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デジタルツインはどう活躍する?国内のプラットフォームを比較

デジタルツインは現在、建設業界や都市開発などの領域で注目されているテクノロジーですが、自社でゼロからこのような技術を開発・実装するのは時間も費用もかかります。

そこで活用したいのがデジタルツイン特化のプラットフォームで、既存のフォーマットを使用し、自社に最適化したデジタルツイン環境を迅速かつ高品質に構築が可能です。この記事では、そんなデジタルツインのプラットフォームについて、代表的なサービスを比較しご紹介します。

目次:

  1. デジタルツインとは
  2. デジタルツインとメタバースの違い
  3. デジタルツインに役立つ技術
  4. デジタルツインのメリット
  5. デジタルツインのデメリット
  6. 主なデジタルツインプラットフォームを比較

デジタルツインとは

デジタルツインとは、現実空間に存在する膨大な情報をデジタルデータ化し、仮想空間に落とし込むことで、現実と瓜二つのバーチャル世界を構築する技術のことを指します。

これまでも仮想空間を構築する試みは幾度となく行われてきましたが、デジタルツインが特徴としているのは現実世界の環境やデータを忠実に反映している点です。

従来の仮想空間はあくまで3Dの構造物を独自に構築し、現実空間を再現するものにとどまってきました。しかしデジタルツインは、さまざまなセンシング技術やBIMなどを駆使することで、現実世界を極めて正確に再現し、高度なシミュレーションなどを実現します。従来の仮想空間では対応しきれなかった課題も、デジタルツインでは可能です。

デジタルツインとメタバースの違い

デジタルツインと似たような言葉に、メタバースと呼ばれるものがあります。メタバースは近年、デジタルツインよりも広く一般化している言葉で、仮想空間を使った新しい技術という点ではデジタルツインと同様です。

デジタルツインとメタバースの違いは、現実世界との関連があるかどうかです。デジタルツインは極めて正確に現実空間を仮想空間に複製する技術ですが、メタバースは現実世界の経済圏などと部分的にリンクはしつつも、写実的に再現することには重きを置いていません。

また、運用目的がデジタルツインは施設管理やシミュレーションであるのに対し、メタバースはコミュニケーションや取引などを目的とした、人と人との関わり合いを仮想的にサポートする技術であることも特徴です。

デジタルツインに役立つ技術

デジタルツインの実現に当たっては、多くの技術が採用されています。代表的なものをピックアップすると、

  • IoT
  • BIM
  • AI
  • AR・VR
  • 5G

といったものが挙げられます。IoTは高度なセンシングによって現実世界の情報化を実現する、デジタルツインには欠かせない技術です。現実の気温や交通量、風向きや光量など、さまざまな事象をデータ化するのに役立ちます。

BIMは実世界の建造物を仮想空間に反映する上で、役に立つ技術です。従来の3Dモデルとは異なり細かな情報をモデルそのものに内包し、まるで現実世界のような挙動をデジタルツイン上で実現します。

AIは高度なシミュレーションを実行したり、問題分析を実行したりするのに活躍する技術です。自動で情報を処理し、課題に合わせて計算結果を算出します。ARやVRは、デジタルツインの空間を実世界の人間が感覚的に体験したり、シミュレートしたりするのに役立ちます。建物の様子や街の様子をその目で確認し、フィードバックに役立てます。

5GはIoTをはじめとする各データを高速回線を通じてリアルタイムに共有し、デジタルツイン世界に反映する上で期待される技術です。常に最新状況をデジタルツインに反映することで、防災や円滑な都市運営に役立つでしょう。

デジタルツインのメリット

デジタルツインを実現することで、どのようなメリットが期待できるのでしょうか。わかりやすいメリットは、オペレーションやマネジメントの改善です。施設の点検や区画の管理など、デジタルツインを実装するとリアルタイムでそれらの様子をデジタルで管理できるため、改善が必要な部分を迅速に特定できます。

人の主観に頼ることなく、デジタル情報をもとに維持管理の判断や業務遂行を実現できれば、それらの業務効率改善だけでなく、コスト削減にも役立つでしょう。また、サービスを改善してより高度な顧客満足度を達成できたり、より安全なサービスの提供につながったりなども期待できます。

高度なシミュレーションを実現して、まだ見ぬ製品を世に送り出すスピードや精度が改善したり、高度に計算・管理されたスマートシティの実現に繋がったりも夢ではありません。

デジタルツインのデメリット

デジタルツインは魅力的なテクノロジーではあるものの、一方で懸念すべきデメリットもあります。

一つは、デジタルツインを実現するためのコストです。デジタルツインの達成はスケールにもよるものの、多くの設備投資や人員の確保・育成コストがかかります。最新の技術を駆使して環境を整備しなければならないため、潤沢な予算がなければ、満足のいくデジタルツインの実現はまだ難しいのが現状です。

また、デジタルツインは一度環境を整えたら終わりではなく、デバイスやデータを有効活用するための長期的な管理体制を整備することも必要です。運用に当たっては継続的に費用がかかるので、長期的な投資を念頭に置かなければなりません。

主なデジタルツインプラットフォームを比較

デジタルツインをゼロから立ち上げるのは多くの負荷がかかりますが、既存のデジタルツインプラットフォームを採用することで、そのコストを抑えることができます。ここでは国内で利用ができる、主なデジタルツインプラットフォームを比較しながら紹介します。

ALTAIR

ALTAIRは製造業界向けに特化したデジタルツインプラットフォームで、製品性能の最適化や運用寿命の可視化、予防保全スケジュールの構築などを支援するサービスです。

物理法則に基づき、製品の極めて高度なシミュレーションを実現する物理ツイン、機械学習とデータサイエンスを採用し、製品性能の最適化を図るデータツインなど、高度な計算能力を自社にも実装できる魅力的なサービスと言えます*1。

SyncLect DigitalTwin

SyncLect DigitalTwinは、デジタルツインに必要なテクノロジーを一つのパッケージにして提供している便利なプラットフォームです。IoTを中心としたデータの集積と可視化、データの連携、そしてデータを守るセキュリティ技術が備わっており、センシングやレーダー反射、カメラなどから取得したデータをエッジAIで解析できます*2。

エッジAIの学習は適宜リモートで管理・修正ができるだけでなく、ノーコードでの運用も可能なため、広く普及させやすいサービスです。

3DDBViewer

3DDBViewerは、産総研が提供している全国の文化財情報をまとめたデータプラットフォームです。上で紹介した2つのサービスとは少し系統が異なり、文化財デジタルデータと3次元地理空間情報を統合表示するプラットフォームとして誕生しました*3。

建造物単体だけでなく、地下から地表までの状況を一体で管理できるサービスで、街づくりの発展と文化財の保護を両立することが可能です。膨大なデータの確保はデジタルツイン運用において重要なプロセスですが、同サービスを利用し、その業務効率化に役立つでしょう。

まとめ

この記事では、デジタルツインの役割や代表的なプラットフォームについて、解説しました。デジタルツインは多くのメリットが期待できる反面、運用に当たってはコスト面での課題も残ります。

既存のデータベースや一般向けに提供されているプラットフォームを有効活用し、効率的なデジタルツイン実現を目指しましょう。

 

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参考:

*1 ALTAIR

https://www.altairjp.co.jp/digital-twin/

*2 Headwaters

https://www.headwaters.co.jp/service/digital_twin.html

*3 産総研「3DDBViewer」

https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2022/pr20221018/pr20221018.html

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