【2024年版最新】Revitの動作環境は?よくある不具合の解決法も解説します
「Revitの動作環境を知りたい」
「Revitの導入後に不具合があった場合の解決方法を知りたい」
とお考えのご担当者様へ。Revitは3Dモデルをメインとしたソフトであり、きちんと動作させるためにはベンダーが指定している動作環境を満たす必要があります。
Revitの動作環境はデータの大きさに合わせて3段階あり、事前にどの程度のモデリングを行う予定か方向を決めておかなければなりません。
この記事ではRevitの動作環境について、3段階別の条件と特に注意したい項目を解説します。Revitの動作がおかしい場合のよくある症状と改善策も解説しますので、Revitの導入をお考えの方はぜひ最後までお読みください。
この記事を読むと、以下3つのことが分かります。
1.Revitの動作環境
2.Revit導入時に考えたい3段階の規模
3.Revitのインストール時に起こりやすい不具合
Revit 2025 製品の動作環境
2024年9月時点で最新バージョンとなっているRevit2025の場合、動作環境は以下の通りです。(※1)
最小モデル | バリュー | パフォーマンス | |
---|---|---|---|
OS | 64 ビット版 Microsoft® Windows® 10 または Windows 11 | ||
CPU | Intel® i-Series、Xeon®、AMD® Ryzen、Ryzen Threadripper PRO。2.5 GHz 以上 最大 GHz の CPU を推奨 Autodesk® Revit® 製品は、さまざまなタスクで複数のコアを使用します。 |
||
メモリ | 16 GB の RAM | 32 GB の RAM | 64 GB の RAM |
ビデオ ディスプレイの解像度 | 最小: 1280 x 1024、True Color 対応 最大: 超高解像度(4k)モニター |
最小: 1680 x 1050、True Color 対応 最大: 超高 (4k) 解像度モニター |
最小: 1920 x 1200、True Color 対応 最大: 超高解像度(4k)モニター |
ディスク空き容量 | 30 GB のディスク空き容量 | 30 GB のディスク空き容量 10,000 rpm 以上のハード ドライブ(点群を使用する場合)、またはソリッド ステート ドライブ |
2024年9月時点で最新バージョンとなっているRevit2025の場合、動作環境は以下の通りです。(※1) Revitではその動作環境について、最小モデル・バリュー・パフォーマンスという3段階を設けている点が大きな特徴です。
上記の段階は、モデリングする建築物の規模を指します。最小モデルは個人の住宅などシンプルなものを想定しており、バリューはマンションやオフィスビルなど中規模なもの、そしてパフォーマンスは商業施設などの大規模なものを想定しています。
つまりRevitの動作環境をどのように設定するかは、想定しているモデリングの規模で決まります。個人の住宅を対象としているなら最小モデルで賄えますし、ビルやマンションといった中規模なものも想定しているならバリュー段階レベルの動作環境が必要です。
3段階別で条件が大きく異なる条件として、まず挙げられるのが「RAM」です。Random Access Memoryの略であるRAMは、作業用のメインメモリ(主記憶装置)の役割を果たします。
RevitのRAMは最小モデルで16GB、バリューで32GB、パフォーマンスで64GBと明記されておりますが、単一モデルであれば最小モデルで300MB、バリューで600MB、パフォーマンスでも1GBで十分です。
しかし旧バージョンで作成したモデルを最新バージョンにアップグレードする際、そのプロセスにおいて多くのメモリを必要とすることがあります。そのため、上記の表の条件を満たすレベルのRAMを搭載しておくと安心です。
またRevitの動作環境では、各段階において必要とされるディスプレイサイズも異なります。
ディスプレイサイズとは解像度のことで、モニターの大きさではありません。そのモニターが表示できる“画素”と呼ばれる1つの点で、大規模なモデルを扱うPCほど高解像であるほど使いやすいです。
最低ディスプレイサイズ数は各段階で変わりますが、どの段階でも最大は超高解像度である4Kとなっています。4Kは解像度でいうと3840×2160であり、予算が許せば2Kや4Kを検討しても良いでしょう。
Revit導入後の動作が非常に遅い場合の主な症状と改善策
Revit導入後、動作について以下のような不具合・トラブルが起きた場合の主な原因と対処法をご紹介します。(※2)
- 移動やコピーの操作をすると、タイムラグがあったりカクカクしたりする
