【初心者向け】Inventorで断面図を作成する方法は?学習方法もご紹介
この記事を読むと、以下の3つのことがわかります。
1.Inventorの特徴について
2.Inventorで断面図を作成する方法
3.Inventorを勉強する方法
「Inventorで断面図を作成する方法がわからない」
「断面図の作成は簡単にできるのか?」
とお悩みの方へ。3DCADツールであるInventorでは断面図を簡単に作成できます。作成後はもちろん編集もできますし、断面図のみを表示することも可能です。
この記事ではInventorの利用を検討している方や導入したばかりの方に向けて、Inventorの特徴や断面図の作成方法、学習方法をご紹介します。
Inventorとは
Inventor とは、AutoCADなどCADツールで世界的なシェアを持つオートデスク社のツールです。機械設計用の機能に特化した3DCADツールで、機械設計や図面作成、シミュレーションなどが行える点が特徴です。
コラボレーションツールでフィードバックを共有できたりカスタム製品と自動化プロセスのニーズに対応したりでき、多くのエンジニアに愛用されています。さらにBIMとの相互運用性も高く、建築業界でも注目されているツールです。
公式サイトはこちら:
https://www.autodesk.co.jp/products/inventor/overview?term=1-YEAR&tab=subscription
主な機能としては3Dによる部品の作成、複数の部品の組立、3Dモデルから3Dの三面図作成やアニメーションの作成などです。
昨今では3Dプリンターの普及が進み、Inventorで作成したデータを3Dプリンターで出力して試作品の検証を行う企業も増えています。
オートキャド社のデータ形式である「DWG」は国内でも多く流通しており、他メーカーでも対応するケースが増えてきました。InventorももちろんDWGへの書き出しが可能です。
オートデスク社のツールであるInventorは、AutoCADとの強力な連携もできます。AutoCADを利用している企業は国内でも多く、関係者と手軽にデータ共有ができる点が魅力です。
また大規模アセンブリや構造解析などのパワフルな専門分野機能、設計者が使いやすい計算機能やデータ管理など操作性が高く、ものづくり業界において支持されているツールの1つです。
【5パターン】Inventorで断面図を作成する方法
機械設計ではより詳細に表現するには対象物の内部構造、つまり「断面図」が欠かせません。Inventorにももちろん断面図を作成する方法はありますし、深さのないスライス表現も可能です。
ここではInventorで断面図を作成する方法について、5つのパターン別に手順をご紹介いたします。「Inventorでは断面図を簡単に作成できるの?」「どんな断面図を作成できるの?」とお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
1.断面図を作成する方法
まずは基本の断面図を作成する方法からご紹介します。(※1)
l Inventorのメニューバーから[断面]を選択
l 断面図を作成したいオブジェクトを選択してカーソルを合わせる
l 断面図を作成したい部分の外側をクリックする。カーソルが十字マークになるため、ドラッグして切断線を引く
l 切断線を引き終わったら右クリックメニューの[続行]を選択。[断面図]ダイアログボックスが表示され、尺度などを選択する
l 断面図ダイアログボックスの[OK]をクリックして任意の場所を選択すると、断面図が表示される
Inventorでは断面図も上記のような少ない手順で作成できます。
2.切断線を編集する方法
切断線の設定を間違えてしまった、または断面図の長さや角度を修正したい場合は、切断線を編集することで解決できます。(※2)
l 切断線を右クリックしてメニューから[編集]を選択する
l スケッチ編集に入るため、[拘束]グループから切断線を水平または垂直に拘束する
l 終わったら[スケッチを終了]をクリックして完了
3.断面部分のみを表示する方法
ハッチングがかかった断面部分のみを表示するには、以下の2つの方法があります。(※3)
1. 断面図を作成するときに設定する
最初から断面図のみを表示させる方法です。
l 断面図を作成する際、[断面図]ダイアログボックスの[スライス]グループにて、「スライスを含める」と「パーツ全体をスライス」にチェックを付ける
l [OK]で閉じると断面図のみが表示されます
2. 断面図を作成した後から変更する
Inventorでは断面図を作成した後から断面部分のみを残すこともできます。
l 断面図を右クリックして[断面特性を編集]を選択
l ダイアログボックスから、「スライスを含める」と「パーツ全体をスライス」にチェックを付けて[OK]で閉じる
状況に合わせ、上記2つの方法から適切な手順を選んでいきます。
4.半断面図を作成する方法
Inventorのスライス機能により、半断面図も作成できます。(※4)
l [表示]グループの[外観]をクリックして、[半断面図]を選択
l 切断面を「平面」または「指示平面」から選択する
l 右クリックメニューから[断面を反転]をクリックする。(切断面の方向は変更できます)
