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Revit 2025の新機能をわかりやすく解説!動作環境とアップデートのトラブルシューティングもご紹介

Revitの最新バージョンは、2024年4月2日にリリースされたRevit 2025です。(記事執筆時点2024年8月6日)(1) 今回のアップデートでは、オートデスクのコミュニティサイト「オートデスクコミュニティ」に集まったユーザーの要望を反映した機能の強化が行われています。(2)
この記事では、Revit 2025の新機能のほか、動作環境やアップデート方法もあわせてご紹介します。
Revit 2025へのアップデートを予定している方は、ぜひ参考にしてみてください。

この記事を読むと以下の3つのことがわかります

1.Revit 2025の新機能と動作環境
2.Revit 2025のアップデートのトラブルシューティング
3.Revit 2025にアップデートするときの注意点

Revit 2025の新機能

ここでは、Revit 2025の新機能のうち、ユーザーの声が反映された新機能について見ていきましょう。

「シートコレクション」でシートが自由にグループ化できる

Revit 2025では、新しく「シートコレクション」機能が追加されました。(*3)
シートコレクションとは、モデル内のシートを集めて作るグループです。
シートはこれまで、プロジェクトの中でのみグループ化したり並べ替えたりできるものでした。
しかし、新しく追加されたシートコレクション機能を使うと、すべてのプロジェクトから任意のシートを集めて自由にグループを作成できるようになっています。

地形ソリッドの外観がなめらかに

「地形ソリッドのスムーズシェーディング」を有効にすると、地形ソリッドの外観が滑らかに表示されるようになりました。(*4)
表示できるスタイルは、シェーディング、ベタ塗り、テクスチャ、リアリスティックなどです。
これまでの角ばったグラフィックと変わって、よりリアルでスムーズな外観を描画できるようになっています。

地形ソリッドの掘削がより簡単に

「地形ソリッドの掘削」機能で、地形ソリッドの体積の切り取りができるようになりました。(5)(6)
掘削機能を使うと、交差する床、屋根、地形ソリッドなどの要素から、ワンクリックで掘削できます。
マス要素を使って床などの要素を配置する必要がないので、掘削操作が以前より簡単にできるようになっています。

鉄筋セットに継手を作成する

鉄筋セットに、継手を作成する機能ができました。(7)(8)
2Dビュー、3Dビューのどちらからでも、複数の鉄筋セットの任意の位置に継手を作成できます。継手を作成すると、鉄筋セットを拘束したまま移動できるようになります。
継手は、作成後もタイプや位置を編集することができます。
ただし、継手が作成できるのは直線セグメントのみとなっています。

鉄筋モデルの寸法の変更を防ぐ

コンクリートのジオメトリが変更される際に、鉄筋の寸法が変更されてしまう事象を防ぐ機能ができました。(*9)
鉄筋モデルの拘束を無効にすることで、コンクリートの寸法に変更があっても、鉄筋モデルの寸法の変更を防ぐことができます。
現在選択中の鉄筋モデルのほか、複数、またはすべての鉄筋モデルの拘束を無効にすることが可能です。

Revit 2025の動作環境

Revit 2025は、地形のシェーディングなどの機能が強化されています。そのため、可能であれば推奨スペック以上の環境を用意しましょう。
Revit 2025の推奨スペックは、次の3種類があります。(*10) 

・最小モデル(住宅設計など小規模モデル向け)
・バリューモデル(オフィスビルなど中規模モデル向け)
・大規模モデル(大型商業施設など大規模モデル向け)

ここでは、バリューモデルのRevit 2025の動作環境を見ていきましょう。

・OS:64 ビット版Microsoft Windows 10、またはWindows 11
・CPU:2.5GHz以上
・メモリ:32 GBのRAM
・ビデオアダプタ:Shader Model 5 搭載の DirectX 11対応グラフィックス カードおよび4 GB以上のビデオメモリ
・ディスク空き容量:30GB

