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Googleの検索アプリにも搭載される「ストーリー」とは何か?

 インスタ、ツイッターにフェイスブックやLINEまで、各種SNSがこぞって導入しているのが「ストーリー」と呼ばれる機能です。短い動画や画像で構成され、ちょっとしたお知らせなどに使われるストーリー。
 ついにGoogleも検索アプリにストリー機能を導入することが発表されました。日本での利用開始はもう少し後になりそうですが、今回の記事ではストーリーがなぜこんなにもてはやされているのかを含めてご紹介していきましょう。

この記事でわかること
 ・Googleがストーリー機能の搭載を発表
 ・ストーリーの今ウケている理由
 ・ストーリーの進化について

Googleがストーリー機能の搭載を発表

 Googleは10月6日(米国時間)、自社のiOSとAndroidアプリにストーリー(Stories)機能を導入すると発表しました。
世界で8億人のユーザーがいるアプリにおいて、アメリカ・インド・ブラジルなどですでに公開されています。
しかし、日本での利用についてはまだ公開は未定のようです。
 ストーリー(Stories)機能を導入されることにより、参加するパブリッシャーは、画像を主体にビジュアルを重視したコンテンツを提供することができるようになります。

 ストーリー(Stories)ではカード型の画像に、提供する企業がわかる社名やロゴが表示され、クリックすると全画面に拡大されたムービーや写真を見ることができます。
個別にリンクなどを埋め込むこともできるため、プロモーションなどへの利用が期待されています。
 もちろん、企業に限らず個人のクリエーターなども利用することができます。
Googleのストーリー用のコンテンツ作成については、特別な技術は不要でストーリーに登録し、自分のウェブサイトに掲載するだけで、自動で表示されるようになっています。*注1

 ストーリーは、GoogleアプリのDiscoverタブの他、検索結果などにも表示されます。
ストーリーを利用した収益化も可能で、ホスティングや公開期間など細かな設定なども可能となっています。
 また、アクセス数などの統計情報もフィードバックされますので、効果を測定・分析するなどプロモーション戦略で有力なツールとなりそうです。

 実はGoogleは、「AMPストーリー」というものをすでにリリースしていました。
AMPとは”Accelerated Mobile Pages”を意味し、再生環境が弱いモバイル端末でのコンテンツの表示速度向上を目的とした技術であり、この技術をストーリーという形でサービス化したものです。
 2017年にβ版として登場した「Reels」を、2018年になって「AMP ストーリー」へ改称し、今回Googleのモバイルアプリへ搭載したという流れになっています。*注2

ストーリーのどんな部分が今ウケているのか?

 ところで、有名SNSがこぞって導入し始めたストーリーは、なぜそんなに人気があるのでしょうか。
一般の方であれば、ユーザー側として見かけることが多いと思います。
画像を中心とした表示ですので気軽に眺めることができます。
 もし、気になる情報があればタップして詳しく閲覧することもできます。
このような機能から、ちょっとした空き時間にさっと友人の近況や、お気に入りのブランドの最新情報などにアクセスすることが可能です。

 そもそも、日本では「ストーリー」と訳されているようですが、英語圏では”Stories”と複数形で使われるようです。
 私は最初「ストーリー」=「物語」とか「お話」というイメージが先行してしまい、もっと「詳しい筋立てて語られるコンテンツ」なのか?と勘違いしていました。
どうやらSNSの「ストーリー」は、「見出し」とか「記事」ぐらいの意味で用いられているようです。
 新聞記事のヘッドラインのように、内容がわかりやすい文字で書かれたような「タイトル」ではなく、画像などのビジュアルで表現したもの、と捉えればイメージに合いそうです。

 そういえば、英語で「Police Stories」と複数形で表現するときは、新聞などでは「警察関係の記事」とか「警察ネタ」の意味で使われるようです。
ジャッキー・チェン主演の「Police Story」なら「警察物語」でしょうから、やはりStoryとStoriesでは若干違った意味合いになるのかもしれません。
 なぜ、SNSなどで流行っている「Stories」は、日本語になった時に単数形の「ストーリー」になってしまったんでしょうか?
広告宣伝などで商品やサービスの背景となる物語をよく「ストーリー」といいますが、それと混乱しそうですね。*注3

 話は変わりますが、少し前にインフルエンサー研究所が調査した結果によると、インスタでのストーリー利用者が増加しているようです。
ストーリーの視聴経験は約7割で、実際に投稿した人も約4割となっており、実際にリアクションをとったことがある人は約6割にのぼっています。
 企業のプロモーション担当者は、単に伝えたい情報が「届く」だけではなく、「反応」が帰ってくることがとても重要です。
このようなデータを見ると、ストーリーが十分に訴求力のあるツールとして、注目されているのも理解できます。*注4

 ストーリーは、一定時間経過すると投稿が自動的に消えてしまうというのも、大きな特徴です。
美しく見栄えの良い写真をいくつも構図を考えながら撮影するのは、楽しい一面もありますが、数が重なると大変です。
いわゆる「インスタ疲れ」のように、投稿自体おっくうになることもあります。
 それに比べて時間が経てば消えてしまうストーリであれば、気軽にさっとその場の気分や雰囲気で撮影・投稿することができます。
ストーリでの投稿は、ハードルが下がり負担が軽減する上に、リアルタイム性の高い情報を親しい友人と共有することができます。