- 多数のファミリをまとめて選択すると、毎回選択完了までに30秒程度フリーズしてしまう
- 3Dビューにした時の視点移動の際、画面上にコマが飛んだような表示になる
- ワークシェアの同期が非常に遅い
上記の場合、環境依存の可能性があります。次で紹介する方法を試してみてください。
Revitを最新状態にアップデートする
Autodeskデスクトップアプリから、最新の状態にして動作確認を試してみましょう。
まずAutodeskデスクトップアプリの[スタートメニュー]→[すべてのプログラム]→[Autodesk]→[ Autodesk デスクトップ アプリ]からAutodesk デスクトップアプリを起動して、画面右上のサインインから自分のAutodesk IDでログインします。Revitが最新版にアップデートされていない場合、マイアップデート画面にてUpdateが表示されるのでインストールしてみましょう。
最新のグラフィックカードを適用してみる
グラフィックカードはパソコンのディスプレイに画面や映像を表示する機能を担っており、グラフィックボード(通称“グラボ”)、ビデオカードなどとも呼ばれるパーツです。
Revitをインストールした後に画面がカクカクする場合、グラフィックカードに依存している可能性があります。
まずは、最新のグラフィックドライバが適用されているか確認してください。最新だった場合は、以下の手順でハードウェアアクセラレータの使用チェックを外してください。
[ファイル]のリボンから[オプション]を選択して、[ハードウェア]カテゴリの[オプション]ダイアログボックスから、[ハードウェア アクセラレータを使用(Direct3D)]のチェックを外す。
アドインを無効にしてみる</他のメーカーやベンダーが提供しているアドインはRevitを拡張できる便利なツールですが、予期せぬ動作の多くの原因になっているという報告もあります。
アドインを入れた後に不具合が起きた可能性が高い場合、手動でアドインの無効を試してみましょう。
手動でアドインを無効にするためには、まずRevitを閉じて、Cドライブから「C:\ProgramData\Autodesk\Revit\Addins\[Version]」というフォルダを探してください。
アドオンファイルを上記のフォルダから一時的に別の場所に移動してから、再度Revitを起動してみましょう。こうするとアドオンを無効にすることができ、Revitに対するアドオンの影響度合いを調べられます。
もしアドオンを無効化して症状が改善した場合、残念ながらアドオンが合っていないのかもしれません。他のアドオンを試すなど、別の方法を検討すると良いでしょう。
「Tempフォルダ」内の一時ファイルを削除する
RevitのTempフォルダ内の一時ファイルが多いと、パフォーマンスに影響します。以下の手順で一時ファイルを削除してみてください。
- lwindowsエクスプローラーを開き、アドレスバーに[%TEMP%]と入力して[Enter]を押下
- [Temp]ファイルが開いたら、フォルダ内のすべてのファイルとフォルダを削除する
Temp内のファイルをファイルとフォルダを削除する場合、削除できないと警告が出たものはスキップして構いません。
ログインユーザーのフォルダを削除してみる
Revitの動作が悪い場合、ログインユーザーに依存した現象の可能性があります。以下の手順でファイルを手動で削除した後、Revitを再度起動して改善しているかどうか試してみましょう。
- C:\Users\<ログインユーザー名>\AppData\Local\Autodesk\Revit\Autodesk Revit 20xx
- C:\Users\<ログインユーザー名>\AppData\Roaming\Autodesk\Revit\Autodesk Revit 20xx
- C:\Users\<ログインユーザー名>\AppData\Roaming\Autodesk\RVT\20xx
各フォルダの最後にある20xxは、使っているRevitのバージョン名が入ります。(Revit2025を使っているなら2025となります)フォルダが存在しないものはスキップしてOKです。
Revitの動作環境について、段階別の3つの環境やよくある不具合と解決策をご紹介しました。Revitは3Dソフトであり、一般的なソフトウェアよりも高スペックなPCが必要です。
しかしRevitの導入はライセンスや初期費用でもコストがかかるので、ハードウェアの部分はなるべく無駄のないよう、賢く選ぶことがポイントとなります。ぜひ今回の記事を参考にして、自社が想定している規模に見合ったハードウェアを揃えていただければと思います。
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