体で効率化が図れているとは言えません。

例えば、戸建て住宅照明設備の場合、図面に配置できるようDWG、DXF形式などのCADデータが提供されているケースが多くみられます。
この場合、途中までBIMデータで設計を進めていても、照明設計は別のツールで行い、施工図のために照明データを使うことになります。

別のツールで検証を行う際は、設計途中のBIMデータをある時点でコピーして取り込みます。
つまりBIMデータに設計変更があった場合にうまく連携が取れないという課題があるのです。

今後さらに働き方の効率を高めつつ難易度の高い設計を行っていくためには、BIMを用いた工程の効率化や意思疎通の効率化が欠かせません。

BIMデータを共用するメリットについて詳しくは「BIMを用いた施工図作成のメリットと普及の課題・適用事例を解説」でご紹介しています。

LCRがBIMデータ上の照明計画を実施

コイズミ照明には、照明設計部門としてLCR(ライティング・クリエーティブ・ルーム)があります。(*1)
LCRは1976年から商業施設やホテルなどに照明提案を行ってきた実績のある部門で、照明設計の専門に受け持っています。

顧客のニーズに合わせて積極的に営業や商品開発、別注商品制作などをサポートするなか、LCRではBIMデータを使用した照明計画の立案にも対応しています。
BIMで基本構想から高精度な光環境デザインなどを行えば、顧客やステークホルダーとのより円滑な意思疎通が可能です。

照明設計が始まるタイミングは、建築物の構造がある程度固まってからということが多く見られました。
しかしBIMデータを用いて情報の連携ができれば設計のより初期の段階から建設プロジェクトに関わる余地が生まれます。

コイズミ照明がBIM導入を進める背景には、照明メーカーとしてより良い空間づくりに貢献したいという意思があるのです。

コイズミ照明ではRevitで読み込めるBIMデータを提供

コイズミ照明では、大手外食チェーンの照明モデルの標準化づくりを担当した経験を活かし2020年から「BIMファミリデータダウンロードサイト」にてRevitデータを無償提供しています。(*2)
豊富なライブラリで照明特有の情報を幅広く提供した様子から、業務効率改善への貢献を見据えて急速にBIM導入を進めたことがわかります。

対象機種の増強

コイズミ照明でBIMデータを提供しているシリーズは、ベースライト・ダウンライト/スポットライト・間接照明・非常灯です。
2020年に初めてBIMデータの提供を始めた時点では、720機種のシリーズまたはファミリが、RFAデータでダウンロード可能となりました。

翌2021年には店舗施設照明器具で多く活用されている全16シリーズにまで増え、合計6,284機種ものBIMデータを準備したのです。

利便性の強化

2020年のリリース時には、モデリング基準が不明確でBIMデータごとに定義の方法などが異なっているものもありました。
そこでコイズミ照明では、Revitを中心にBIMの実用化に向けて活動しているRUG(Revit User Group)で定めた標準仕様を踏まえてデータに盛り込む内容を検討したのです。

2021年に拡充したデータでは、標準データとして一貫性を保つかたちでマテリアルデータや照明器具の特性、寸法、識別情報、フォトメトリックなどのパラメータを盛り込みました。
さらに、BIMデータを3Dから図面上に変換した場合の利便性を考慮して2Dシンボル記号も連携させています。

データの一貫性を確保することで、設計内容や完成イメージがより利用しやすく正確になったといえます。

コイズミ照明とゼネコンのBIMを用いた協業事例

コイズミ照明は、竹中工務店が2020年に竣工した「三栄建設鉄構事業本部新事務所」の照明設計で、初めて念入りな検証を含むBIM連携を行いました。

竹中工務店から建物のBIMデータの提供を受けたことで、設計段階から複雑な建物空間を一体に捉えた空間検証が実現したのです。

このプロジェクトにより、コイズミ照明ではBIMを導入してフロントローディングができれば、より具体的かつ良い照明空間づくりの提案に活かせるという手ごたえを得ました。
設備メーカーとして製品のBIMデータを提供するのはもちろん、照明コンサルティングとして専門性を活かしたビジネスの創出に向かっているのです。

BIMデータを提供している照明メーカーの動向

BIMを用いて素早い合意形成をサポートしようとしているのは、コイズミ照明だけではありません。
ここでは照明設備メーカーの状況として、その他のメーカーをピックアップしてご紹介します。

パナソニック ライフソリューションズ社

パナソニックでは、2021年からBIM上で照明のシミュレーションを行うソフトウェアとして「Lightning Flow®(ライトニングフロー)」を無償で提供しています。(*3)

照光シミュレーションは太陽光の影響や配光、取り付け方向、周辺の物体への反射など光の反射や光色の影響など複雑な条件が関連します。
加えて高度なシミュレーションを行う際は、複数の条件に対応するほか処理時間とのバランスも重要です。

「Lightning Flow®」は、AutodeskのRevit内に照明器具を配置してシミュレーションが行えます。
また、Revit内で移動して見え方を確認したり、目に見えない気流のシミュレーションを行ったりと複雑な用途にも対応しています。

遠藤照明

業務用LED照明器具分野などに強みのある遠藤照明では、照明計画のサポートツールが充実しています。
そのなかでもBIMと連携する機能として、パートナー企業であるドイツのDIAL社と開発した「DIALux evo」という照明シミュレーションソフトを無償で提供しています。(*4)

「DIALux」は1994年から開発され、世界70万人以上のユーザーがいる実績のあるツールです。
日本語で操作できるほか、CIS(国際照明委員会)の企画に準じ、IES、LDTなど汎用的な配光データに対応しています。
建物をヒートマップのように色分け表示して建物全体の照度検証が行えます。

中間ファイルであるIFCデータに対応しているため、Revitで作成したデータを読み込むことが可能でBIM連携をサポートしています。

図面を3Dモデルと重ねる下絵機能や調光シミュレーションをはじめ3D内の昼光計算、建物や部屋、シーン別のシミュレーション、資料やCADへの出力機能など専門ツールならではの詳細な機能が含まれています。

まとめ

コイズミ照明でBIMを強力に推進するのは思い切った経営判断だったかもしれません。
しかしBIM対応により同業他社との差別化が図れ、建設プロジェクトの川上に参入できるようになりました。
コイズミ照明は、BIMを導入したことで照明コンサルティングのビジネス拡充が行えた好事例のひとつだと言えます。

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*1 https://www.koizumi-lt.co.jp/l-design/lcr_guide.html
*2 https://www.mediapress-net.com/search/KZMBIM/index.html
*3 https://news.panasonic.com/jp/press/data/2021/05/jn210531-1/jn210531-1.html
*4 https://www.endo-lighting.co.jp/tool/dialux-evo/

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