 企業にとってみても、投稿ごとにリンクが貼れることや、プロモーション期間に合わせて自動的に消えてしまう特性はとても便利です。
タイムラインの投稿とは異なり、ユーザーのアクセス状況やアクションを把握し分析することも可能です。
 また、1投稿あたりのコストを下げて数多く作成することで、反応に対する変化を見ることもできるなど、多くのメリットが考えられます。
何より、タイムラインの記事やホームページの奥深くにしまいこまれた情報に比べて、ユーザーのアクセスが期待できるとなればなおさらです。

 24時間で自動消失する投稿というのは、おそらく「Snap Chat」が最初ではなかったでしょうか?
初めにその特徴を聞いた時には「なんの意味があるのだろう?」と不思議に思ったことを覚えています。
 当時の常識では、情報量が豊富でオリジナリティに溢れた魅力的なコンテンツを作ることが重要という認識でした。
いわゆる「ストック型」のHP制作などでよく言われていた手法です。

 しかしSNSが普及するようになると、「フロー型」の情報提供が重要視されるようになってきました。
それにしても投稿した内容が、タイムラインから消えてしまうというのは新鮮ではありましたが、これほど流行するとは思いませんでした。
 実際ツイッターやインスタ・フェイスブックなど、主要SNSがストーリー機能を実装しています。
ユーザーにとって親和性が高く、使いやすい特性であったことが証明されたと考えて良いでしょう。
 手軽・簡単・リアルタイム性など多くの特徴があり、これまでのSNSに不満を感じていた層の利用者が増えているということも普及の要因となっています。
 Googleは、モバイル利用での表示速度向上につながる「AMP」という技術をベースにして、より訴求力の高いストーリー機能にサービスを展開してきた、というのが今回の流れです。

新機能も続々、進化するストーリー

 ユーザーが増加し普及するにつれて、開発サイドもさまざまな工夫をし、新しい機能が追加されることでさらに利便性が向上してくるというのは世の常です。
 ストーリーについても同様で、本来消滅するはずのデータをコレクションのような形で保存する機能などが登場しています。
過去に投稿したストーリーの中からいくつかを選択し、自身のプロフィールページに表示する機能など、「消さない」使い方にも道を開いています。

 企業サイドでも、一定期間で消滅する性質をうまく利用し、漫画を一話ずつストーリーとして投稿するなど、新しいプロモーションに活用し始めています。
ストーリーは、ユーザーとの継続的なつながりを持つことができ、一度投稿すれば特にメンテナンスの必要もなく、コストメリットも高い有効なツールとして、これからも応用例が期待できそうです。
 このストーリー機能は、目まぐるしく変化するWebマーケティングの世界で、今一番ホットな分野といって良いかもしれません。*注5

【まとめ】
 ストーリーで表示される動画は、わずか6秒程度で次々に切り替わっていきます。
 以前、相手に要点を短くまとめて的確に伝える手法として「エレベーターピッチ」というものがありました。
時間を効率的に使うために、エレベーターで一緒になる移動時間程度の「約30秒」でプロモーションするというものです。
 また、6秒の動画を共有する「Vine」が登場した時は「ついに、一発芸が重視される時代になった」という感想を持ちました。

 しかしよくよく考えてみると、30秒のTVCMなどでも特徴的なフレーズやキャッチコピー、印象的な映像などはごくわずかな時間で表現されているものです。
 プロモーションの核となる部分を抽出し、凝縮させてユーザーに訴求するメッセージを作り出すテクニックが、ますます重要となったと言えます。
 Youtubeで採用されたCM機能や、今回の記事で取り上げたストーリーにしても、Vineと同じく6秒という時間が採用されています。これからは「6秒で表現する」ことが重視される時代になってくるのかもしれませんね。

 

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■参考文献
注1
Tech Crunch 「GoogleがiOSとAndroidの検索アプリに「ストーリー」機能を追加、まずは米国、インド、ブラジルから」
https://jp.techcrunch.com/2020/10/07/2020-10-06-google-adds-stories-to-its-search-app-for-ios-and-android/
Gigazine 「Googleアプリに「ストーリー」機能が登場、ビジュアル重視のカード型記事が大きく表示されるように進化」
https://gigazine.net/news/20201007-google-web-stories-discover/
注2
IT Media NEWS 「GoogleまでSnapchatのような「ストーリー」開始 AMPで」
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1802/14/news060.html
注3
英字郎on the Web 「Police stories」
https://eow.alc.co.jp/search?q=police+stories
注4 
Impress 「24時間後に自動で消えるInstagram Stories、20~40代女性の「視聴経験あり」は約7割【サイバー・バズ調べ】」
https://webtan.impress.co.jp/n/2017/12/21/27818
※ソースとなる調査報告ページ(サイバー・バズ)は現在は消去されている模様
注5
「キングダム」のインスタ利用法が画期的 ストーリーで漫画配信、1日で1万人フォロー
https://www.j-cast.com/trend/2018/02/06320610.html

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