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清水建設がカンパニー契約したfuzorとは?BIMが捗る機能が充実

この記事を読むと、以下の3つのことがわかります。
1.清水建設とカンパニー契約しているfuzorの特徴
2.清水建設のBIM構築体制について
3. fuzorが持っている優れたBIMの機能

国内の建築業界でも意識されるBIMは、大手ゼネコンを筆頭に多くの会社で独自システムの構築が進んでいます。

清水建設はfuzor(フゾー)というBIMツールを提供する企業とカンパニー契約を結んでおり、よりグラフィカルでスピーディーなBIMシステムを構築しています。この記事では、fuzorが清水建設に評価された点や機能についてご紹介します。

清水建設と契約しているBIMソリューション「fuzor」とは

清水建設はBIMの独自体制を構築しています。その1つのソリューションとなっている、fuzorについて解説します。

清水建設は「Shimz One BIM」を構築している

清水建設といえば、言わずと知れば国内スーパーゼネコンです。1804年に建設されて以降、国内の伝統建築をはじめ、数々の大規模プロジェクトを取り仕切っています。

現在国内の建築業界でもBIM(Building Information Modeling)の導入は進んでいますが、清水建設は中でもBIM先進企業として業界をけん引する存在となっているのです。

最近では、2019年にBIMツール「Revit」をベースとした清水建設独自のBIM環境を構築しました。その名も「Shimz One BIM(設計施工連携BIM)」という生産体制で、鉄骨造のモデリングや積算に必要なデータを変換する「KAP for Revit(K4R)」を運用して効率化を実現しています。※1

fuzorはBIMプラットフォームとして期待されている

fuzorは清水建設が開発したものではなく、元はRevitのプラグインとして開発されたビジュアルシミュレーションツールです。fuzorには独自に搭載した3次元ゲームエンジンがあり、これによってよりグラフィカルなBIMモデリングの表現が可能となっています。3次元ゲームエンジンを導入したことで人気が高まり、すでにアメリカでは600社を超える企業の導入実績もあるのです。

fuzorはRevitプラグインとして開発されていますが、SketchUpやArchiCAD、3D FormatsといったBIM設計ツールにも対応済です。そのため、複数のツールを統合するプラットフォームとしての活躍が期待されています。

すでにゼンリンの3D都市モデルにRevitモデルを配置したり、地理情報システムや点群データの読み込みが実現したりしました。たとえばダムのモデル1つ取っても非常に精巧で、住民や関係者に向けた高品質なプレゼンツールとしても活躍しているのです。

レッドスタック社はシンガポールの会社

fuzorを開発したのは米国にあるKALLOCTECH社ですが、fuzorを提供してる会社はレッドスタック社です。そして、「レッドスタックジャパン」として2014年に日本法人を設立しました。そのレッドスタック社の本社は、シンガポールにあります。※2

シンガポールといえば、世界的なBIM先進国として知られています。2013年からは20,000平方メートル以上の建物の意匠設計にはBIMによる確認申請が義務付けられ、2014年からは構造設計や設備設計もBIM申請が推奨されました。

さらに国土全体を3Dモデリング化する「バーチャル・シンガポール計画」が進められるなど、日本の何歩も先のBIM環境を実現しているのです。※3

fuzorと清水建設は2017年にカンパニー契約を締結

fuzorを提供しているレッドスタック社と清水建設はカンパニー契約を結んでおり、国内での導入を進めています。

このカンパニー契約によって、清水建設をはじめ全国の子会社も含めた関係者がfuzorを利用することになりました。BIMデータのやり取りやデータ共有は、すべてこのfuzorによって行われているのです。

機能については後述しますが、fuzorは清水建設のような大規模プロジェクトにふさわしい数々の機能を搭載しており、様々な建設プロセスで活躍する見通しです。

BIMプラットフォームとして注目されるfuzorの持つ機能とは

fuzorはBIMソリューションとして、清水建設のような大規模プロジェクトを支える機能を持っています。

最大の特徴はゲームエンジンの搭載

fuzorに搭載されているゲームエンジンとは、文字通り本来はゲームの開発に使われる技術です。

特に3Dデータではグラフィカルな表現が重視されるため、プログラマの手によって、ゲームの環境開発ではゲームエンジンが作られるようになりました。有名なゲームエンジンとしてはUnityやOROCHIなどがあり、知っている方も多いのではないでしょうか。

最近では、そんな独自に進化したゲームエンジンを他の技術に転用しようという動きが起こっています。その中でも代表的なものがBIMや3DCADといった建築業界に必要な技術なのです。

マイクロソフトの「HoloLens」にも対応

実はfuzorは、発売当時からVRにも対応しています。2018年からはマイクロソフトの複合現実ヘッドセット「HoloLens(ホロレンズ)」にも対応しており、よりバーチャルな技術を開発しています。※4

HoloLensはヘッドマウントディスプレイによるMRデバイスで、建築業界でも導入が進んでいます。HoloLens 2からはビジネス向けの開発が進んでいて、建築業界では空間上に建物を表示させたり、よりリアルなシミュレーションを行ったりといった機能も充実しているのです。※5
ホロレンズは国内の建築業界でも活用が進んでおり、今後はVRやARといった技術とBIMを掛け合わせることで、よりリアルで効率的な建築作業が実現するでしょう。

超高速リアルタイムレンダリング機能

まずBIMにおいてfuzorが魅力的なのは、高速レンダリングが可能という点です。※4
これはfuzorがゲームエンジンを搭載しているためで、大規模プロジェクトを多く扱う清水建設が魅力を感じた点でもあります。

一般的にBIMのレンダリングはデータが大きくなるほど処理が遅くなり、全体の作業効率まで悪化します。ファイルの変換や更新に半日以上かかることも珍しくありません。

しかしfuzorなら、データの大きなレンダリングであってもリアルタイムでfuzorのデータとして取り込めますので、作業効率の低下を防げるのです。

ライブリンク機能

fuzorの大きな特徴の1つとして、ライブリンク機能もあります。※4
ライブリンクとはRevitをはじめArchiCADや地理情報システムや点群といったデータを読み込み、fuzor内に取り込むことをいいます。

fuzorを中心に置くことで、Revitで作成したデータをArchiCADで再現したり、その逆を行ったりといった自由度の高い操作が実現するのです。もちろん修正もリアルタイムで反映します。

つまり別々の作業者が別々のソフトでBIMモデリング業務を行っていても、そのfuzorによってデータを集約して全体像をスムーズに作成できるという画期的な技術なのです。この部分が、「BIMのプラットフォームになる」と評価された部分でもありますね。

ワークシェアリングコラボレーション機能でデータ共有できる

複数のユーザーが同時にBIMモデルに変更を加えたら、fuzorのプロジェクトとしてサーバーにアップできます。それぞれ別の作業をしていてもすぐにデータを結集させられるので、進行状況をリアルタイムでチェックできるのです。※4

しかもデータの差分だけを直接ダウンロードしてチェックできるので、その変更を採用するか拒否するかもすぐに決められます。

BIMではスムーズな意思決定のために、データ共有が大きなポイントとなります。そのため、fuzorの持つワークシェアリングコラボレーション機能は大きなメリットとなるのです。

BIMのような新しい取り組みでは、これからもfuzorのような最新の技術によって、もっと便利な機能が生まれるかもしれません。

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参照
※1 https://www.shimz.co.jp/company/about/news-release/2019/2019036.html
※2 http://redstack.jp/aboutus.html
※3 https://bim-japan.com/singa.html
※4 http://redstack.jp/Fuzor2020.html
※5 https://www.microsoft.com/ja-jp/hololens

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