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PLMソリューションとは?ERPやCADとの違いと導入成功のポイントをわかりやすく解説

「PLMソリューション」とは、製品ライフサイクル全体を一元管理して、大幅なスピードアップにつなげることができるシステムです。
この記事では、PLMソリューションの概要について、ポイントをかいつまんでわかりやすく解説します。
PLMソリューションの全体像をつかんで、自社に最適なPLMソリューションを選んでいきましょう。

この記事を読むと以下の3つのことがわかります

  1. PLMソリューションとは?
  2. 国内の主要PLMソフトウェア
  3. PLMソリューション導入成功のポイント

PLMソリューションとは

まずは、PLMソリューションとはどんなシステムなのか、わかりやすくご紹介します。

PLMソリューションとはDX促進のためのシステム

PLMソリューションとは、製造業のDXを促進するためのソリューション(システムやサービス)です。(*1)
具体的には、一つのPLMソフトウェアで製品の工程を一元管理することで、工程全体のスピードアップを目指します。
管理が可能な工程は、企画、設計、製造、販売、保守までのすべてです。

これまでにも、CADやPDMで図面を管理する手法はありました。
しかし、物流や販売などの部門では別のシステムを利用していたことから、部門間でのやりとりにムダが生じていました。
こういったムダをなくし、自社の競争力を強化するべく、PLMソリューションが利用されています。

PLMソリューション導入のメリットとは

PLMソリューションを導入するメリットは、大きく分けてこちらの3つです。(*2)

  • 製品開発リードタイムが短縮できる
  • 在宅ワークが促進できる
  • 最新テクノロジーを使った営業ができる

PLMソリューションを使ってデータの一元管理をすることで、製品開発にかかる時間を短縮することができます。
また、PLMソリューションによってはクラウド型のテレワークシステムがあるため、これまでデータの持ち出しがネックとなり在宅勤務ができなかった設計者も、自宅で設計作業を行うことができます。(*3)

さらに、PLMソリューションを使うと、営業や保守部門が製品の3D モデルを扱うことができます。
そのため、ARやVRなど、最新のテクノロジーを使ったインパクトのある営業活動ができるようになります。

PLMと他のシステムの違い

製造業では、PLMソリューションと同じような語感のシステムが多数あるため、混乱してしまう方も多いのではないでしょうか。
ここからは、PLMと他のシステムとの違いを見ていきましょう。

PLMとERPの違い

ERPは、Enterprise Resources Planningの略で、「ヒト、モノ、カネ、情報」という企業の資源を一元管理するシステムです。(*4)
ERPの目的は、企業の現状把握と意思決定のスピードアップで、主に人事や経理などの部門で使われます。

対してPLMは、企画から保守までの製造業の一連の工程をすべてカバーするシステムです。
このように、PLMとERPの違いは、管理できる範囲にあります。
また、システムの目的にも違いがあり、PLMは「競争力の強化」、ERPは「現状把握と意思決定のスピードアップ」となっています。

PLMとPDMの違い

PDMは、Product Data Managementの略で、設計データを一元管理するシステムです。(*5)
主に設計部門で使われるシステムで、設計業務の効率化に使われます。

PLMも設計データの一元管理ができますが、さらに企画から製造、販売、保守までの全体的な工程の管理が可能です。
このように、PLMとPDMの違いは、「設計データのみの一元管理」と「工程全体の一元管理」という管理できる範囲の違いです。

PLMとBOMの違い

BOMとは、Bill Of Materialの略で、部品表や材料票を管理するシステムのことです。(*6)
BOMを調達、製造、設計などの部門間で利用することで、生産現場において部品や資材の一元管理ができます。

PLMにはBOMが含まれているため、設計から保守までのすべての工程で、同じ部品表を使った管理ができます。

PLMとBOMの違いは、「工程全体を通した一元管理」と「部品表の一元管理」という、管理できる範囲の違いです。

国内の主要PLMソフトウェア

PLMソリューションは、一つのソフトウェアで部品表や設計データをすべて管理できるシステムです。
これまで、PDMやBOMで部門ごとに管理をおこなっていた企業も、PLMソリューションを導入すればソフトウェアを統一できるので、、コストを削減できる可能性があります。

そこでここからは、国内の主要PLMソフトウェアを見ていきましょう。
数あるPLMソフトウェアの中でも、初めての方でも導入しやすい2つをご紹介します。

NECのPLM「Obbligato」

NECのPLM「Obbligato」は、27年間国内トップシェアの実績を持つPLMソフトウェアです。(7) 当初は部品表の管理システムとしてリリースされましたが、その後ユーザーの声をもとに改良を重ね、現在のバージョンとなりました。(8)

