AutoCADのナビゲーションバーとは?表示の仕方や主な操作方法を解説
AutoCADには多くの機能があり、その全てを同時に使いこなすことは難しいものです。
操作方法は一つずつ覚えていくことが大切ですが、操作そのものをサポートする機能の一つとして、ナビゲーションバーと呼ばれるものがあります。
この記事では、AutoCADにおけるナビゲーションバーの役割や、表示・非表示の切り替え方法などについて、詳しく解説します。
目次:
- AutoCADの強み
- ナビゲーションバーの概要
- ナビゲーションバーでできること
- ナビゲーションバーの表示・非表示を切り替える方法
- ナビゲーションバーの位置を変更する方法
- ナビゲーションバーとViewCubeをリンクするには
- ナビゲーションバーが表示されなくなった場合の対処法
AutoCADの強み
AutoCADが高く評価されている理由としては、やはりその機能の豊富さが挙げられます。
CADツールに求められるほぼ全ての機能が備わっているので、これ一台あればあらゆる業務に対応できる汎用CADです。
汎用CADの弱点は、機能が器用貧乏であるため専門性の高い業務には適用しづらいという問題です。AutoCADはこの問題を解消すべく、ツールキットと呼ばれる形でプラグインを提供しています。
ツールキットは、各種専門業務に対応した特化機能を別個に用意しているプラグインです。建築設計、設備設計、インフラなど、幅広い業種ごとに機能が小分けにされているので、必要な業務に応じてAutoCADを最適化することができます。
また、AutoCADは他のAutodesk製品との互換性にも優れているCADソフトです。AutoCAD単体では対応できない業務も、複数のAutodesk製品とのコラボレーションによって対処できます。
AutoCADはプロフェッショナルの現場でも採用されている、非常にポピュラーな製品です。使い方を正しく理解しておけば、強力なパートナーとなるでしょう。
ナビゲーションバーの概要
AutoCADは便利なCADソフトですが、難点となるのが多機能すぎるあまり、全ての操作方法を覚えるのは困難であるという点です。
そんな時にまず使い方を覚えておきたいのが、ナビゲーションバーです。ナビゲーションバーはAutoCAD上で動作するユーザーインターフェースの一種で、いくつかの機能のショートカットツールとして機能します。
ナビゲーションバーは、主に図面の表示の状態を操作するために使用します。複雑にプロジェクトに参加するようになると、図面を常にフルサイズで表示しているだけでは操作に限界が出てくることもあります。
そんな時に活躍するのが、ナビゲーションバーです。バーの中に用意されている各種機能を使い分けることで、表示をスムーズに切り替え、迅速にディテールや全体の確認・編集を遂行することができます。
図面の表示はマウス操作でも行えますが、マウスの種類によっては操作が制限されることもあるため、使いづらさを覚えるかもしれません。ナビゲーションバーを使うことで、そんなマウスの機能上の制約に縛られることなく、柔軟に図面を操作することができます。
ナビゲーションバーでできること
ナビゲーションバーでは、様々なツールが用意されています。主に使用するのは、
- 2Dホイール
- ズームツール
- 画面移動
の3つです。
2Dホイールは、2D画面で操作できるマウスホイールのようなツールです。クリックすることでズーム、画面移動といった操作を自由に行うことができます。
ズームツールは、その名の通りズーム操作を行うツールです。ズームインとアウトを自在に行えるだけでなく、何をズームするのかなども詳細に設定して運用できます。
画面移動は、手のひらで紙をスライドさせるような感覚で画面を移動できるツールです。移動させたい箇所を掴んで画面移動ができるため、感覚的に表示変更を行えます。
これらのツールを使い分けながら、図面上の操作をより快適に行えるようになるのがナビゲーションバーというわけです。
ナビゲーションバーの表示・非表示を切り替える方法
ナビゲーションバーは、表示・非表示をいつでも切り替えることができます。ナビゲーションバーの表示を切り替えるには、[表示]タブを使用します*1。
[表示]タブのなかには[ビューポート ツール]パネルがあります。ここから[ナビゲーションバー]を選び、チェックボックスのオン・オフの切り替えで表示と非表示が切り替わります。
ナビゲーションバーをずっと表示させていると、場合によっては図面を見づらくさせてしまうこともあるかもしれません。このような際に表示と非表示を切り替え、対処すると良いでしょう。
ナビゲーションバーの位置を変更する方法
ナビゲーションバーが邪魔になっているが非表示にはしたくない場合、その位置を変更するというのも一つの手です。
ナビゲーションバーの位置を変更するには、ナビゲーションバーの上部にあるグリップハンドル部分をマウスで掴むことで可能です。
グリップハンドルを掴むと、バーの位置を画面上の都合の良い場所へ自由に移動させられます。臨機応変に位置を変更し、作業を効率化しましょう。
ナビゲーションバーとViewCubeをリンクするには
ナビゲーションバーは、ViewCubeと連動して運用することができます。ViewCubeは、図面の様子をマウスのクリック操作で簡単に切り替え、スムーズに確認できる機能です。
ナビゲーションバーとViewCubeをリンクするには、ナビゲーションバーのメニューボタンから[ドッキング位置]をクリックします。すると[ViewCubeにリンク]の項目があるので、これをオンにします。
リンクに成功すると、ナビゲーションバーとViewCubeが合わせて配置されるようになります。
ナビゲーションバーが表示されなくなった場合の対処法
ナビゲーションバーを扱っていると、表示と非表示が断続的に切り替わったり、突然操作を受け付けなくなったりすることがあります。
このような不具合を解消するには、AutoCADのコマンドラインからViewCubeを操作することで解消できます*2。
コマンドラインにCUBEと入力し、Onを実行します。続いてNAVVCUBEDISPLAYと入力したうえで、値を3 に設定しましょう。
そしてNAVBAR と入力して、DISPLAYVIEWCUBEIN2D、およびDISPLAYVIEWCUBEIN3Dと入力し、いずれもOn に設定します。
その後AutoCADを再起動し、リセットをかけることで、問題が解消されます。
まとめ
この記事では、AutoCADのナビゲーションバーの概要や、表示方法について解説しました。ナビゲーションバーはマウス操作に慣れていない場合に役立つ機能で、その使い方を覚えておくと図面を自由に操ることができます。
各種操作方法やトラブルシューティングの方法を身につけ、作図効率を高めましょう。
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出典:
*1 Autodesk「ナビゲーション バーの表示/非表示を切り替えるには」
*2 Autodesk「AutoCADでViewCubeとナビゲーションバーが表示されなくなる」