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Metaの画像生成AI「Emu」とは?期待される活用方法を解説

FacebookやInstagramの運営元で知られるMeta(旧Facebook)社は、メタバース領域の研究開発や、人工知能開発において世界の最先端を走るテクノロジー企業です。そんなMetaが新たに開発した画像生成AIの「Emu」は、既存サービスなどと組み合わせることで、高い効果を発揮することが期待されます。

この記事では、そんなMetaのEmuについて概要を解説しつつ、同AIの強みや今後の展望を紹介します。

目次:

  1. 画像生成AIのメリット
  2. Metaの画像生成AI「Emu」の概要
  3. Emuならではの強み
  4. Emuに期待される今後の展開

画像生成AIのメリット

画像生成AIは、その名の通り画像をAIが自動で生成してくれるサービスのことを指しますが、その強みはなんといっても生産性の高さです。

これまで、画像を1枚用意するのにも多くの工数やコストがかかってきたため、その負担は画像を使用する企業であれば決して無視できるものではありませんでした。しかし画像生成AIを活用することで、これらの負担をほぼ丸ごと解消することができるようになり、条件を入力するだけでニーズにあった一枚を簡単に用意できます。

イラストから実写写真まで、あらゆるテイストに応えられるほど画像生成AIの品質は向上しており、AI運用コストさえ賄うことができれば、画像コンテンツに困る心配はなくなります。

ただ、現状では著作権の問題をクリアにすることが難しいことや、生成される画像の品質に振れ幅があることが懸念点となっており、試験的な導入に留まっているケースも少なくありません。

Metaの画像生成AI「Emu」の概要

アメリカのMeta社は2023年9月、自社独自開発の画像生成AIとして、新たに「Emu」を発表しました*1。発表によると、EmuはExpressive media universeの略称で、読み方は「エミュー」です。11億件にものぼる画像データをテキストデータとペアリングし、トレーニングを行っているのに加え、数千枚の高品質でフォトジェニックな画像データを合わせて学習させることにより、実用性の向上を目指しています。

トレーニング前の学習モデルと比較しても、その成立率は82.9%を達成するなどの極めて質の高いパフォーマンスを発揮できるよう調整されており、高度な画像生成機能をそのまま現場で実装することにも期待が集まります。

Emuならではの強み

画像生成AIにはそのクオリティや版権の問題が懸念事項として持ち上がることが多いですが、これらの問題をクリアして運用できるよう、Emuには実用的な多くの機能の搭載が予定されています。

Instagramなどで使えるAIスタンプ

Emuを広く利用してもらうための機会として、Metaはその例にInstagramやメッセンジャーなどで使用できるAIスタンプ機能を紹介しています。

AIスタンプ機能は、その名の通りメッセンジャーのテキストチャットやInstagramのストーリー上で使用できるスタンプをAIで作成するというものです。

これまで、スタンプはMetaがあらかじめ用意していたデフォルトのものを使用するか、サードパーティが作成したスタンプを購入するなどして利用することが求められてきました。しかしEmuを使用したAIスタンプ機能であれば、テキストボックスの中にスタンプで表現したいイメージをテキストで伝えることにより、わずか数秒で希望に応じたスタンプを用意してもらうことができるということです*2。

また、このAIスタンプ機能にはEmuと合わせてMetaの言語モデルである「Llama2」も搭載されています。高度な言語の解釈ができるAIとEmuを組み合わせた結果、質の高いスタンプの生成が可能になっているというわけです。

ただ、MetaのCEOであるマーク・ザッカーバーグ氏は画像生成の現在のスピードについてはまだ改善の余地があるとしており、将来的にはさらなる速度での表示を可能にしたいとのことです。

Instagram上でのAI画像編集

Emuはゼロから画像を作成する機能に加え、既存の画像に加工を加える上でも役に立つ画像生成AIです。

Emuを採用した画像編集機能については複数の展開がすでに予定されており、例えば「restyle」と呼ばれる機能を使用すると、被写体の原型はそのままに、まるで高度にPhotoshopで加工したかのような編集をワンタッチで行えるようになります*3。

また、実写画像を水彩画風にテイストを変えて見せたりといった抜本的な加工にも対応しており、コミカルに画像を仕上げてアップロードしたいという需要にも応えられるツールです。

もう一つのAI画像編集ツールが、「backdrop」です。こちらは被写体の背景をAIによって差し替えることができる機能で、背景に差し込みたい画像をテキストで指定することにより、その通りに仕上げてもらうことができます。

これまでも背景を切り抜いたり、背景に加工を施して違和感のある部分を修正したりといった機能は複数ソフトで提供されてきましたが、背景を丸ごと架空の画像に差し替えたり、それをスマホで簡単に使えたりする機能はありませんでした。

このようなAI画像作成や編集ソフトが普及すれば、よりAIが作ったものと人間が作ったものの境界線が曖昧になっていくことも考えられるでしょう。

AI活用を示す証明の表示

MetaはAIが作成したものと、そうでないものを機械的に見分けるための方法として、実験的に可視・不可視のマーカーを挿入する計画を検討しているということです*4。AIで作ったものが、本物かどうかが見分けがつかないというユーザーや、AIがその画像を判定する上で使用されるマーカーで、フェイク画像の拡散などを事前に回避するための自浄機能と言えます。

今後、AIが作成する画像はますます本物と見分けがつかなくなることも考えられる以上、このような電子透かし機能は不可欠になってくるかもしれません。

Emuに期待される今後の展開

MetaはEmuの公開と合わせて、他にも生成AIチャットボットの「Meta AI」やMRヘッドセットの「Quest 3」、新型スマートグラスも発表しています。同社はこれらの技術を別個に活用するだけでなく、お互いに併用できる環境構築にも力を入れていると考えられ、相乗効果で極めて高度なAI体験やメタバース体験が得られるようにもなるでしょう。

まとめ

この記事では、Metaが開発した新しい画像生成AIのEmuについて解説しました。画像生成AIはその利便性と危険性に注目が集まるところですが、Emuはその両方をうまくクリアできるAIとして実装が進められつつあります。

Metaのその他の次世代テクノロジーと合わせて、今後の動向を注視したいAIです。

Metaの画像生成AI「Emu」とは?期待される活用方法を解説

出典:

*1 ITmedia「Meta、画像生成モデル「Emu」でInstagramなどで使える生成AIスタンプと画像編集を可能に」

https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2309/28/news100.html

*2 上に同じ

*3 上に同じ

*4 上に同じ

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