Revitのウォークスルー機能とは?作成方法を解説
ポピュラーなBIMソフトの一つであるAutodesk社のRevitは、BIMモデリング以外の豊富な機能を備えているのが特徴です。その中の一つであるウォークスルー機能は、BIMモデルのポテンシャルをさらに引き出してくれるため、有効活用したいところです。
この記事では、Revitが備えるウォークスルー機能の概要や、ウォークする活用のメリット、そして具体的なウォークスルーの作成方法について、解説します。
目次
- Revitのウォークスルー機能とは
- ウォークスルー活用のメリット
- ウォークスルー作成の方法
- ウォークスルーの書き出し方法
- ウォークスルーが実装可能なサードパーティツール
Revitのウォークスルー機能とは
Revitのウォークスルー機能は、作成したBIMモデル空間の中にカメラを配置し、建物の中や周辺をシミュレーション形式でツアーすることのできる機能です。ウォークスルー機能はただ等身大で周囲の様子を確認できるだけでなく、自動でカメラの方向や位置を遷移させ、理想的なプロジェクトの様子を伝えられます。
BIMモデルの魅力は制作画面だけでは伝わらない部分も出てくるものですが、ウォークスルー機能はBIMモデルしか得られない建物のディテールなどを伝えられるため、非常に便利です。オフィスビルや一軒家の内装のように、建物の内部が込み入った設計の場合、ウォークスルー機能が役に立つでしょう。
ウォークスルー活用のメリット
ウォークスルー機能の活用は、ユーザーに多くのメリットをもたらしてくれます。ここでは代表的な利点をピックアップして紹介します。
BIMモデルを有効活用できる
ウォークスルー機能の魅力は、BIMモデルを制作するメリットをより高められる点にあります。BIMモデルは多くの情報を3Dモデルに内包できる技術で、設計図面情報などを統合し、BIMモデルだけで設計業務を完結できるのが魅力です。
ただ、BIM導入に伴い問題視されるのが、BIMモデルならではの強みを引き出せる活用方法が広く普及していない点です。せっかくBIMを導入しても、そのポテンシャルを十分に引き出せないと期待しているような費用対効果を得られません。
Revitのウォークスルー機能は、そんなBIMモデルならではの情報の細かさを活かせる機能の一つです。モデルの隅々までを等身大のカメラ映像で確認し、BIMでしかできない解像度でモデルを把握できます。
詳細設計の見直しに役立つ
Revitのウォークスルー機能は、建物の細かな設計箇所を評価するために活躍します。ウォークスルー機能は建物のモデルの内部を歩くようにして見渡すことができますが、その際、ドアの開閉をアニメーションで付与するような機能も活用できます。
ドアを開けた時の部屋への干渉度合いや、階段の上り下りが意図している通りに行えるかどうかなどを、ウォークスルーを通じて確認することが可能です。
モデリング中には気づかなかったような修正点も発見できるため、逐一ウォークスルー機能を活用することをおすすめします。
情報共有を効率化できる
ウォークスルー機能には、他のユーザーとの共有が可能な書き出し機能も実装されています。静止イメージに加え、シミュレーション映像のビデオファイルを作成することもでき、BIMモデルを直接共有できない場合でもこれらのデータを使って共有が可能です。
Revitを持っているユーザーはもちろん、そうでないユーザーにも設計情報を共有できるので便利なツールと言えます。
ウォークスルー作成の方法
ここから、実際にウォークスルーを作成するための方法について、解説します。ウォークスルーは、あらかじめ実際に閲覧をするためのモデルを作っておく必要があるので、これについては事前に用意しておきましょう。
ウォークスルーを作成するには、まずカメラを動かすためのパスを設定するところからスタートします。ウォークスルーパスは平面図ビューから作成するのが最も便利で、図面を上から見下ろしながら設定することができます。
「表示」タブから「作成」パネルをクリックし「3D ビュー」からドロップダウンで「ウォークスルー」を選べば、作成を進められます。
続いてオプションバーにある「オフセット」からカメラの高さを指定し、適正な高さでカメラで様子を捉えられるように設定しましょう。その後カーソルのクリック操作でパスを平面図に設定し、ウォークスルーの軌道を確定させます。
パスの設定が完了したら、ひとまず「ウォークスルーを終了」をクリックして、続いてプロジェクトビューより作成済みのウォークスルービューの確認に移行します。ウォークスルービューは、ウォークスルーの作成後プロジェクトブラウザに自動で追加されているため、これをクリックしましょう。
カメラの枠を選択すると、青い点がカメラの枠に表示されますが、これを動かすことでウォークスルー画像のサイズ調整を行うことができます。ウォークスルー動画を実際に再生したい場合は、タブにある「再生」をクリックすることで、設定したパスに沿ったカメラの映像が再生されます。
ウォークスルーの映像から好きなカットを切り取りたい場合は、ウォークスルービューから「次のキーフレーム」「前のキーフレーム」を選択します。すると、あらかじめ設定していたパスに則って画面を切り替え、好きなカットのウォークスルー画像を表示させることが可能です。
ウォークスルーの書き出し方法
作成したウォークスルー動画を書き出して共有したい場合は、「ファイル」タブより「書き出し」を選択します。「書き出し」を選ぶと「イメージ及びアニメーション」という項目があるので、ここにカーソルを合わせると「ウォークスルー」を選ぶことができるため、これをクリックしましょう。
ここで実際に書き出す映像の長さや表示スタイルを選んだ上、OKをクリックします。するとファイルの格納先、そしてファイル形式を選べるので、適切なものを選択しましょう。ファイル形式はAVIやGIF、PNGなどを選べるので、共有先の都合に合わせて柔軟に変更すると良いでしょう。これでウォークスルーの書き出しは完了です。
ウォークスルーが実装可能なサードパーティツール
Revitにはデフォルトでウォークスルー機能が備わっていますが、サードパーティツールを活用することでも、ウォークスルーを実現可能です。
例えばフォトラクション社が提供するクラウドサービス「Photoruction」は、タブレットやスマホからBIMモデルを使った施工管理ができる、便利なツールです*1。これを使うことで、BIMモデルの外観を確認するのはもちろん、ウォークスルー機能を使って建物の細部までを丁寧に閲覧できるため、施工管理業務全般をまとめて実行したい場合に活躍します。
まとめ
この記事では、Revitに備わっているウォークスルー機能について解説しました。ウォークスルー機能を使いこなすことで、BIMモデルのポテンシャルを引き出し、情報共有の円滑化などに役立てられます。
各種機能の仕組みを理解し、高度なBIM活用を実現しましょう。
大手ゼネコンBIM活用事例と 建設業界のDXについてまとめた ホワイトペーパー配布中!
❶大手ゼネコンのBIM活用事例
❷BIMを活かすためのツール紹介
❸DXレポートについて
❹建設業界におけるDX
出典:
*1 建設ITブログ「フォトラクションでBIM活用! RevitやSketchUpに対応しウォークスルーも」
https://ken-it.world/it/2021/05/enter-the-photoruction-bim.html