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Google Cloudの新クラウドサービス「BigLake」登場の背景や期待される効果とは

デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する上で、クラウドサービスの存在は欠かせません。近年はGoogleが提供するクラウドプラットフォーム「Google Cloud」の存在感が大きくなっていますが、同プラットフォームにて新たに「BigLake」と呼ばれるクラウドサービスが登場しました。

今回は、BigLakeの概要や登場の背景、そして導入によって期待できる効果について、ご紹介します。

目次:

  1. Google「BigLake」の概要
  2. データレイクとデータウェアハウスの違い
  3. BigLake登場の背景
  4. BigLake導入で得られるメリット

Google「BigLake」の概要

Google「BigLake」は、2022年4月にGoogleが新たに公開したクラウドサービスです*1。システム上のデータレイクとデータウェアハウスを統合するためのAPIで、データ運用の効率化を促してくれます。4月現在、BigLakeはプレビュー版の提供を行なっており、マルチクラウド環境の効率を高める存在として、改善が加えられていく見込みです。

データレイクとデータウェアハウスの概要・違い

BigLakeをより深く理解し、最大限活用するためには、まずデータレイクとデータウェアハウスについて、よく理解しておく必要があります。これらは似たような言葉ではありますが、その役割や機能は異なります。

データレイクとは

データレイクは、テキストデータや画像データ、音声データといったあらゆる種類のデータを、そのまま放り込んでおける格納庫のような存在です。データを表に落とし込む必要がなく、非構造化された状態でデータを保管できるため、データ保管に伴う負担を軽減したり、必要に応じてデータを柔軟に変換できるという特徴を備えています。

データウェアハウスとは

データウェアハウスは、データを表に落とし込む、つまり構造化した状態でデータを保管するための格納庫です。一定のフォーマットに従ってデータを加工し、保管しておくことができるので、データの検索性に優れ、迅速に必要な情報を引き出すことができます。また、データの更新情報を記録し、変更履歴などを記録することも可能なので、長期的にデータを活用したい場合にも役立つ仕組みです。

データレイクとデータウェアハウスの相違点

データレイクとデータウェアハウスの大きな違いは、保管データが非構造化データか、構造化データかという点です。データレイクは非構造化データを保管する格納庫であるため、データ加工の必要がなく、データの柔軟性も高い一方、フォーマットが統一されていないためにデータの検索が困難です。一方でデータウェアハウスは構造化データを扱う格納庫で、検索性に優れ、データ管理を行いやすい特徴を備えています。ただ、データ加工に伴いデータ量が大きくなり、キャパシティを圧迫しやすい問題や、データを構造化するための加工負担が発生する点が難点とされています。

BigLake登場の背景

上記のような問題に合わせ、データ活用が普及するにつれてさまざまな問題やリスクにも注目が集まることとなりました。

データ活用の高度化・肥大化

1つ目の課題が、データ活用の高度化や肥大化です。AIやディープラーニング技術の登場は、作業を効率化し、飛躍的な生産性向上を促す大きな転換点となりました。その一方でこれらの技術開発には膨大なデータを必要とし、ビッグデータと呼ばれるような巨大なデータ群の解析も不可欠になっています。

このような莫大なデータを扱う必要が出てくると、従来のファイルサーバーでは容量が足りない、あるいはデータが多すぎて、管理の目が行き届かないという問題にもつながります。

管理できない量のデータを扱っていると、情報セキュリティやサービスの品質にも問題が出てくることから、容易にデータを活用できません。

「サイロ」の出現に伴うITガバナンスやセキュリティの問題

情報量が増加し、ITシステムをフル活用するようになった現代では、「サイロ化」と呼ばれる問題も噴出しています。サイロ化とは、一企業の部門間で情報共有やシステムの統一が行われず、個別にITを活用している状況を指します。

サイロ化が進むことで、情報共有の遅れやマネジメントに不具合が発生し、重大なITリスクの増大や業務効率の低下を招くとして、懸念されています。

IT人材の不足

労働人口が不足しているだけでなく、ITのスキルセットを持った人材が不足していることも、BigLake登場の背景と言えます。データ管理のような作業労働に希少なIT部門の人間を割いている余裕がある企業は少なく、既存人材をフル活用するためにも、システムの効率化を図ることで課題を解消しようという動きが盛んです。

BigLake導入で得られるメリット

BigLakeの導入は、以下のようなメリットをもたらすとして大きく期待されています。

サイロ化を回避できる

BigLakeの導入は、企業のサイロ化の回避に貢献します。複数のクラウドサービスを統合環境に移行させられるので、別個のサービスを利用している部門間での連携を実現します。

ストレージ形式やシステムにとらわれないデータ分析が可能

BigLake下にあるデータはシームレスに運用、連携が可能となるため、データ加工や移動の負担が発生することはありません。BigLakeから直接データをシステムに読み込ませ、AI開発や分析・予測を算出可能です。

セキュリティ対策とITガバナンスの強化ができる

クラウド上の全てのデータストレージを一つのシステムの下で管理できるため、目が行き届かないデータの発生を防ぎ、情報流出や不正アクセスのリスクを大きく減少できます。

一つのITシステムのもとでデータの動向を管理できるので、ITガバナンス強化を実現可能です。

AI活用など高度なデータ活用を促進できる

データ分析に伴う余計な作業労働や加工の負担が解消されることで、ディープラーニングのような高度なデータ活用も促進できます。これまで不足していたIT人材を、管理ではなく開発部門にまわし、従来よりも分析・開発のスピードを加速させられるでしょう。

まとめ

Google Cloudは実に多くのクラウドサービスを展開していますが、BigLakeはそんな分散化したクラウドサービスの統合を進める上で、大きな役割を果たします。IT活用を進めたいが、ITガバナンスの低下や連携力の低下が懸念される場合には、BigLakeを積極的に導入することをおすすめします。

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参考:
*1 ZDNet Japan「Google Cloud、データクラウドの新サービスを発表–「BigLake」をプレビュー提供」
https://japan.zdnet.com/article/35185877/?msclkid=de852646cf3911ecac871719c156d3ae

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