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BIMの導入で補助金を受ける条件とは?建築BIM加速化事業について解説

令和5年に実施される建設事業に対して「建築BIM加速化事業」が創設され、80億円の予算が用意されました。
この事業は、建築BIMの作成を支援して社会実装の加速化を図ることが目的です。

令和6年以降についての国策はまだ発表されていません。
しかし、BIMの普及状況を考慮すると今後も同規模の支援事業が策定される見込みが高いといえるでしょう。

この記事では、建築BIM加速化事業の補助金を受ける条件について解説します。
BIMの導入を考えている方は、今後の参考にしてみてください。

「建築BIM加速化事業」とは

「建築BIM加速化事業」は、建築BIMの社会実装を加速させるため、国土交通省が80億円を予算に計上した支援事業です。
当事業の大きなメリットは、補助金を受けられるハードルが低いことでしょう。

応募時に複雑な書類の提出は必要なく、完了報告でも詳細な報告書は求められていません。
そのため、建物とソフトウェアの要件を満足できれば、気軽に申請できます。
BIMの導入を検討している企業にとっては“渡りに船”の支援事業です。

建築BIM加速化事業の補助金を受けられる条件

ここでは、建築BIM加速化事業のスケジュールや対象となるBIM作成費用について解説します。
また、補助金を受ける条件となる建物要件や補助上限額が指定されているので、チェックしておきましょう。

建築BIM加速化事業のスケジュール

建築BIM加速化事業は下記のスケジュールhttps://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/bim.html*1で実施されています。

  • 事業者登録 :令和5年1月16日~12月24日(3月31日から延長)
  • 交付申請 :令和5年2月13日~12月31日
  • 完了実績報告 :令和5年12月1日~令和6年2月29日

ここでのポイントは、完了実績報告までの成果に応じて補助金額が決定されることです。
BIMの取り組みは初めてのことが多く、トラブルが発生することも考えられます。
完了実績報告書の作成も含めてしっかりとスケジュールを立て、期日内に書類を提出できるように準備を進めることが大切です。

なお、完了実績報告書に求められるのは、「BIMのスクリーンショット」・「BIM作成経費の証拠書類(必要最小限」・「建築BIM活用事業者宣言」とされています*2。
詳細な報告書は不要なので、BIMの取り組み自体が順調に進めば、報告にそれほど時間はかからないでしょう。

補助金を受けられる建物の要件

建築BIM加速化事業で支援を受けるには、以下の建物要件*1を満たす必要があります。
戸建て住宅などは当てはまらない可能性が高いので、留意しておきましょう。

  • 3階以上、敷地面積が概ね1,000㎡以上 等

対象とされているBIMモデル作成費

事業の対象とされているBIMモデル作成費*1は以下のとおりです。

BIMライセンス等費

  • BIMソフトウェア利用費(ビューワソフト、アドオンソフトの利用費、BIMモデル利用するためのPC・タブレット・ARゴーグル等の周辺機器のリース費等を含む)
  • CDE環境(共通クラウド)構築費、アクセス費

BIMコーディネーター等費

  • BIMコーディネーター人件費・委託費
  • BIMマネジャー人件費・委託費
  • BIM講習に要する委託費・人件費・諸経費

BIMモデラ―費

  • BIMマネジャーをサポートするBIMモデラ―委託費

上記のBIMモデル作成費は、実際にBIMを作成する専門設計事務所や専門工事業者が主な対象です。
それに加え、プロジェクトの代表となる意匠設計事務所や元請事業者(ゼネコン等)が要する経費も対象とされています。*3
作図や施工をする者だけでなく、プロジェクトを管理する者もBIMを扱えるべきという国土交通省の意図が汲み取れます。

建築BIM加速化事業で補助対象となるソフトウェアなど

国土交通省は、建築BIM加速化事業の補助対象として250個以上のソフトウェア等をリストアップ*1しています。
専門別に例を挙げるので、参考にしてみてください。

意匠系

  • Revit(Autodesk)
  • Navisworks Manage(Autodesk)
  • Archicad(グラフィソフトジャパン株式会社)
  • Vectorworks Architect(エーアンドエー株式会社)
  • Solibri Model Checker(Solibri Inc)

構造系

  • Super Build/SS7(ユニオンシステム)
  • SEIN La CREA Premium(株式会社NTTファシリティーズ)

設備系

  • Rebro(NYKシステムズ)
  • T-Fas(ダイテック)
  • FlowDesigner(アドバンスナレッジ研究所)