l 平面をドラッグまたはフィールドに値を入力して、位置を変更する
l [続行]をクリック
l 右クリックから、[OK]を選択。[反転]-[仮想移動]-[断面平面1]を選択して完了
[外観]パネル内の断面図タイプは、半断面図のほかに4分の1断面、4分の3断面もあります。操作方法は[半断面図]と同じ手順です。
5.スライスの作成方法
Inventorには、図面ビューの一部を深さゼロの断面として表示するスライスビュー表示も可能です。断面図と合わせてこちらもご紹介します。(※5)
l スライスを作成したいオブジェクトを選択して、[ビューを配置]-[スケッチ]-[スケッチを開始]をクリック
l [線分]などでスライスしたい位置で作成してスケッチを終了する
l [ビューを配置]-[修正]-[スライス]をクリックして完成
Inventorを効果的に使う方法
機械設計業務においてInventorを効果的に使うには、「Auto CAD」や「Fusion」オートデスク社のツールを掛け合わせる方法がおすすめです。
たとえばスケッチをAuto CADで作成してInventorに取り込み、モデリングするといったこともできます。複雑な形状の設計ならクラウドベースの「Fusion」で作成し、Inventorに取り込み組み立てるといったことも可能です。
オートデスク社のツールならデータの互換性がきわめて高く、より高品質な設計業務が行えます。
Inventorの学習方法
Inventorは日本向けの公式ドキュメントが少なく、学習方法に悩む人も多いものです。Inventorを学習するなら、以下の方法が挙げられます。
・オートデスク社公式の「サポートとラーニング」を活用する
・公式のYouTubeを活用する
・オンラインスクールを利用する
オートデスク社のWebサイトでは、Inventor公式の「サポートとラーニング」にてリリースノートや様々な手順を公開しています。Inventorを使うにあたり、一度は目を通しておいた方が良いでしょう。
サポートとラーニングはこちら→
https://knowledge.autodesk.com/ja/support/inventor?sort=score
またオートデスク社では公式のYouTubeアカウントがあり、チュートリアルを公開しています。日本版のアカウントもあり、手軽に視聴できるのでおすすめです。
オートデスク社公式アカウントはこちら
https://www.youtube.com/user/autodeskmfgonline1/videos
残念ながら英語版のみですが、Inventorの公式アカウントもあります。多くのチュートリアルが公開されているので、興味がある方はぜひチェックしてみてください。
Inventor公式アカウントはこちら
https://www.youtube.com/user/autodeskmfg
Inventorを1からしっかり勉強したいという方は、オンラインスクールを受講するのもいいでしょう。国内のオンラインスクールでもInventorを取り扱っているケースはあります。
Inventorを使い始めた方に向けて、断面図の作成方法や学習方法をご紹介しました。Inventorは専門的なツールなので学習方法が限られており、「操作になかなか慣れない」「手順を学ぶ方法が見つからない」と悩む人も少なくありません。
今回は断面図の作成方法に特化して解説しましたが、「もっとInventorの操作方法を知りたい!」という方は、ぜひご紹介した学習方法を参考にしてください。
建築・土木業向け BIM/CIMの導入方法から活用までがトータルで理解できる ホワイトペーパー配布中!
❶BIM/CIMの概要と重要性
❷BIM/CIM導入までの流れ
❸BIM/CIM導入でよくある失敗と課題
❹BIM活用を進めるためのポイント
についてまとめたホワイトペーパーを配布中
▼キャパの公式Twitter・FacebookではITに関する情報を随時更新しています!
参照サイト:
※1 https://knowledge.autodesk.com/ja/support/inventor/learn-explore/caas/CloudHelp/cloudhelp/2022/JPN/Inventor-Help/files/GUID-B3D7ED2B-06D4-479E-81F0-D2A8F494FFF9-htm.html
※2 https://www.inventor-navi.net/trouble-shooting/4604/
※3 https://knowledge.autodesk.com/ja/support/inventor/learn-explore/caas/sfdcarticles/sfdcarticles/kA93g00000012yq.html
※4 https://knowledge.autodesk.com/ja/support/inventor/learn-explore/caas/CloudHelp/cloudhelp/2022/JPN/Inventor-Help/files/GUID-9A47D4FC-30CE-422D-86EC-5E4AFC624C2D-htm.html
※5 https://inventorroom.net/con_drawing4.html