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米国のトランプ前大統領が立ち上げたSNS「Truth Social」を巡る議論と知っておくべきこととは

SNSは大きな影響力を発揮する反面、フェイクニュースの温床となるなど、社会に悪影響を与える可能性もあります。米国のトランプ前大統領は、表現の自由を求めて新たなSNS「Truth Social」を立ち上げましたが、利用に当たっては懸念点もあります。

この記事では、新たにスタートしたSNSであるTruth Socialの概要や、なぜトランプ前大統領がSNSを立ち上げるに当たって論争が巻き起こっているのかについて、解説します。

目次:

  1. Truth Socialとは
  2. Truth Socialの強み
  3. Truth Socialのトラブル報告について
  4. トランプ前大統領とSNSを巡る議論
  5. Truth Socialは信用できるサービスなのか?

Truth Socialとは

Truth Socialは、2022年2月よりリリースされた新しいSNSで、TwitterやTumblrといったテキストを主体としたサービスを特徴としています。Twitterでは議論されにくいトピックを扱うことを目的としており、アメリカのトランプ前大統領がその立ち上げに関わっていることで話題となりました。

トランプ前大統領は、度重なる陰謀論の展開やフェイクニュース拡散の温床となっていたことなどに起因して、Twitterのアカウントを凍結されています。このような事態を受け、アメリカの保守層やトランプ支持者を中心としたSNSの表現の自由を求める活動が活発化した結果、Truth Socialの誕生に至っています。

Truth Socialの強み

Truth Socialは、Twitterとは異なり誰にでも開かれた言論の場であることを強みとしています。Twitterは民間企業が運営する、私的なSNSであるため、極端に言えば企業の一存により個人の利用を制限したり、活動を阻害したりすることは難しくありません。

しかし、Truth SocialはオープンソースのプラットフォームであるMastodonをベースに構築されたSNSであるため、個人や企業の一存で投稿が削除されたり、アカウントが消去されたりすることはないとしています。

思想や性別、個人の都合にとらわれないSNSというのが、Truth Socialの最大の強みと言われています。

Truth Socialのトラブル報告について

このような特徴を踏まえると、Truth Socialは極めて優秀かつ自由なインターネットを体現するようなサービスであるように見えますが、その実態は理想とは離れたものであることも指摘されています。

サービスとしての基本的な基盤を確保できていない問題

Truth Socialは2022年2月にリリースされたSNSですが、公開当初はさまざまなトラブルが報告されていました。

アプリにアクセスするまでには長時間ウエイトリストの中で待たされ、Twitterのように手軽に利用することが極めて困難であっただけでなく、アプリをダウンロードした人の中にはなんらかのエラーでアカウントが作れなかった、というケースも多数報告されています*1。

TwitterなどのSNSを競合と想定するアプリであれば、多数のユーザーがアクセスしても不便のない安定性は、大前提として保証されるべき要素です。このようなユーザビリティの至らなさもあり、リリースから半年以上が経過した今でも大きな存在感を得ることができていません。

アメリカの保守層をターゲットにしたサービス

また、Truth Socialは開かれた言論の場であることを標榜しているものの、TwitterやFacebookから追放された、トランプ前大統領が立ち上げを先導したSNSということもあり、アメリカの保守層向けのサービスであるとも考えられています。

トランプ前大統領とは距離を置きたいユーザーにとって、Truth Socialが魅力的に見えるかといえばその可能性は低く、既存のSNSを使ったインターネット利用を選ぶはずです。

そのため、Truth Socialは万人に開かれているサービスとしてはいますが、実際には保守層や陰謀論を好むユーザーコミュニティの形成を促し、よりインターネット上の分断を深くさせるかもしれません。

トランプ前大統領とSNSを巡る議論

トランプ前大統領がTruth Socialを立ち上げることとなった背景には、トランプ前大統領とSNSの間でどのようなトラブルがあったのかを把握しておかなければなりません。

TwitterやFacebookといった、同氏が愛用していたSNSを追放されることになった大きな事件として、2021年1月6日にアメリカの連邦議会議事堂襲撃事件が挙げられます。

大統領選挙の結果、当時の対立候補であったジョー・バイデン現大統領に敗れたトランプ氏は「選挙結果を不正に操作された」という主張を根拠もなく繰り返し、それを見た人々を混乱に陥れました。

このトランプ前大統領の発言に感化された保守層の過激派は、議会議事堂を選挙すべく暴力的な手段に打って出ましたが、この際にトランプ氏は彼らを扇動するような投稿をしたとして、Twitterアカウントの永久凍結、そしてFacebookなどの他のSNSからも凍結を受け、事実上の追放処分となりました*2。

SNS追放という処分を受けたトランプ氏ですが、このSNSの追放処分という処遇に対しても不満を表明し、新たにTruth Socialと名付けられたSNSの立ち上げに至ったというわけです。

Truth Socialは信用できるサービスなのか?

上記のような背景から誕生したTruth Socialですが、結論から言うと、TwitterやFacebookなど、既存のSNSに比べてその信頼性は決して高くないと言うのが現状です。

上でも紹介した通り、Truth Socialは未だ安定したサービスを提供できる基盤が整っておらず、何万というユーザーを同時に処理できるほどのキャパシティは確保できていません。そのため、既存のSNSほどの充実した使用感は期待できないでしょう。

また、オープンソースを使って公平性の高いプラットフォームとして開発されたTruth Socialですが、この点についても疑問が残ります。

同サービスはソースコードにアクセスできる環境を担保するというMastodonの利用規約を無視し、Mastodonを使ってサービスを構築していることを隠ぺいしようとしている痕跡が発見されたことがわかりました*3。

利用規約違反を無視しながら運営されているSNSというのは、お世辞にも安心して利用できるサービスということはできないでしょう。

まとめ

トランプ前大統領が立ち上げに大きく関わったTruth Socialは、SNSにおける表現の自由の行使をコンセプトとしています。

ですがその実態はサービスの通常運営もままならないばかりか、偏った思想のユーザーにコミュニティが事実上限定されており、開かれた言論の場であるとは言い難いと言えます。

今後同サービスにどれくらいのユーザーが現れるかは未知数ですが、TwitterやFacebookの存在を脅かすようなサービスとなることはなさそうです。

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参考:

*1 CNET Japan「トランプ前大統領の新SNS「Truth Social」について知っておくべきこと
https://japan.cnet.com/article/35183992/

*2 BBC「ツイッター社、トランプ氏の個人アカウントを永久凍結 各社がSNSパーラーを凍結や削除」
https://www.bbc.com/japanese/55583622

*3 The Verge “Trump’s social network has 30 days to stop breaking the rules of its software license”
https://www.theverge.com/2021/10/22/22740354/trump-truth-social-network-spac-mastodon-license-software-freedom-conservancy

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