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AutoCAD 3Dの主な機能|初心者が操作する際に意識したい点も解説

Autodesk社がリリースしたAutoCAD 3Dは初心者でも比較的簡単に3Dオブジェクトを作成できるツールです。作成するオブジェクトの形状や位置関係の把握をサポートする機能がいくつか備わっているため、作業を進めやすい点が魅力です。

本記事ではAutoCAD 3Dを使用する際に意識したい点や主な機能について解説します。3D作成ツールの使用を検討している方は、ぜひ最後までお読みください。

この記事を読むと、以下のことがわかります。
1.AutoCAD 3Dを使用する際に意識したい点
2.AutoCAD 3Dの主な機能

AutoCAD 3Dを使用する際に意識したい点

AutoCAD 3Dは初心者でも3Dの操作をしやすい点が特徴です。しかし、初心者や2D設計の操作に慣れている場合、2次元から3次元の空間モデルを扱うため、難しさを感じてしまう方もいるでしょう。

3Dを作成する際に意識したい点は次の2点です。

・オブジェクトの形状を正確に認識する
・位置関係を把握する

ここでは、2つの内容についてみていきましょう。

形状を正確に認識する

2Dの場合、オブジェクトとディスプレイに映し出された図は同じ形状です。例えば、ディスプレイに四角が表示されている場合、オブジェクトも四角になります。

一方3Dではディスプレイには四角が映し出されていても、オブジェクトは必ずしも四角とは限りません。オブジェクトは四角錐や四角柱である可能性があります。

しかし、ディスプレイに映し出された図はあくまで2次元のものになるため注意しましょう。3D作図の場合、オブジェクトをさまざまな視点から確認し形状を正しく認識する必要があります。

位置関係

2つ目は位置関係を把握しにくい点です。3Dの操作画面ではX座標とY座標に、Z座標軸が加わるため、オブジェクトを作成できる面は無数にあります。無数にある平面の中から自分がどこにオブジェクトを作成したいのかを理解しなければなりません。

AutoCAD 3Dの主な機能

形状の認識と位置関係の問題を解決するために次の機能が実装されています。*1

問題点解決できる機能
形状認識・ViewCube
・ビューポートコントロール
・ナビゲーションバー
位置関係・UCSコマンド
・ダイナミックUCS

加えて、概念設計やビジュアライゼーションの機能も備わっています。ここでは、それぞれの機能の特徴について詳しくみていきましょう。

形状を正しく認識するための機能

形状を正しく認識するために、3Dのオブジェクトを多角的な視点からチェックできる操作や機能を使用し作業を進めることが可能です。マウスを使用する操作方法では、より簡単に視点を操作できます。操作方法は次の通りです。

1.Shiftキーを押す
2.マウスホイールをドラッグする
3.確認したい方向へ視点を動かす

加えて、ズームや画面移動をしながら視点の変更が可能です。

また、グラフィックスウィンドウ内には多様な視点操作ツールが備わっています。自身の形状認識の度合いと操作のしやすさから使用するツールを選択するとよいでしょう。具体的なツールは次の通りです。

ツール概要
ViewCube・ディスプレイに現れる立方体の面、端、頂点をクリックすることで視点を変更できるナビゲーションツール
ビューポートコントロール・名前を付けた視点の呼び出しや表示スタイルの切り替えが可能
ナビゲーションバー・拡大や画面移動、オービットなど画面操作ツールがある

UCS

3次元空間内の必要な場所に新しい座標を定義できるユーザー座標(UCS)により、より正確な位置関係を把握できるようになります。UCSに関する機能は次の2つです。

機能概要
UCSコマンド・3D空間内にユーザー座標を定義して作業を行う
・設定されたユーザー座標は名前をつけて保存することで、呼び出しや切り替えが可能
ダイナミックUCS・UCSコマンドを使用せずにオブジェクトの既存の平面内にカーソルを合わせることでUCSを設定できる