生産系

  • StreamBIM(Rendra)
  • Chex(Chex BIM)(株式会社YSLソリューション)
  • Tekla Structures(株式会社トリンブル・ソリューションズ)
  • Real 4(データロジック)

延べ面積別の補助上限額

建築BIM加速化事業では、延べ面積によって補助上限額*2が定められています。
延べ面積別の補助上限額は、下表のとおりです。

延べ面積別の補助上限額*3

延べ面積設計費建設工事費
1,000㎡以上、10,000㎡未満25,000千円40,000千円
10,000㎡以上、30,000㎡未満30,000千円50,000千円
30,000㎡以上35,000千円55,000千円

(参考) 国土交通省「 建築BIM活用プロジェクトを支援します P.2」を参考に筆者作成

https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/content/001586871.pdf

建築BIM加速化事業の留意点

「建築BIM加速化事業の登録期限延長等に関する説明会」(国土交通省住宅局建築指導課)の説明資料*4で、事業の留意点に関する記述があります。
ここでは、特に気を付けておきたい内容についてみていきましょう。

プロジェクトが中止になった場合は補助金不交付または補助金返還

入札落選などによりプロジェクトが中止になった場合、原則的に補助金は交付されません。
交付済みの場合は返還する必要があります。
設計変更により補助金対象の条件を満足しなくなった場合も同様です。

補助金の併用は不可

原則として同一の補助対象に複数の国庫補助金を併用することはできないので、留意しておきましょう。
ただし、同一のプロジェクトであっても、補助対象とする部位が異なれば、併用できる可能性があります。
詳しくは、実施支援室に相談してみましょう。

補助対象のソフトウェアのリスト掲載依頼は審査が必要

前述のとおり、国土交通省は補助対象のソフトウェアをリストアップしています。
リストにないソフトウェアに対して補助金を受けたい場合、実施支援室の審査が必要です。
ソフトウェアの機能がわかる資料を用意し、相談してみましょう。

なお、複数のソフトウェアを含むパッケージについては、過半が補助対象として認められれば補助金を受けられます。
過半の判断については提案者の説明に基づくとされているので、根拠を用意して審査に臨んでみてください。

「BIMを活用した建築生産・維持管理プロセス円滑化モデル事業」との違い

建築BIM加速化事業の他に、BIMに関する国策として「BIMを活用した建築生産・維持管理プロセス円滑化モデル事業」*5(以下、円滑化モデル事業)があります。
円滑化モデル事業では、検証内容や方法、結果、今後の課題などを詳細に記載した報告書の作成が求められ、参画のハードルが高い事業でした。

一方、建築BIM加速化事業においては“詳細な報告書は不要”とされており、報告書に添付するのはBIMのスクリーンショット程度です。*2
誰でも応募しやすいのが建築BIM加速化事業の大きな特徴といえます。

円滑化モデル事業でさまざまな検証を行い、BIMの目指すべき方向がみえてきました。
そこで、BIMの敷居を下げ、幅広いユーザーに使ってもらうことでBIMの社会実装を加速化するのが、建築BIM加速化事業を通じた国土交通省の目的です。

BIMの導入には、コスト以外にも、社内システムの整備などといった課題が山積しているのが実情です。
しかし、コストのハードルが下がるのは大きなメリットであり、建設DXに向けた準備を進めるにはよい機会といえるでしょう。

おわりに

建築BIM加速化事業は、支援の敷居を下げ、幅広く補助金を適用することでBIMの社会実装を加速化することが目的です。
建設DXに向けた有効な手段としてBIMはますます注目を集めています。
これを機に、BIMの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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❸DXレポートについて
❹建設業界におけるDX

*1

(参考) 国土交通省「事業概要」

https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/bim.html

*2(参考)国土交通省「建築BIM加速化事業について P.4」

https://bim-shien.jp/wp-content/uploads/2023/01/R4-5_bim_kasokuka.pdf

*3

(参考) 国土交通省「 建築BIM活用プロジェクトを支援します P.2」

https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/content/001586871.pdf

*4

(参考) 国土交通省「建築BIM加速化事業の登録期限延長等に関する説明会 P.9,11,12」

https://bim-shien.jp/wp-content/uploads/2023/03/bim_seminar_document_.pdf

*5

(参考) 国土交通省「令和4年度BIMを活用した建築生産・維持管理プロセス円滑化モデル事業「先導事業者型」「中小事業者BIM試行型」の“二次募集”を開始します!~建築分野におけるBIM導入のメリットの検証等に取り組む民間事業者等を支援~」

https://www.mlit.go.jp/report/press/house05_hh_000926.html

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