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Appleのメタバース市場本格参入時期は?CEOの発言にも注目

2022年時点でメタバースの市場は非常に大きく拡大しています。
Apple(アップル)は今まで培ってきた自社のブランド戦略を大切に開発を行っているため、メタバースについてどのように取り組んでいくのか注目が集まっています。

この記事ではメタバースの市場規模やAppleのビジネス戦略を振り返りつつ、今後のAppleがメタバースにどのように参入していくのかをまとめています。

VRとメタバースとの違い

VRは、仮想空間の中で現実のような体験や、体験するための手段・技術のことです。
一方メタバースとは、仮想空間ではあるものの、多くの人とコミュニケーションを図る空間自体のことを指しています。

メタバースの例には以下のようなものがあります。

  • ゲーム:Mojang Studios「マインクラフト」、Epic Games「フォートナイト」
  • バーチャルマーケット:三越伊勢丹「REV WORLDS」
  • バーチャルシティ内でのイベント開催:KDDIなど「バーチャル渋谷(ハロウィン、クリスマスなど)」

メタバース市場は2024年に8,000億ドルにまで成長

リモートワークが増えるなかで、バーチャルオフィスを構築したり、現実とバーチャルを併用するデジタルツイン環境を構築したりする企業が登場してきています。

参考:製造業のデジタルツイン取り組み事例4選|IoTとDXのフル活用

バーチャル上での交流が一般的になってくると、アバターでやり取りを行うメタバース空間は大きく発展すると予想されます。

メタバースの市場規模は2020年時点では約5,000億ドルです。
しかし市場は急拡大し、2024年には約8,000億ドルと約1.6倍に成長することが予測されているのです。(*1)

Metaはメタバースに積極的

Metaは、企業の方向性を大きく転換し、Facebook, Inc.からMeta Platforms, Inc.に社名を変えました。
Metaのメタバース関連の投資額は年間で100億ドルともいわれています。(*2)

特に2022年には、バーチャル会議システムの「Horizon Workrooms」に総額5,000万ドル規模の投資を行うと明らかにしました。(*3)
現実世界のようにリアルなメタバース空間を目指して、ARやVRを用いて交流する基盤作りや仮想空間の構築、関連サービスの拡充を図っているのです。

参考:Metaが提供するメタバースプラットフォーム「Horizon Worlds」とは何か

Appleのビジネス戦略とは

「Apple」と聞いた場合に、以下のようなイメージを持つ人は少なくないでしょう。

  • かじられたリンゴのロゴ
  • 無駄をそぎ落としたシンプルなデザイン
  • 操作性が優れている

Appleはブランディング戦略として、敢えてどの機種も同じようなデザインを採用しているのです。
今までブランディングの方向性を大きく変えなかったからこそ、誰もが想像できるブランドイメージを確立しているのです。

つまり、今後Appleがメタバースに進出する場合でも、「Appleの独自性をどう発揮するか」は欠かせない要素だといえます。

Appleのメタバース戦略とは

Metaがメタバースを重視しているのは前述のとおりですが、投資に関する哲学はMetaとAppleとで大きく異なっています。

Metaはメタバースをオープンな空間と捉えています。
メタバースに関わる業界全体の相互運用性向上を図るため、アメリカ国内で「The Metaverse Standards Forum」という標準化団体を発足させているのです。(*2)

一方、Appleの場合、APPSTOREでメタバースをキーワードに持つアプリは8件です。
2022年時点では関連サービスがあまり拡充されていないといえます。

ティム・クック氏の見解

Appleがメタバースについてどう考えているかは、CEOの発言からも明らかです。(*4)
AppleCEOのティム・クック氏は、あるインタビューで「ARなしの生活は間もなく考えられなくなる」と答えています。
あらゆるものに影響を与える奥深いテクノロジーと捉えてARの可能性がさらに広がると考えていることを示しました。

一方、「一般的な人がメタバースとは何かを説明できるかどうかはわからない」としているのです。
ティム・クック氏は、人々が「これはこういうものだ」とよく理解しているかどうかは重要な関心ごとのひとつだと語っています。

Appleでは、メタバースは現実世界の代替ではないものの、大きな変革を期待していることがわかります。

Appleがメタバースと距離を置く3つの理由

Appleのビジネス戦略として、現在メタバースと距離を置く理由を3つ紹介します。

VRゴーグルを用いた交流は閉じたコミュニケーション

Appleが考えるメタバースは、VRよりもARを重視しています。
VRの場合は、VRゴーグルなどの機器が必要であり、ゲームやコミュニケーションは機器を持っている人たちだけの閉じたものです。

Appleでも、VR・ARに対応する「Reality One」「Reality Pro」という独自のヘッドセットを開発しているため、VRを完全に否定しているわけではありません。(*5)
このOSは「xrOS」という名称に変更され、早ければ2023年にMRヘッドセットが開発される可能性があるのです。(*6)

参考:Appleが開発中と噂のVR・ARゴーグル搭載の「RealityOS」とは

しかしAppleでは、ユーザーがメタバース空間に「住む」と言えるほど長時間滞在できるための環境構築を目指しています。

メタバース空間に本気で住めるような状況を考える場合、機器の重さが頭や首に負担となるVR・ARゴーグルはAppleが目指すメタバースの理想形とは言えないでしょう。
つまり、現在開発しているVRは、ARグラス向けのアプリケーションやアプリを開発するための前段階と考えられるのです。

<h3>メタバースでもApple製品で囲い込みを行いたい</h3>

Appleがメタバースの発展に消極的なのは、自社開発製品の販売タイミングとも重要な関係があります。
AppleのAR・VR製品は2023年以降となるため、現時点でメタバースの普及に積極的になれないのは妥当な判断だと言えるでしょう。

また、AppleではApple IDを使って個人情報保護を行っています。
例えば、iPhoneのユーザーは、App Storeに登録してアプリケーションを導入するユーザーが多数います。
Appleはプライバシーと個人情報の保護に力を入れているため、メタバースについても、Appleの製品を介してアクセスする環境構築を目指していると考えられるのです。

現時点でメタバースが大きく普及すれば、Appleにとっては機器の販売タイミングを逸してしまうため、ビジネス上不利な情勢になってしまいます。

メタバースにとらわれずAppleらしい商品開発を行いたい

Appleは、デザインや操作性などに強いブランドイメージがあります。
同様に、今後もブランドを活かして商品開発を行うには「メタバース」への参入を前提とするだけでは発想の視野が狭くなる懸念があるのです。

例えば、ARと関連するアプリやサービスを開発しようとした場合、メタバースからではなく市場のニーズなど多角的な発想が欠かせません。

まとめ

Appleのメタバース市場本格参入時期は、2023年以降と考えられます。
Metaと同様にAppleにとっても、メタバース関連の市場は未来のトレンドとして無視できません。
しかし、Appleは、ブランドを活かしてビジネスを行うために、2022年時点では若干慎重になっている様子が伺えます。
強力なトレンドだからこそ、敢えてメタバースだけを見る体制を避けている可能性があるのです。

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参考URL

*1 https://www.bloomberg.com/professional/blog/metaverse-may-be-800-billion-market-next-tech-platform/

*2 https://metaverse-standards.org/

*3 https://diamond.jp/articles/-/293746?page=2

*4 https://www.rtlnieuws.nl/tech/artikel/5336713/apple-ceo-topman-tim-cook-interview-augmented-reality-onderwijs-programmeren

*5 https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-08-29/RHCGZQDWLU6801

*6 https://japan.cnet.com/article/35196935/

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