「Obbligato」の特徴は、クラウド型PLMサービスによるスピーディーな導入支援です。(*9)
最短2週間でシステムの立ち上げができるので、小規模で手軽なPLMソリューションをお探しの方におすすめです。

PTCのPLM「Windchill」

「Windchill」は、CADソフト「Creo」でお馴染みのPTCが開発したPLMソフトウェアです。
国内では、PTCジャパンのほか、キヤノンなどの企業も提供しています。(*10)

「Windchill」の特徴は、PLMソフトウェアとしての標準機能の豊富さです。
導入した企業のうち、80%がカスタマイズなしで使っていることから、標準機能での満足度の高さがわかります。(*10)
「最新システムを導入したいけど、カスタマイズが面倒」という場合に最適です。

また、11か国の言語に対応していて、通貨や単位系の切り替えも可能なことから、国際的な拠点を持つ企業にもおすすめです。

PLMソリューションの導入成功のためのポイント

PLMソリューションについての概要と、導入のイメージがつかめてきましたでしょうか?
ここからは、PLMソリューション導入成功のためのポイントをご紹介します。(*12)

ポイントはこちらの2つです。

  • 導入はシステム部門ではなく事業部門が行う
  • 時間がない場合はコンサルタントを利用する

PLMソリューションの導入において最も大事なことは、システムの導入をシステム部門が主導しないことです。
導入は、設計や製造などの事業部門が行うことが理想です。

システム部門がメインとなって導入した場合、部門間のコミュニケーション不足や忙しさなどで、事業部門の細かな要求を実現することができなくなりがちです。
そういったことが原因となり、導入が失敗する傾向があります。
PLMソリューションを導入する場合は、メインで使う事業部門が主導して行うようにしましょう。

また、PLMのような大規模なシステムを導入するには、かなりの時間とコストがかかります。
通常の業務と並行して行うことになるので、事業部門に余裕がない場合は、PLMソリューションの導入サービスがあるコンサルタント会社の利用も検討してみましょう。

まとめ

PLMソリューションは、製造業のDXを促進するためのシステムです。
製品の企画から製造、保守までを一元管理できるので、製品ライフサイクルのスピードアップにつながります。
現在、社内で使っている管理システムに限界を感じている場合は、PLMソリューションの導入を検討するタイミングかもしれません。
導入を成功させるためには、事業部門が主導で行い、必要に応じてコンサルタント会社を利用するのがおすすめです。
自社にぴったりのPLMソリューションを導入して、競争力を強化していきましょう。

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◆参考URL

*1 日鉄ソリューションズ株式会社『PLM』

https://www.nssol.nipponsteel.com/ss/detail/plm.html

*2 株式会社 日立ソリューションズ『PLMソリューション』

https://www.hitachi-solutions.co.jp/plm/

*3 MONOist『設計者の働き方改革に必要なのはクラウドPLM、キヤノンITSとPTCがサービス提供』

https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/1708/24/news044.html

*4 ZAC『ERPとは何かイマイチわからない人向け【ERP超入門ガイド】』

https://www.oro.com/zac/blog/erp_guideline/

*5 NEC『PLM(Product Lifecycle Management)とは』

https://jpn.nec.com/plm/about/abt-index.html

*6 MONOist『製造業DXに欠かせないPLMとBOM、しっかり説明できますか?』

https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/2109/28/news010_2.html

*7 NEC『PLM(Product Lifecycle Management)とは』

https://jpn.nec.com/plm/about/abt-index.html

*8 NEC『「Obbligato」30周年特別企画 日本のものづくり1000社の“副旋律”を奏でて30年、日本発PLMの新たな展望』

https://jpn.nec.com/obbligato/product/obl30th.html

*9 NEC『Obbligatoのカタログ』

https://jpn.nec.com/obbligato/leaflet/220206_Obbligato_1P.pdf

*10 PTC『Windchill: PLM (Product Lifecycle Management) ソフトウェア』

https://www.ptc.com/ja/products/windchill

*11 キヤノンITソリューションズ株式会社『Windchill』

https://www.canon-its.co.jp/products/windchill/

*12 O₂ Partners『【前編】誰も書かなかったPLMの不都合な真実~PLM導入を失敗しないために~』

https://www.o2-inc.com/column/202308311461/
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