概念設計

建造物や装置などプロジェクトに必要なオブジェクトをシンプルな形で作成することで、プロジェクト全体のレイアウトを策定できる機能です。基礎となる図形をセッティングし、それぞれのオブジェクトの位置関係や接合部分をチェックできます。

複数のオブジェクトを作図する場合やプロジェクト自体のコスト・サイズ・機能などを設定する場合に役に立つでしょう。

ビジュアライゼーション

ビジュアライゼーションとはオブジェクトに質感を与える機能です。次の設定を行うことで、より写実的なレンダリングが可能になりました。

・照明を設定する
・もっとも魅力的に見える位置にカメラを配置する

ビジュアライゼーションでは次の2つの機能を必要に応じて使用できます。

機能概要
マテリアル機能オブジェクトに金属らしさや木製らしさを与える
ライティング機能照明の配置を調整し反射の程度を確かめる

また、複数の視点があらかじめ設定されており、作業の都度手動で操作しなくてもよいプリセット機能も備わっています。プリセット機能を選択することで、初心者でも比較的簡単に品質の高いイメージを作成できるでしょう。

AutoCAD 3Dのモデリングの種類

3D図面が完成したらモデリングを行います。モデリングは図面を立体化し、コンピューターにオブジェクトを作成する作業です。AutoCAD 3Dでは次の4つのモデリングの種類から作成したい形状に適したものを選択できます。

・ワイヤーフレーム
・ソリッド
・サーフェス
・メッシュ

ここでは、それぞれの特徴をみていきましょう。

ワイヤーフレーム

ワイヤーフレームはオブジェクトの骨格部分を表現できるタイプです。オブジェクトは次の要素のみで構成されます。

・点
・線分
・曲線

ユーザー任意の視点からモデルを映し出し、基礎的な形状を作成できます。しかし、ワイヤーフレームでは面の情報を描画できません。そのため、隠線処理やジェーディング、レンダリングなどの作業はできないため注意が必要です。加えて、体積も表示されないためマスプロパティの計算もできない点に留意しましょう。

ソリッド

ソリッドは4つのモデリングタイプの中でも情報量が多いため、使える用途の幅が広いタイプです。ソリッドでは次の操作が可能です。

・直方体や円錐、円柱、球など基本的な3Dの作成
・2次元のオブジェクトの断面を押し出す

加えて、ソリッドの結合や差し引きを行い、形状の組み合わせを設定することでより複雑化したオブジェクトを作成可能です。

サーフェス

正確に操作・解析したい場合に適しているタイプであり、次の2つの種類があります。

・プロシージャサーフェス
・NURBSサーフェス

プロシージャサーフェスは自動的にワイヤーフレームと関連付けを行い、修正作業が行われた場合に連動して更新されます。NURBSサーフェスは制御点グリップを操作することで、より自然体のオブジェクトを作成できるタイプです。自動調整はできません。

メッシュ

メッシュは次の3つの要素で構成されているモデリングタイプです。

・エッジ
・頂点
・面

三角形や四角形などの多角形表現を使用し、オブジェクトを作成できます。また、ソリッドやサーフェスではできないモデル修正にも対応しています。例えば、折り目や分割、スムーズレベルの増加などに対応しており、他の種類と比較すると自由に形状を作成できる点が魅力です。

まとめ

本記事ではAutoCAD 3Dを操作する際に意識したい点や搭載されている主な機能について解説しました。初心者の場合、オブジェクトの形状と位置関係を意識することがポイントです。しかし、形状や位置関係を正確に把握することはすぐに習得できるわけではありません。

AutoCAD 3DにはViewCubeやUCSコマンドなど形状や位置関係の把握をサポートしてくれる機能が備わっており、初心者でも比較的簡単に3Dを作成できるでしょう。3D作成ツールとしてAutoCAD 3Dの活用を検討してみましょう。

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参考サイト

*1

Autodesk「AutoCADにおける3Dの概念と機能」

https://www.autodesk.co.jp/solutions/autocad-3d#3d-model

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