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iPhoneの最新撮影技術「ProRes」を最大限生かすために知っておきたいこと

今や毎年恒例となった新型iPhoneの登場ですが、2021年モデルであるiPhone 13は、特に映像表現や撮影能力の高さが話題になっています。

中でも注目を集めているのが、「ProRes」と呼ばれる最新の撮影技術に対応している点です。今回は、ProRes対応のiPhone 13を有効活用するために知っておきたい情報を、まとめてご紹介します。

①ProResとは
②ProResの実装状況について
③ProRes実装でできること
④iPhoneでProRes運用を実践する際のポイント

ProResとは

まずは、今回導入されることとなったProResと呼ばれる技術について、確認しておきましょう。ProResはAppleが提供している独自のコーデックで、ハイエンドな映像編集を可能にしてくれる技術です。ProResで収められた映像は、SDからHD、4Kから5Kに至るまで、フル解像度であらゆるフレームサイズに対応が可能です。

これまでProResはプロフェッショナル向けの映像機材での運用を想定して採用されてきたため、専門性の高いユーザーにしか馴染みのない技術でした。しかしiPhone 13シリーズはProRes対応の撮影が可能になるということで、ついにスマホを使って本格的な映像撮影を行える時代が到来したと話題になりました。

ProResとProRes RAWの違い

ProResには通常のProResと、ProRes RAWという二種類の形式が存在します。通常のProResは、ビデオ制作やポストプロダクションに関わる人たちの中で一般的に使用されているコーデックで、ハイエンドな編集を実施するために活躍しています。

一方のProRes RAWは、デジタル一眼レフなどで撮影されるRAW画像データにProRes独自の圧縮技術を採用したものです。RAWデータもフォトグラファーなどの間では一般的な質の高いデータ形式ですが、ここにProResの柔軟性を加えた便利な形式して採用されつつあります。

ProResもProRes RAWもまとめてProRes技術として扱われていますが、対応製品については微妙な差があります。Appleの公式サイトにはそれぞれの対応製品が掲載されているため、あらかじめ確認しておくと混乱を未然に防ぐことができます。

公式サイト:https://support.apple.com/ja-jp/HT200321

ProResの実装状況について

続いて、ProResの実装状況について確認しておきましょう。iPhone 13シリーズに実装されるということで話題になったProResですが、どんなサービスに実装が進められているのでしょうか。

iPhoneへのProRes対応は年内後半が濃厚

まず、肝心のiPhoneに対するProRes対応ですが、発売時点での実装は行われていません。正確な実装時期についても未定となっていますが、2021年内にはアップデートにて対応するとされています*1。

また、ProResの実装はiPhone 13 Pro、及びPro Maxに限定した機能となっているため、通常のiPhone 13での利用はできない見込みです。2022年以降のモデルについては不明ですが、高精度なカメラとの併用が前提となっているので、ProResを活用したい場合には今後もProモデルの購入が必要となるでしょう。

ProRes対応の製品について

ProResは元々プロフェッショナル向けの機能として開発された経緯もあり、スマートフォン以外にもさまざまなシーンで見受けられます。例えばApple純正の編集ソフトであるFinal Cut Proでの利用はもちろん、Adobe製品やAutodesk製品での運用も可能です。また、AWSでの運用にも対応しているなど、多くのクリエイティブソフトにおいて採用されていることがわかります。

今日の最新環境で映像編集などを行っている場合、手持ちのソフトの多くがProResに対応していることとなります。運用前に、一度確認しておくと良いでしょう。

iPhoneへのProRes実装でできること

ProResの技術はハイエンドな現場で採用されてきましたが、今回はiPhoneでもそれらを利用できるということで、注目を集めています。ここでは、iPhoneでこれらの技術を利用できるようになることで、どんなメリットが得られるのかを確認しておきましょう。

忠実性の高い最大30フレーム/秒の4K映像をスマホで撮影可能

まず、ProRes対応のiPhoneが登場したことで、プロ向けのカメラを使った時のような忠実性で映像を撮影できるようになります。4K映像が撮影できることはiPhoneでも少し前のモデルから対応していましたが、実は映像データとして編集する際、ある程度の劣化が発生していました。

しかしProResのフォーマットにiPhoneが対応したことで、最大30フレーム/秒の4K映像でも撮影した時のままの忠実性を残し、映像を完成させることが可能です。これまでスマホでの映像撮影における難点とされてきた、データの劣化を抑えることに成功したのです。

これによって、本格的なプロ向けの撮影も、いよいよiPhoneで行うことができるようになりました。Youtuberやビデオブロガーなど、映像クリエイターとして活動している人たちにとっては大きなアップデートとなるでしょう。

編集の効率性アップ

ProResフォーマットは巨大な映像データを扱うことになる一方で、編集環境では軽快に動作するとされています。リアルタイムでマルチストリーム編集が可能なパフォーマンスを実現し、抜群の画像品質と保存時のサイズの小ささを両立します*2。

映像編集をプロレベルで行うためには、ハードウェアも相応のデータの大きさに対応できなければなりませんが、ProResであればそんな負担も軽減できるのが強みと言えるでしょう。

iPhoneでProRes運用を実践する際のポイント

最後に、iPhoneでProResを効果的に運用する上で、最低限理解しておくべきポイントもご紹介しておきます。

シネマティックモードや写真フィルターと併用する

一つ目は、iPhoneの多彩な撮影機能をフル活用するという点です。iPhone 13シリーズはProRes対応だけでなく、レンズ性能などが向上したことで、シネマティックモードや豊富な写真フィルターなどを搭載しています。

これらの撮影方法を駆使することで、高度な設定もワンタッチで実現し、奥行きのある本格的な映像を収められます。ProRes実装前にこれらの機能をよく理解することで、最新の映像フォーマットをフル活用できるよう備えておきましょう。

容量には余裕を持たせておく

また、ProResは比較的軽量に扱える形式であるとはいえ、やはり通常の映像ファイルよりは重くなる傾向にあります。PCやスマホのストレージに保存していると、大きく圧迫する要因となるため、ストレージを拡張するか、iPhone購入の際に容量の大きなモデルを選ぶことをおすすめします。

おわりに

今回は、iPhone 13シリーズに実装される映像フォーマットのProResについてご紹介しました。ProResは最前線の映像編集の現場で採用されている技術で、スマホに搭載されるようになれば、よりハイエンドな撮影がみじかになることが期待できます。

さらに質の高い動画クリエイターの登場や、新しい映像技法の登場を後押しすることになるかもしれません。

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*1 Gizmodo「iPhone 13 Pro/Pro Max、発売日にはProResで撮影できない」
https://www.gizmodo.jp/2021/09/iphone-13-pro-prores.html
*2 Apple「Apple ProRes について」
https://support.apple.com/ja-jp/HT202410

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