Unity(ユニティ)がVisualLiveを買収して起こる化学反応とは
この記事でわかること
・VisualLiveの概要
・Unity(ユニティ)がVisualLiveを買収した理由は?
・Unity(ユニティ)とVisualLiveが起こす化学反応とは
VisualLiveの概要
VisualLive社は、建設業でVR(仮想現実)やAR(拡張現実)を活用することを目指して設立されました。
AutodeskのRevitやNavisworksプラグイン、70以上の3Dファイル形式をサポートしているWebアップローダーインターフェースを使用することで、簡単にAR環境を作成できます。*1
作成されたAR環境は、VisualLiveアプリケーションを通じ、スマートフォンやタブレット、またはHoloLensヘッドセットにダウンロードすることができます。
では、実際にデモ画面を見てみましょう。
このデモはVisualLive社のホームページから、10日間の体験版としてダウンロードすることができます。*2
こちらはタブレットを使用した画面です。画面内には3DCADで作成した配管図が表示されています。
タブレットで図面の拡大や縮小、向きを変えるなど、あらゆる角度から見ることができます。
次にAR環境を見てみましょう。
なにもない公園にRevitで作成した家を建ててみます。
タブレットでは画面が小さいので縮小表示で全体が見えるようにしてみました。
こちらは70%ほどで表示したARです。
窓から外の景色が見えています。
ARで見た情報は、その場で修正することも可能です。3DCADやBIMで把握しきれない、現場での状況をリアルタイムで最適化することができます。
これにより、情報共有や現場とオフィスのコミュニケーションが可能になります。
VisualLiveはゼネコンやMEP事業者、石油/エネルギー、施工監査など世界中の1500以上の企業で採用されています。*3
また、設計から施工、現場検査、施工管理など、建設プロジェクトの様々な段階で活用されています。
Unity(ユニティ)がVisualLiveを買収した理由は?
Unity(ユニティ)についても簡単に説明しておきましょう。
Unity(ユニティ)はUnity Technology社が開発したゲームエンジンです。
ゲームの開発はWindowsやmacOS、Linuxで行うことができます。
簡単なプログラミングで画面上の各種オブジェクトを動かす、マテリアル(素材の質感)やライト(光源)を操作するなどが可能です。
作成されたゲームはパソコンだけではなく、スマートフォンやゲーム機、VRなどの様々なプラットフォームで実行できます。
このUnity、現在はゲーム分野だけにとどまらず、自動車、建設、医療、アートなど様々な業界で活用されています。*4
Unity(ユニティ)が建設分野に対応するために、2019年「Unity Reflect」という機能が追加されました。
これはBIM(Building Information Modeling)と連携できるツールで、2021年5月現在、Autodesk Revit、BIM 360、Navisworks、SketchUp、Rhinoのプラグインが用意されています。*5
このUnity Reflectを使うことで、BIMデータのVRによる3D可視化が可能になりました。
さらにVisualLiveを買収することで、VRのみならずARによる3D表現が可能になりました。
Unity(ユニティ)はVisualLiveの買収によって、建設業界でより存在感をアピールできるようになりました。
ユーザーにとっても、Unity ReflectやVisualLiveを活用することで、コスト削減、業務の効率化などが図れるようになります。
Unity(ユニティ)とVisualLiveが起こす化学反応とは
建設業において、施工管理やその後の運用管理には、実際に現場を見るプロセスが不可欠です。
従来のやり方は、印刷された図面やCADデータが表示された画面を見ながら、目視によるチェック作業を行ってきました。
しかし、この方法では、人為的ミスが発生しやすく、確認作業にも大幅な時間と費用がかかります。
Unity(ユニティ)が買収したVisualLiveのAR技術を活用すれば、現場と図面を「重ね合わせる」ことができ、設計通り施工されているかどうかがひと目で分かります。
これにより、確認作業の工数が大幅に短縮され、人為的ミスも少なくなるでしょう。
また、確認結果をリアルタイムにデータへ反映させることができるので、現場と設計者のコミュニケーションがスムーズに行われます。
現場の状況に合わせた修正や変更も双方向に行うことが可能になります。
【まとめ】
今回は、Unity(ユニティ)がVisualLiveを買収した経緯と今後の進展について考えてみました。
VisualLiveの買収は、Unity(ユニティ)が持っている建設業向けのソリューション「Unity Reflect」を補完し、設計、施工、運用プロセス全体で強力なコスト削減と効率化が実現されるでしょう。
Unity(ユニティ)とVisualLiveが協業することで、建設業界に新しい流れが生まれることになるかもしれません。
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参考URL
About-Us | VisualLive *1
https://visuallive.com/about-us/
https://visuallive.com/ *2
Customers using VisualLive Augmented Reality Solutions *3
https://visuallive.com/customers/
様々に広がるUnityの世界 | Unity Learning Materials *4
https://learning.unity3d.jp/4638/
Unity Reflect evolves into a suite of purpose-built applications for AEC *5
https://blogs.unity3d.com/jp/2021/04/22/unity-reflect-evolves-into-a-suite-of-purpose-built-applications-for-aec/