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Unity Reflectで広がるBIMデータ活用の可能性とは

BIMデータの活用は、多くの企業で進められている一方、そもそもBIMデータをどのように扱えば良いのかがわからない、BIMを扱える環境が整ってないなどの問題もあります。

このようなBIMデータ活用に関する課題を解消するために登場したのが、ゲームエンジンでおなじみのUnityが提供する「Unity Reflect」です。今回はそんなUnity Reflectの登場で、どのようにBIMデータの活用方法が変化していくのかについて、解説していきます。

①Unity Reflectについて
②BIMデータ活用の課題
③Unity Reflectで広がるBIMデータ活用の可能性
④Unity Reflectの導入で建築業界はどう変わるのか

Unity Reflectについて

Unity Reflectは、Unityが提供を開始しているBIMデータ運用のためのプラットフォームです。iOSやAndroidなどOSの種類を問わないのはもちろんのこと、タブレットやスマホ、PC、さらにはVRシミュレーターなど様々なデバイスでBIMデータを活用できる仕様となっています。従来に比べて遥かにBIMデータ活用の幅が広がるということで、大いに注目が集まっているサービスです。

AutodeskのBIMソフトであるRevitに正式対応しており、すでに既存環境としてRevitを使っている事業者にとっては、大きなメリットを享受できるサービスと言えます。

BIMデータ活用の課題

そもそも、Unity Reflectのようなサービスが登場する背景には、どんな理由があるのでしょうか。現状で懸念されているBIMデータ活用の課題について、ご紹介します。

運用環境が限定的

一つ目の課題が、BIMデータの運用環境はまだまだ限定的であるという点です。BIM導入のメリットは、情報共有を一つのデータで済ませられるという点にあるため、BIM環境を整備している企業が増えれば増えるほど、そのメリットは大きくなります。

ただ、現状ではまだまだBIMの運用環境はそこまで普及しておらず、ただデータを展開して確認するだけでもソフトを必要とするため、気軽に利用できないという課題を抱えています。BIMソフトは基本的にPC向けのソフトばかりであるため、タブレットやスマホからではBIMデータを扱いづらいという問題も抱えており、外回り営業や建設現場での活用機会は限定的になっています。

導入コストが高い

BIM環境を迅速に普及できない理由として、BIM環境の導入には多くの費用がかかるという点も挙げられます。Revitを初め、BIMソフトはどれもハイエンドな機能を備えている一方、それだけ費用も高く設定されています。そしてソフトの多くはサブスクリプション形式でのライセンス購入が必要となるため、年間当たり数百万円の運用コストがかかるケースも珍しくありません。
こういった継続的な負担を解消できるだけの規模が組織になければ、BIM導入は難しいと言えます。

人材確保・教育コストが発生する

三つ目の課題は、BIM環境に最適化された人材の確保です。BIMソフトやBIMデータはCADの発展的な技術ではありますが、それでも運用にあたっては専門的なスキルが求められます。これまでにCADを運用した経験がある人物であれば学習も容易ですが、全くの未経験の場合、BIMソフトを扱えるようになるためには時間と研修コストがかかります。

BIMソフトを扱える人物を外部から採用する場合も、人材確保に時間と費用を要するため、研修と同様にコストが発生します。BIM運用は必ずしもBIM環境を整備すれば実現できるわけではないのも、悩ましいところです。

Unity Reflectで広がるBIMデータ活用の可能性

このような課題を解消する上で、Unity Reflectは大いに力を発揮してくれます。ここで、Unity Reflectを導入することで得られるメリットについて、見ていきましょう。

あらゆるデバイスからBIMデータへアクセスできる

Unity Reflectの最大のメリットの一つが、あらゆるデバイスからBIMデータへアクセスできるという点です。OSやデバイスを問わず、BIMデータをどこからでも確認できるようになるため、BIMソフトを扱えなくともBIMデータを自由に確認可能です。

また、タブレットやスマホからでもBIMデータヘアクセスできるため、現場での作業支援や工事説明会でのプレゼンテーションに活用するなど、さらなるBIM活用のサポートにも役立ちます。

リアルタイムBIMを実現する

Unity Reflectが強みとしてアピールしているのが、リアルタイムBIMについてです*1。リアルタイムBIMとは、単一のBIMデータをUnity Reflectを通じて複数のプロジェクトメンバーがアクセスし、データを編集したり、フィードバックを提供したりできる環境のことを指しています。

これまではオフラインで顔を付き合わせなければできなかった作業が、オンライン上で行えるようになったことで、業務の効率化と多様な働き方の実現に大きく貢献しています。単一データを扱うため、複数の修正データが同時に存在してしまう心配もなくなるため、混乱発生のリスクを小さくするのにも役立ちます。

意思決定を高速化できる

オンライン作業が効率化し、データの管理もスリムになったことで、意思決定を高速化することも可能です。上層部や施工主に対して、BIMを使って感覚的に理解を促せるだけでなく、迅速に意見をデータに反映することも可能になります。

また、周辺地域の住民に向けた説明会においても、詳細な建物データをプレゼンテーションで紹介できるため、同意を得やすくなるという効果も期待できます。

Unity Reflectの導入で建築業界はどう変わるのか

Unity Reflectの導入はBIMデータ活用の機会を増やすことにつながります。BIMデータが普及すれば、建築業界にも大きな影響を与えることになるはずです。

工期の短縮

例えば、プロジェクト完成のためのスケジュールを、大幅に短くすることが可能です。設計図面は同一のものを使い、修正作業も共同編集で行うため、設計作業の短縮につながります。施工主や周辺住民の同意もスムーズに得られ、施工段階においても正確な3Dデータを扱える上、BIMデータを活用したロボットなどを導入できるため、業務効率化に繋がります。

より洗練されたプロジェクトの実現

Unity Reflectを導入することで、プロジェクトメンバーの意見をスムーズかつ正確に取り入れることが可能となるため、プロジェクトにおける共通理解を深め、プロジェクトをより洗練させることにもつながるでしょう。これまでは時間や予算などの都合から、妥協を重ねてくることも多かったものが、Unity Reflectによって妥協なく、イメージ通りに情報を伝えられるようになることで、より洗練されたプロジェクトに発展させることができるでしょう。

おわりに

Unity ReflectはBIMデータ活用をさらにワンランク上に導いてくれる、重要なプラットフォームとして期待ができます。導入ハードルは低く、今後も多くの企業で活躍が期待できるサービスとなっています。

BIMデータ活用に興味はあるが、まだまだノウハウも予算も十分ではないという方にも使える、優しいサービスと言えるでしょう。

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*1 Unity「Unity Reflect の Autodesk Revit プラグイン」
https://unity.com/ja/pages/unity-reflect-revit

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