1. TOP
  2. ブログ
  3. OKIとNTTコミュニケーションズの事業共創がもたらす新たな製造業DXとは?

OKIとNTTコミュニケーションズの事業共創がもたらす新たな製造業DXとは?

製造業は国内の主要産業でありながら、デジタルトランスフォーメーション(DX)の遅れが指摘される領域でもあります。製造業DXに参与する企業の数は増えており、大手企業同士の協業も進んでいます。

今回はソフトウェア企業の沖電気工業株式会社(OKI)とNTTコミュニケーションズ株式会社(NTT Com)の事業共創プロジェクトに注目しながら、両社が目指す製造業DXのあり方について、ご紹介します。

目次:

  1. OKIとNTTコミュニケーションズが共同で取り組む製造業DXについて
  2. OKIの「Manufacturing DX」とは
  3. NTT Comの「Smart Data Platform(SDPF)」について
  4. 事業共創が製造業にもたらす価値とは
  5. 事業共創で担う両者の役割
  6. OKIの製造業DX事例
  7. NTT Comの製造業DX事例

OKIとNTTコミュニケーションズが共同で取り組む製造業DXについて

沖電気工業株式会社とNTTコミュニケーションズ株式会社は、2022年3月に製造業のDXを支援するソリューション提供に向けた事業共創を開始することを発表しました*1。OKIの製造DXソリューション「Manufacturing DX」とNTT Comのデータ利活用基盤「Smart Data Platform」を連携することで、サプライチェーンの高度なリスク管理を実現する取り組みです。

データ活用の進展に伴い、より高度なITの運用体制が求められるようになってきました。設備の老朽化はもちろんのこと、不正アクセスや情報流出といったサイバーセキュリティの問題、そして自然災害のような重大なインシデントは、「いつか起こるもの」と想定する必要が出てきています。

高い対応能力をあらかじめ備えておくことで、万が一の事態にも柔軟に対応し、被害を最小限にとどめられるだけでなく、日常業務の生産性向上にも役立てられることから、その必要性が叫ばれています。

OKIとNTT Comの協業によって、製造業に特化したサプライチェーンソリューションの大幅な改善が期待されています。

OKIの「Manufacturing DX」とは

OKIとNTT Comの事業共創を理解する上では、それぞれの会社が提供するソリューションについての理解を深める必要があります。

まずOKIのManufacturing DXですが、これはスマート工場の実現を支援するための一貫したソリューションパッケージです。ITオペレーション、経営マネジメント、そして現場設備の3つの変革を実現することで、各工場のスマート化を促進します。

NTT Comの「Smart Data Platform(SDPF)」について

NTT Comが提供するSmart Data Platformは、企業内部に点在するデータをシームレスに結びつけることで、企業データの有効活用を促すプラットフォームです。データの収集や蓄積、活用に必要な機能を実装し、安全性の高い通信環境や保管場所を確保することで、高度なDX環境の整備をもたらしてくれます。

事業共創が製造業にもたらす価値とは

今回のOKIとNTT Comの事業共創が目指す目的として、製造業におけるサプライチェーンリスクの解消が挙げられています。この目標は、以下の3つのリスクを順に解消することで達成できるとしています*2。

ステップ1-1:生産現場リスクの解消

リスク解消のファーストステップとして、生産現場におけるリスクの解消が挙げられます。生産性の低下や品質の悪化を回避するべく、生産現場の見える化を進め、生産技術コンサルを採用した生産プロセスの改善に取り組みます。

ステップ1-2:全社リスクの解消

生産現場リスクの解消と合わせて、会社全体のリスク解消にも取り組みます。工場や本社における人材不足、設備の老朽化やPSI(生産・販売・在庫)のアンマッチを解消するため、現場と会社の状況が一元的に把握できる管理体制を整備します。

