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建設ICTの推進に向けたCIM活用の現状とは

若手人材の減少や熟練労働者の引退によって、日本の建設業界は大きな岐路に差し掛かっています。このような問題を解決すべく、企業や国土交通省が率先して取り組んでいるのがICT導入の推進です。

特に国交省が提唱しているBIM/CIMの活用は、建設や土木業に革新的な影響を与えるとして、その動向へ大いに注目が集まります。

今回は、建設ICTの推進はどの程度実践されているのかや、BIMやCIM活用これからについてご紹介します。

目次:
①建設ICTを推進する国土交通省の取り組み
②建設ICT推進の課題と対応について
③CIM運用の今後

建設ICTを推進する国土交通省の取り組み

建設ICTの実践に向けて、率先的に活動を進めているのが国土交通省です。国交省はi-Constructionの概念を提唱し、建設業へ新しいテクノロジーを導入するべく積極的な働きかけを進めています。

i-Constructionの提唱と実践

i-Constructionの登場の背景には、国内における建設土木の需要が著しく冷え込んでいたことが挙げられます。高度経済成長期ほどの需要拡大が見込めない中、人材の不足も深刻化していき、業界としての刷新も進まないことが問題視されてきました。国交省が提唱したi-Constructionは、そんな日本の建設業へ最先端の技術を積極的に導入し、他業種と同様のICT活用を進めることで、この状況を打破しようという取り組みです。

ロボットやAIの導入による業務効率化や自動化、データ活用による施工管理プロセスの刷新など、包括的なICT活用を推進しています。

CIMの提唱からBIM/CIMの台頭まで

i-Constructionと同時期に国交省が提唱したのが、CIMの概念です。これは2000年代半ばから注目され始めた3D技術であるBIMを、土木建設向けに再定義したもので、i-Constructionに交えて推進されることとなりました。元々CIMは日本独自の概念でしたが、現在はBIM活用のグローバル化に伴い、日本国内においてもBIMとCIMは同一の技術であるとして、BIM/CIMとして一元化される動きが進んでいます。

建物の建築と土木建設において区別のないデータ活用を推進し、あらゆる建設物とインフラをデジタル管理できるようになる、というのがBIM/CIM活用におけるビジョンの一つです。

建設ICT推進の課題と対応について

このように、建設ICTの推進は従来の建設のあり方を大きく刷新する取り組みとなっているのですが、現状はどのような課題を抱えているのでしょうか。

2020年8月に開催された、国交省主催の企画委員会の資料をもとに確認しておきましょう*1。

i-Constructionの適用範囲における課題

まず検討の余地があると指摘されていたのは、i-Constructionの概念が今ひとつ認識されていないという問題についてです。i-Constructionは生産性の向上に役立つ概念であるだけでなく、業務の自動化や効率化によって、災害復旧の効率化にも役立つ技術です。また、僻地における作業や崩落リスクのある現場での作業など、作業員の負担軽減、および身体的リスクの小さな現場の実現にも役立つため、そのメリットは幅広いことがわかります。

災害復旧の効率化や作業員の負担軽減に関する効果についての周知は進んでいませんが、こちらの利点に焦点を当てた取り組みは今後推進されていく予定です。

新技術の導入加速に関する課題

実際に現場へ新技術を導入する上でも、検討すべき問題は少なくありません。迅速な導入を進めるためにはベンチャーやスタートアップの手を借りるべきということで、大規模コンペであるi-Construction大賞を設立し、ベンチャーキャピタル協会と連携した広報活動を行うことで、応募者の獲得に努めました。

また、迅速な普及を進めるためには技術の標準化、およびモジュールかは欠かせないところです。プレキャスト製品の規格の統一に向け、価格以外の要素を考慮し製品導入を判断するための手法について2020年から検討が進んでいます。

BIM/CIMだけでなく、ブロックチェーンを用いたデータ活用、および不正データ活用の可能性も検討しています。東京大学で開講したi-Construction寄付講座において、「ロックチェーンを活用したサプライチェーンマネジメントシステムの開発」に取り組み、現在研究を続けています。

普及拡大における課題

i-Constructionの普及には、その認知度を次のステップに高める必要があります。アーリーアダプターからマジョリティへ概念を普及させるべく、3次元データ活用の人材育成や平準化等の取り組みの見える化に取り組みます。またi-Construction大賞において、都道府県を表彰対象に盛り込むことで、各自治体や中小企業への普及を促進するインセンティブを追加しています。

BIM/CIM運用を進められる人材の確保、および育成については、地方整備局に人材育成センターを設置し、受発注者双方への研修等を実施しています。また、簡易型のICTを活用した工事を行い、3Dデータ活用機会を各企業に提供することで普及に努めます。

CIM運用の今後

CIM運用は現状だといまひとつ進んでいない印象を受けますが、明確な課題設定と効果が期待できる施策を投下することで、一歩ずつの前進が期待できます。

今後、BIM/CIMの運用はどのように進んでいくのでしょうか。

CIM導入の効果と課題

平成24年度よりCIMの導入を推進している国土交通省は、平成27年までに56件ものプロジェクトにおいてCIMを導入してきました。その結果、導入したプロジェクトにおいては合意形成の迅速化、フロントローディングの実施そして安全性の向上が効果として確認されており、導入が有意義なものであったことを証明しています*2。

ただ、同時に課題についても改善の余地がいくつか見られており、特にCIM運用人材の不足は早急に解決すべき問題とされています。また、パソコンや3DCADソフトの導入に際してもコスト負担が大きく、どのように人とモノを広く普及できるかに焦点が集まることとなるでしょう*3。

課題解決に向けた取り組み

これらの課題を解消するための取り組みとしては、まずCIM導入ガイドラインの見直しが挙げられています。また、CIM導入の要領・基準についても改定の必要に迫られており、最適化された活用ガイドが求められることになっています*4。

近年は海外における国内企業のBIM/CIM活用も推進されており、グローバルスタンダードに耐えうる建設ICTの実現に期待が集まります。

おわりに

建設ICTの推進は、日本の建設土木業界を刷新し、建設業界の維持と新しい価値の創出を実現する取り組みです。まだまだ解決すべき課題は残されているものの、着実な実践と課題解決に臨むことで、世界に通用する次世代の建設業へと着実に進歩しています。

 

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参考:
*1 国土交通省「i-Constructionの取組について」p.2
https://www.mlit.go.jp/tec/i-construction/pdf/04.6_kikaku_siryou4.pdf
*2 JACIC「国土交通省におけるCIMのこれまでと今後の取組み」p.23
https://www.jacic.or.jp/books/jacicjoho/jac114/p_2.pdf
*3 上に同じ
*4 上に同じ p.24~25

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