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建築設計における平面図の概要|立面図と配置図との違いや気を付けたい点を解説

建築物を設計する際、平面図の作成を行います。平面図は間取り図とも呼ばれ、建築物における内部の情報を共有できる図面です。しかし、建築設計で作成される図面には多種多様の種類があるため、平面図と他の図面との違いがいまいち把握しきれていないという方もいるのではないでしょうか。

本記事では平面図の概要と、立面図および配置図との違いを解説します。平面図の確認時に気を付けたい点にもふれていくため、ぜひ参考にしてください。

この記事を読むと、以下のことが分かります。

1.平面図の概要

2.立面図と配置図との違い

3.図面確認時に気を付けたい点

建築設計における平面図の概要

建築設計における平面図は意匠図に含まれる図面です。平面図は間取り図として使用されるケースがあります。よく混同してしまう図面として立面図や配置図が挙げられるものの、図面から読み取れる情報や描かれている図が異なります。ここでは、平面図の概要と立面図および配置図との相違点を詳しくみていきましょう。

建築設計における平面図は意匠図に含まれる

建築設計における平面図は実施設計図の意匠図に含まれます。実施設計図とは住宅などの建築物の工事を行うために必要な情報を記載した図面です。工事方法や目的、構造材、設備機器など建築物に関する膨大な量の情報が記されています。実施設計図は意匠図・構造図・設備図の3つに大きく分けられ、意匠図は建物の完成イメージを伝える役割があります。

構造図は建物の基礎や柱など構造材に関する情報、設備図は建物に設置する設備機器に関する情報を示す図面です。意匠図・構造図・設備図はそれぞれ次のような種類の図面があります。

実施設計図意匠図・平面図
・立面図
・配置図
・屋根伏図
・展開図など
構造図・伏図
・軸組図
・標準施工図
・詳細図など
設備図・空調換気設備図
・給排水衛生設備図
・ガス設備図
・電気設備図など

平面図とは何か

す。

平面図とは建築物の寸法や間取りが記載されている図面です。(*1)間取り図とも呼ばれています。意匠図の基本図面として作成され、他の図面の見出しとして利用されるケースがあります。図面は床面から一定の高さの場所から下を見ている状態を図に表しており、容易に間取りを理解できる点が特徴です。具体的には次のような内容が記載されています。

・間取り

・面積

・床高

・部屋の用途

・主な設備

・窓/扉

・収納

・キッチン

施工主と設計に関する計画を協議する場面で内部の配置や生活動線など完成イメージを作り上げる役割があります。しかし、平面図では外観やデザインの詳細を把握しきれません。外観やデザインの詳細は立面図とともに確認する必要がある点を知っておきましょう。

立面図との違い

立面図とは建築物を4方向の外側から真横に見ている状態を記載した図面です。(*2)外観の仕上がりを把握するために作成します。図面内には次のような内容が示されています。

・建築物の高さ/幅

・屋根の勾配

・窓/ドアの設置箇所

・軒先の高さ

・地盤面との関係

2階建て以上の住宅建築を設計する場合、立面図の作成により、上下階のつながりや開口部の高さを把握可能です。建築物の外観のイメージがしやすい点が特徴です。そのため、施工主と外観のイメージを共有する際に利用されるケースが多くあります。

配置図との違い

配置図とは敷地における建築物の配置場所を示す図面です。(*3)図面には次のような内容が記載されています。

・建築物の幅/奥行きの寸法

・敷地の境界線および境界線から建築物までの距離

・敷地に接する道路および道路幅員

・外構要素(庭、駐車スペース、門扉、フェンス、塀など)

工事に着手するためには、特定行政庁に建築確認申請を行わなければなりません。建築確認申請時に配置図を提出する必要があります。

平面図を確認する際に気を付けたい点

平面図を正確に読み取るためには、図面内に記されている数値を理解しなければなりません。ここでは、平面図を確認する際に気を付けたい点を解説します。

縮尺を確認する

平面図を確認する場合、図面内の数値を確認しましょう。図面に使用される縮尺は100分の1または50分の1が一般的です。図面を正確に読み取るために、まずは縮尺をチェックしましょう。

数値は部屋の内側を指すとは限らない

部屋の奥行きと間口の寸法を記入する場合、壁芯から一方の壁芯までの距離を表現しているケースが多くあります。壁芯は部材の中央を意味します。そのため、記載されている数値全てが部屋の内側の寸法ではない点を知っておきましょう。

建築設計における平面図を作成する方法

平面図を作成する方法は手作業やExcel、CADソフトの利用など作成者の好みによって異なります。それぞれメリットとデメリットがあるため、適切な方法を選択しましょう。ここでは、作成方法とメリット・デメリットを詳しくみていきます。

手作業またはExcel

手作業はインプットした製図の知識をアウトプットしつつ作図できる点がメリットです。知識への理解をより深めたい場合に推奨する方法です。しかし、1つの図面を作成するために時間と手間がかかるため、設計者の負担になりかねません。また、図面をデータにスキャンして送る場合も多くあるため、効率的な方法とはいえないでしょう。

Excelではフリーソフトのダウンロードにより図面を作成できるようになります。Excelを搭載しているパソコン利用者は専用のソフトをダウンロードするだけで平面図の作成が可能なため、試験的に操作するとよいでしょう。しかし、縮尺を正確に書き表せないため注意が必要です。

CADソフトの利用

作成方法としてCADソフトの利用も選択肢の1つとして推奨します。CADソフトは製品によって2D図面および3D図面を作成できます。手作業やExcelなどと比較するとより正確な図面を作成可能です。

CADソフトは数多くの製品が販売されており、代表的なソフトはAutodesk社が提供しているAutoCADが挙げられます。AutoCADは2Dおよび3D図面の作図やモデリング、ドキュメント作成など多種多様の機能が搭載されており、建築における業務の効率化を図れるでしょう。

まとめ

本記事では建築設計における平面図の概要や確認時に気を付けたい点を解説しました。間取り図とも呼ばれ、部屋の内部の配置や生活導線など建築物の完成イメージを共有できる図面です。あくまで部屋の内部の平面の状態を表現した図面であるため、外観のイメージや上下階との関係性は確認できません。立面図や配置図とあわせて確認する必要があります。

平面図は手作業やExcelを利用して作成する方法があります。しかし、時間と手間がかかってしまい、効率的に作業を進められないでしょう。図面作成など建築設計における業務の効率化を図るためにはCADソフトの利用を推奨します。代表的なCADソフトのAutoCADを利用し、図面作成の時間と手間を削減しましょう。

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「大建工業株式会社|建築用語集|平面図」

https://www.daiken.jp/buildingmaterials/glossary/planning/planview/

*2

「大建工業株式会社|建築用語集|立面図」

https://www.daiken.jp/buildingmaterials/glossary/facility/elevation/

*3

「大建工業株式会社|建築用語集|配置図」

https://www.daiken.jp/buildingmaterials/glossary/planning/plot-plan/

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