ステップ3:サプライチェーンリスクの解消

最後のステップとして、サプライチェーンリスクの解消が挙げられます。S&OP(販売業務計画)のアンマッチや供給網の停止、コンプライアンス違反といったリスクを回避するべく、企業間データ連携を強化するとともに、統合環境の可視化を進めます。

事業共創で担う両者の役割

今回のプロジェクトにおいて、OKIとNTT Comはそれぞれの強みを生かした役割を担います。

OKIの役割

OKIが事業共創において担うのは、工場DXにおけるノウハウの提供です*3。これまで製造業DXを「Manufacturing DX」活用して実施してきた経験を活かし、最新のサプライチェーン構築に向けた技術供与を進めます。

また、OT(オペレーショナル)データの収集システムの構築にも携わり、データ活用の改善を推進します。

NTT Comの役割

NTT Comが実施するのは、導入企業におけるリスクマネジメント強化のためのコンサルティング、及び「SDPF」をはじめとする分析ソリューションの提供です*4。技術の提供だけでなく、コンサルティングを通じて意思決定やDXの方向性についてもアドバイスを行い、ツール導入に止まらないDX推進を促します。

OKIの製造業DX事例

OKIのManufacturing DXを活用した製造業DX事例として、アズビル株式会社のケースが挙げられます*5。作業の標準化や、需要変動の激しい少量・多品種混流の生産ラインにおける作業者への教育効率化を進めるべく、組立ライン連携IoTソリューションを導入しました。

従来数ヶ月を必要とする作業員の教育は、ソリューション導入によってほぼゼロに改善することができ、グローバル生産に向けた標準化を瞬く間に進めることが実現しています。

NTT Comの製造業DX事例

NTT Comにおける製造業DX事例としては、横河ソリューションサービス株式会社への「AIプラント運転支援ソリューション」導入が挙げられます*6。プラント運転の人材不足が深刻になる中、運転技術の継承が滞っており、早急な人材の拡充が望まれている中、NTT Comが実現したのがAIによるプラントの運転支援です。

現場運転員の知見をモデル化することで、運転員に対して推奨数値をリアルタイムで提示し、経験の浅い運転員でも優れた操縦を可能にしてくれます。

まとめ

OKIとNTT Comは、いずれも製造業DXに携わってきた経験が豊富で、優れた実績を残してきました。技術革新に伴うサプライチェーン改善を実現する今回の事業共創プロジェクトも、国内の製造業にとって大きなサポーターとなり、DXを飛躍的に進めてくれる可能性を秘めています。

大手ゼネコンBIM活用事例と 建設業界のDXについてまとめた ホワイトペーパー配布中!

❶大手ゼネコンのBIM活用事例
❷BIMを活かすためのツール紹介
❸DXレポートについて
❹建設業界におけるDX


▼キャパの公式Twitter・FacebookではITに関する情報を随時更新しています!

参考:
*1 NTTコミュニケーションズ「ニュース 2022年3月10日:OKIとNTT Com、製造業のDXを支援するソリューションの提供に向けた事業共創を開始」
https://www.ntt.com/about-us/press-releases/news/article/2022/0310.html
*2 上に同じ
*3 上に同じ
*4 上に同じ
*5 OKI「アズビル株式会社様」
https://www.oki.com/jp/case/2021/azbil.html
*6 NTTコミュニケーションズ「AIにより手動オペレーションが不可欠な運転を支援する「AIプラント運転支援ソリューション」を化学プラントに導入し実証実験に成功 」
https://www.ntt.com/about-us/press-releases/news/article/2021/1007.html

    ホワイトペーパーフォームバナー

    【DL可能な資料タイトル】

    • ・プログラムによる建築/土木設計のQCD(品質/コスト/期間)向上
    • ・BIM/CIMの導入から活用までの手引書
    • ・大手ゼネコンBIM活用事例と建設業界のDXについて
    • ・デジタルツイン白書
    • ・建設業/製造業におけるデジタルツインの実現性と施設管理への応用

    詳細はこちら>>>

    PAGE TOP