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Unityが買収した「RestAR」とは|企業概要や技術について紹介

Unityは、ゲーム開発ツールやサーバーのホスティングプラットフォームなどを提供している企業です。
Fall GuysやApex Legendsなど、数多くの人気ゲームにUnityの技術が使われています。
そんなUnityが「RestAR」という企業を買収しました。
RestARは、企業名にもあるように、AR技術を持っている企業です。
今回は、RestAR企業概要や技術、Unityの今後について紹介します。

この記事を読むと以下の3つのことがわかります
①RestARの概要
②RestARの技術
③RestARを買収したUnityの今後

RestARとは*1~*4

まずは、RestARの企業情報を紹介します。

3Dモデルが簡単に作れる技術が売り

RestARは、3Dモデルを簡単に作れる技術を持っています。
たとえば、ECサイトで自社の商品を販売する場合、写真で商品を掲載することが多いでしょう。
3Dモデルで掲載すると、消費者は商品を360度見ることができ、より商品についての具体的なイメージが湧きます。
靴や財布などのファッションアイテムや、おもちゃ・家具なども、画像よりは360度自由に見られるほうが購入につながりやすいでしょう。

とはいえ、一般的に自社の商品を3Dモデル化するのは、手間と費用がかかります。
そのため、大手企業でないと3Dモデル化は難しいものだといえます。
そんな3Dにする作業を簡単にできるようにしたのが、RestARです。
詳しい技術については、後述します。

各賞の受賞歴もあり

RestARは、複数の賞の受賞歴があります。
たとえば、Rethinking Commerce 2019のコンペディションで1位を獲得したほか、2020年にはGlobal Startups Competition for Retail 2020でも1位を獲得しています。
また、Snapchatの公式クリエイティブパートナーとしても有名です。

リッチな3DモデルでECサイトの売上向上へ

新型感染症の影響で、EC利用が増えています。
その中で、「より店舗のショッピングに近い体験をECでもしたい」と考えている消費者は多いでしょう。
RestARの技術を使えば、商品を手に取るように見ることができるでしょう。
角度を変えたり、拡大や縮小も思いのままです。
そのほか、作成した3Dモデルを利用して、AR体験もできます。
画面上で自分の部屋の中に商品を置くことができるので、より商品購入後のイメージをつかむことができます。

ECサイトでこのような体験ができると、売上の向上が期待できます。
実際にRestARのサイトにも、以下のような記載があります。

・売上の50%増加
・返却率の35%減少
・CTRが5倍に増加

このような効果が、低コストで実現できるのがRestARの技術なのです。

イスラエルが拠点

RestARは、イスラエルの第2の都市であるテルアビブです。
テルアビブは、RestARのようなスタートアップ企業が多くあります。
イスラエルのスタートアップは海外から買収される事例も多くあります。
たとえば、Appleが2018年から2019年の間で、Cameraiという企業を買収しています。

RestARの技術とは*1

では、RestARの技術とは具体的にどのようなものなのでしょうか。

1分間のビデオ撮影で3Dモデル化

RestARでは、スマートフォンで1分間3Dモデル化したいものを撮影します。
ガイドに沿って360度撮影すると、4Kの3Dモデルが完成します。
専用のカメラは必要なく、スマートフォンで撮影可能です。
そのため、専用機材の購入がなく気軽に始められるといえるでしょう。

3Dモデル化したものは、サイト上に埋め込み可能

3Dモデルができたら、ECサイトはもちろん、インスタグラムやTwitterなどへ投稿することもできます。
ECサイトであれば、商品を360度眺めてもらい、商品の魅力を伝えるのに役立つでしょう。
また、AR機能を使えば、より実店舗での購入に近い体験を消費者にしてもらえます。
靴であれば、AR機能を使って実際に試着してみることが可能です。
家具であれば、実際に家具を置いてみた感じがわかります。

広告としても利用可能

RestARによれば、広告にも3D技術は有効だそうです。
3Dモデルを広告に利用すれば、より商品が際立つほか、CTRの向上にも役立ちます。
さきほども紹介したように、CTRが5倍増加するそうです。

RestARを買収したUnityの今後*2

RestARの買収により、Unityにはどのようなメリットがあるのでしょうか。
Unityのシニアバイスプレジデント兼GMのUnity Rhodesは、Business Wireの中で、以下のように述べています。

With the acquisition of RestAR, Unity is giving massive power to brands, retailers, and consumers by democratizing digital marketing for almost any product.
引用元:Unity Acquires RestAR to Enable AI-Based 3D Capture

まずは、「RestARを買収すること、Unityではでほぼ全ての製品のデジタルマーケティングが可能」だとしています。

What was once out of reach for those outside of large manufacturers and consumer products companies, is now available to businesses of any size looking for a tangible, effective way to market their products. We fundamentally believe anyone should be able to leverage Unity’s products and this acquisition is another step in that direction.
引用元:Unity Acquires RestAR to Enable AI-Based 3D Capture

さらに、予算や規模の有無にかかわらず、3Dコンテンツを利用することが可能になるとも述べています。
Unityの基本原則として、誰もがUnity製品を活用できることがあり、RestARはその基本に基づいたステップだとしています。

一方、RestARのCEOのBar Saraf氏は、以下のように述べています。

The COVID-19 crisis accelerated the expansion of retail and other industries towards new consumer behavior and digital transformation. Alongside Unity, which has already established itself as a leader in rendering 3D content across multiple industries, RestAR, combined with Unity Forma will be a visual content game-changer for businesses and marketers across industries.
引用元:Unity Acquires RestAR to Enable AI-Based 3D Capture

内容を簡単に紹介します。
現在、新型感染症によって、消費者の新しい行動がみられたり、デジタルトランスフォーメーションへ向けた動きを加速しています。
すでにいくつかの業界で、3Dコンテンツのレンダリングにおける地位を確立しているUnityに買収されることで、あらゆる業界のビジュアルコンテンツのゲームチェンジャーになりうる可能性があるとのことです。

Unityの規模感とRestARの技術が合わさり、誰でも3Dコンテンツを気軽に作成・利用できることが期待されているといえます。

◆まとめ
今回は、UnityがRestARを紹介しました。
RestARはすでにWixやHoka One Oneなどとも提携しており、EC分野で強みを発揮しています。
Unityに買収されることで、より多くの業界で技術が利用されることになるでしょう。

 

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◆参考URL
*1 RestAR – 3D Capturing & Product Visualization for E-Commerce
*2 Unity Acquires RestAR to Enable AI-Based 3D Capture
*3 世界から「スタートアップ国家」として注目を集めるイスラエル、その隆盛の理由とは? | Recruit
*4 Report: Apple quietly acquired Israel’s Camerai, formerly Tipit, a specialist in AR and camera tech

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