AutoCADとJw_cadの違い|価格や導入時のメリットを比較
現在、さまざまな企業がCADソフトウェアを提供しており、多様な事業プロジェクトに活用されています。とくにAutoCADとJw_cadは代表的なCADソフトとして多くの企業で利用されています。しかし、どちらを使用すればよいのか分からないと悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
本記事ではAutoCADとJw_cadの異なる点を比較します。ぜひ参考にしてください。
この記事を読むと以下のことが分かります。
1.AutoCADの概要
2.Jw_cadの概要
3.AutoCADとJw_cadの違い
AutoCADとJw_cadの概要
AutoCADとJw_cadは図面作成・編集などに利用されています。ここでは、2つのソフトの概要をみていきましょう。
AutoCADの概要(*1)
AutoCADとはAutodesk社が提供しているソフトです。建築業界で利用されるケースが多くあります。AutoCADには2D設計に求められる基本的な機能を搭載しています。加えて、3Dモデリングやレンダリングなどの機能も搭載しているため、2Dおよび3D図面の作成が可能です。
チームでプロジェクトを進行できるように、チーム内のコラボレーション機能や生産性向上の機能も含まれます。プロジェクトのチーム共有により、作業効率を大きく向上できるでしょう。
また、Autodesk社は多種多様のカスタマイズを用意しています。プロジェクトに応じてカスタマイズすると、より業務効率化を図れるでしょう。AutoCADのカスタマイズの具体例としては次の追加機能が挙げられます。
・図面翻訳プログラム
・繰り返し作業の効率化
・図面チェックコマンド
・2Dから3DCADデータの取込自動作図
・自動作図および自動帳簿の作成
また、パソコンのWebブラウザを介して起動する「Webアプリ」やモバイルデバイスを使用する「モバイルアプリ」を提供しており、現場でもAutoCADの図面を表示・作成・編集・共有が可能になります。
Jw_cadの概要
Jw_cadとは2D作図に特化したCADソフトです。Jw_cadは主に電気や機械、建築分野で使用されるケースが多くあります。搭載されている機能の中でも、とくに描画機能が優れており、寸法および形状を正確に作成可能です。製品の設計や建築プロジェクトの計画段階で利用されるケースが多くあります。
Jw_cadの主な機能は次の4つです。
・2D図面生成
・2.5D立体図面生成
・日影図面生成
・建具や設備などの作成および配置
AutoCADとJw_cadの違い
では、AutoCADとJw_cadにはどのような違いがあるのでしょうか。ここでは、価格・習得の難易度・導入のメリットおよびデメリットの違いを詳しくみていきましょう。
価格(*2)(*3)
まずは価格を比較しましょう。
AutoCAD | 71,500円/年 |
Jw_cad | 無料 |
価格には大きな差があります。AutoCADは1ユーザーにつき年間71,500円の契約が必要です。一方、Jw_cadは利用時に一切費用は発生しません。そのため、プロフェッショナルから学生までさまざまな属性の人が使用しています。
AutoCADの利用料金はサブスクリプション形式です。1年払いに加え、3年払い(214,500円)と1ヵ月払い(8,800円)から選択できます。また、試験的に使用したい場合、Flexと呼ばれる従量課金制の利用が可能です。
習得の難易度
次に、習得の難易度の違いをみていきましょう。
AutoCAD | 難易度が高い |
Jw_cad | 比較的習得しやすい |
CADソフトを使用した経験がない場合、高機能なAutoCADは操作しにくい可能性があります。一方、Jw_cadはシンプルで直感的に操作できる機能を多く搭載しているため、CADソフトの初心者でも習得しやすいソフトといえるでしょう。
導入のメリット
ここでは、導入のメリットを比較します。
AutoCAD | ・2Dにも3Dにも対応・多種多様な機能を搭載・他ソフトとの連携が可能 |
Jw_cad | ・無料で利用可能・シンプルな操作性・公式サイトで情報を確認可能 |
AutoCADは2Dのみではなく3D図面を生成する場合にも利用できる点がメリットの1つです。ソフトの導入により低価格で3DCADを利用できます。初期費用はかかるものの、導入することでAutoCADのみで2Dおよび3DCADに対応した様々な機能を活用できるため、他のソフトを追加で購入する必要はありません。
また、Autodesk社が提供している他ソフトとの連携が可能です。連携により建築分野だけでなく、土木や機械設計などのジャンルへ対応できるようになります。
Jw_cadはダウンロードおよび利用に料金がかからないため、導入費用が発生しない点がメリットです。導入費用を抑えつつ、他のCADソフトに劣らない豊富な機能を使用できます。費用をかけずに業務効率化を図りたい場合に適しているでしょう。
また、CAD初心者にとって操作方法がシンプルな点は嬉しいポイントといえます。加えて、使用方法が分からない場合やトラブルが発生した場合、公式サイトにある「情報交換室」で解決できるでしょう。情報交換室ではJw_cadの利用者が掲示板で質問をすると、他の利用者が回答してくれます。公式のサポートは受けられないものの、情報交換室で必要な情報は得られるでしょう。
導入時の注意点
最後に導入時の注意点をみていきます。
AutoCAD | ・費用が高額になる場合がある・機能を使いこなせない可能性がある |
Jw_cad | ・搭載している機能が少ない・3D作図に対応していない |
AutoCADは多種多様の機能が搭載されており、必要に応じて適切な機能を使用できるものの、拡張するほど導入費用が高額になる場合もあるため注意が必要です。また、作図機能のみを使用したい場合、機能が多いAutoCADでは混乱を招く可能性も否定できません。
AutoCADは建築や土木、機械など多様な業種に対応できる機能を搭載しています。一方、Jw_cadは利用できる機能は少ないといえるでしょう。また、立体図の作成はできるものの、3D図面は生成できない点もデメリットといえます。
2D図面と比較すると、3D図面は完成形をイメージしやすいため、関係者間での情報共有や提案がしやすくなるメリットがあります。今後、3D図面が主流となる可能性が高いため、作図対象が2Dに限られているJw_cadを導入した場合、他の3Dソフトを併用する必要があるでしょう。
まとめ
AutoCADとJw_cadの価格・習得の難易度・導入のメリット・注意点を解説しました。AutoCADは2Dおよび3Dの図面生成に対応している一方で、Jw_cadでは生成できる図面は2Dに限られます。AutoCADでは多様な機能が利用できるものの、導入費用が高額になるケースもあります。一方、Jw_cadは導入に費用が発生しない点がメリットです。しかし、Jw_cadは3D図面を活用したいプロジェクトでは使用できません。
2Dおよび3Dを作図したい場合や多種多様の機能を使用したい場合、AutoCADが適しています。Jw_cadは無料で使用したい場合や2Dで作図したい場合に向いています。
それぞれの違いを把握し、自身の目的に適しているソフトを選択しましょう。
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❷BIMを活かすためのツール紹介
❸DXレポートについて
❹建設業界におけるDX
*1
「Autodesk|Autodesk AutoCADとは」
https://www.autodesk.com/jp/solutions/what-is-autocad
*2
「Autodesk|AutoCADを購入」
https://www.autodesk.com/jp/products/autocad/overview?term=1-YEAR&tab=subscription&plc=ACD
*3
「Jw_cad|著作権及び使用条件」