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立面図と平面図の違いとは何か|設計図書についても解説

建築物を設計する際に作成する図面に立面図と平面図があります。両者は設計における基本的な図面で、建築物の完成イメージを伝える役割があります。しかし、立面図と平面図の違いがよく分からないと疑問に思っている方もいるのではないでしょうか。

本記事では立面図と平面図の違いを解説します。また、建築物の設計時に作成される設計図書の概要にもふれていくため、ぜひ参考にしてください。

この記事を読むと、以下のことがわかります。
1.立面図と平面図の違い
2.設計図書の概要

立面図と平面図の違い

建築物の設計や施工主との情報共有を目的として、あらゆる図面を作成します。多種多様の図面があり、中でも立面図と平面図を混同してしまう方も少なくありません。簡単に説明すると、建築物の見方が異なります。ここでは、立面図・平面図の概要を詳しくみていきましょう。

立面図の概要(*1)

立面図とは建築物を真横からのぞいているイメージを作図した図面です。一般住宅の場合、4方向から建築物の外観をのぞいている図面を作成します。そのため、一般的には図面は4枚の作成が必要です。

平面の図面では作図できない配置バランスやデザインなどを立体的に表現する役割があります。また、建築物を作図する際に角度を変えるケースも珍しくありません。図面の角度は地域によって異なり、15度・30度・45度のいずれかで作成されます。

立面図では建築物の外観のイメージだけでなく、次のような情報が記載されており、重要な図面といえます。

・施工日の目安
・施工方法
・電源供給の方法
・配管の収まり

また、立面図の情報を読み取るためには次のようなルールを知っておくとよいでしょう。

図面内の数値mm単位
Φ直径
t厚さ
実線(太)視認できる箇所
実線(細)奥に見える箇所
破線現場では視認できない箇所

平面図の概要(*2)

平面図とは建築物を真上から見ている状態を作図した図面です。一般住宅の場合、間取り図として作成されるケースも多くあります。図面では各種設備の位置関係や配線などを確認できます。加えて、寸法も詳しく明記されているため、建築物内部の長さや奥行きを把握可能です。平面図は基本的な情報が記載されており、建築物の図面を作成する際に見出しとして活用されるケースも珍しくありません。

平面図では窓の種類によって記号や表現方法が異なります。また、部屋の名称も略語が使用されるため、事前に確認しておきましょう。部屋の名称の具体例は次のとおりです。

LDK居間・キッチン・食堂が1つになっている部屋
BR寝室または子供部屋
RBLバルコニー
PSダクトや給排水管が通る配管スペース

立面図と平面図は設計図書の意匠図に含まれる

立面図と平面図は建築物の設計時に作成される設計図書に含まれます。設計図書は意匠図・構造図・設備図の3つの種類に分類され、立面図と平面図は意匠図に分類されます。ここでは、設計図書の概要と、意匠図・構造図・設備図のそれぞれの概要を詳しくみていきましょう。

設計図書とは

設計図書とは、建築物の設計や施工方法などの情報を設計者から施工主に共有するために作成される設計図および仕様書です。設計図書を確認しつつ設計者の意見を伝え、施工主と協議を実施することで、施工主の希望する建築物になります。一般住宅の場合、設計図書から見積り額が算出されるケースが多くあるため、設計図書は建築において重要な役割を持ちます。

設計図書の作成がおろそかな場合、施工主の希望する建築物が完成せず、トラブルになりかねません。寸法や数量などに誤りがないように作成し、施工主と十分に協議を重ねる必要があるでしょう。

意匠図の概要

意匠図とは建築物の完成イメージを伝えるために作成する図面です。立面図や平面図は意匠図に含まれます。建築や設計に関する専門的な知識が浅い場合でも、完成形をイメージしやすい点が特徴です。立面図や平面図の他に、次のような図面も意匠図に含まれます。

配置図・建築物と敷地・道路・隣地との位置関係が分かる図面
屋根伏図・建築物の屋根のイメージを作図した図面・真上からのぞいた状態を平面で作図する
展開図・部屋の中央部から四方の壁面を見たイメージを作図した図面

構造図の概要

構造図とは建築物の基礎に関する情報を示した図面です。柱や梁、基礎の寸法、数量などが記載されているため、図面を基に材料の発注などが行われます。構造図に含まれる図面の具体例は次のとおりです。

標準施工図・配筋や鉄筋の加工方法などの情報が記載されている・部材の接合および取り付けの状態も示す
伏図・構造部材(基礎・柱・梁など)を平面に記した図面・構造部材にはそれぞれ符号が付けられている
軸組図・いくつかの軸に沿って切った面を横から見ている状態が作図されている図面・構造部材の配置や開口部の高さ、スリットなどが記載されている
詳細図・軸組図に詳しい情報を加えた図面・構造部材の納まりが示されている・30分の1や5分の1などの縮尺が用いられる

設備図の概要

設備図とは電気やガス、給排水衛生設備など設備機器に関する情報を伝える図面です。取り付ける場所やコンセントの配置および数量も確認できます。設備図の具体例として、次の4つの図面が挙げられます。

ガス設備図ガスに関連のある設備機器を配置する場所や引き込み経路などの情報を示す
給排水衛生設備図衛生設備の配置、給水や排水の箇所と経路などの情報を示す
空調換気設備図空調設備(換気扇やエアコン室外機・室内機、ダクトなど)の配置や経路などの情報を示す
電気設備図電気設備に関する情報を示す

設備機器に関する情報は膨大な量になるため、1つの図のみでは書き記せません。そのため、複数の図面を用意する必要があります。例えば、電気設備図の場合、電気設備特記仕様書や受変電設備図、発電機・蓄電池設備図などの複数の図面も作成し、工事に必要な情報を記載します。

立面図や平面図はCADソフトで作成するのも選択肢の1つ

建築物の図面は立面図や平面図だけでなく、多くの図面を作成し、あらゆる情報を記載しなければなりません。そのため、図面同士の寸法や数値などの適合性が求められます。誤った情報を記載してしまうと、大きなトラブルになりかねません。しかし、人の手で作業を行うと、寸法や数値のミスが発生してしまう可能性があります。

人為的なミスを削減するためには、CADソフトで図面を作成する手段も選択肢の1つです。数多くのCADソフトが販売されており、代表的なソフトとしてAutoCADが挙げられます。ソフトによって価格や機能性が大きく異なるため、自身の利用範囲に適しているソフトを選択しましょう。

まとめ

本記事では立面図と平面図の違いを詳しく解説しました。立面図は建築物を横から見たイメージを伝える図面で、一方の平面図は建築物を真上から見たイメージを伝える図面です。両者は設計図書の意匠図に含まれ、建築物の完成イメージを伝える基本的な図面です。

基本的な図面ではあるものの、電源の供給方法や寸法など工事に欠かせない情報が多く記載されているため重要な役割を果たします。そのため、誤った情報を記載してはなりません。手作業ではなく、CADソフトを利用することで正確な図面を作成できます。AutoCADでは作成した図面の情報を読み取り、他の図面へ適用させる機能が搭載されており、図面同士の情報を自動で適合させることが可能です。

図面を正確に作成したい場合はAutoCADなどのCADソフトの利用を検討してみましょう。

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*1

「東建コーポレーション|建築用語辞書|立面図(リツメンズ)」

https://www.token.co.jp/estate/useful/archipedia/word.php?jid=00016&wid=00504&wdid=01

*2

「東建コーポレーション|建築用語辞書|平面図(ヘイメンズ)」

https://www.token.co.jp/estate/useful/archipedia/word.php?jid=00016&wid=00404&wdid=01

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