Revit 2025にアップデートする前に、お使いのPCが動作環境を満たしているか確認しましょう。

Revit 2025へのアップデート後のトラブルシューティング

Revit 2025へのアップデートは、オートデスクの公式サイトからダウンロードできます。
ここでは、アップデートの際によくあるトラブルと、その対処法を見ていきましょう。

Revit 2025のインストールエラーの対処法

Revit 2025のインストール中にエラーコード「1603」が表示され、インストールに失敗する場合があります。(*11)
原因は、前バージョンのアンインストールが完全にできていなかったことによるものです。

対処法はこちらです。
1.Windowsのタスクマネージャから「詳細」を開き、「adsk_hive_host.exe」を終了する
2.WindowsのトラブルシューティングツールMicrosoft Fix-it Tool をダウンロードして実行する
3.Windowsのレジストリエディタを開き、次の3つを削除する

HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Autodesk
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Autodesk
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Autodesk\UPI2

4.PCを再起動して、Revit 2025を再インストールする

Revit 2025起動後のクラッシュの対処法

Revit 2025をインストール後に起動すると、突然クラッシュする場合があります。(*12)
原因は、アンチウイルスソフトの干渉です。トレンドマイクロのアンチウイルス、Microsoft Defenderによる影響が確認されています。
クラッシュを防ぐには、アンチウイルスソフト側でオートデスク製品を除外するように設定します。
フォルダ、ファイルタイプ、ライセンスなどで除外を設定しましょう。

Revit 2025にアップデートするときの注意点

Revit 2025にアップデートした場合、以前のバージョンで使っていたモデルはアップグレードしないと使えません。
通常は、Revitでプロジェクトファイルを開くだけで、自動的にモデルのアップグレードが行われます。(*13)
ここでは、モデルのアップグレードがうまくいかず、エラーが出た際の対処法をご紹介します。

・最新の更新プログラムをインストールする
・「監査」オプションをオンにしてプロジェクトを開く
・アップグレードは1バージョンずつ順に行う

最新の更新プログラムをインストールして、アップグレードのエラーを防ぎましょう。
「監査」オプションをオンにすると、モデルが壊れていた場合に修正が行われます。監査には時間がかかるため、余裕を持って行いましょう。
また、アップグレードでエラーが出る場合は、1バージョンずつ順にアップグレードしていきましょう。

アップグレードしたモデルは、旧バージョンでは開くことができなくなります。
クラウドで作業している場合は、ほかのメンバーともスケジュールを調整して進めていきましょう。

まとめ

Revit 2025は、ユーザーの声をもとにした使いやすい新機能が追加されています。
新機能を使ったスムーズな作業のために、動作環境を整えてアップデートしましょう。
モデルのアップグレードがうまくいかない場合は、最新の更新プログラムをインストールして、監査コマンドを使ってみてください。
ソフトウェアのアップデートには時間がかかりますが、作業環境を整える上で欠かせない作業です。余裕を持った計画を立てて、Revit 2025のアップデートを進めていきましょう。

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◆参考URL

*1 AUTODESK「Revit 2025 の新機能」

https://www.autodesk.com/blogs/aec/2024/04/02/whats-new-in-revit-2025/

*2 AUTODESK「オートデスク コミュニティ」

https://www.autodesk.com/jp/community

*3 AUTODESK Revit 2025「シート コレクション (2025 の新機能)」

https://help.autodesk.com/view/RVT/2025/JPN/?guid=GUID-49B75F56-9286-4CC5-B6F0-A6523CAE8F2A

*4 AUTODESK Revit 2025「地形ソリッドの拡張機能 (2025 の新機能) 地形ソリッドのスムーズ シェーディング」

https://help.autodesk.com/view/RVT/2025/JPN/?guid=GUID-50FB6EAF-5308-487B-9BF0-A59C36126B96

*5 AUTODESK Revit 2025「地形ソリッド: 掘削および掘削の解除」

https://help.autodesk.com/view/RVT/2025/JPN/?guid=GUID-21047A44-6030-49E8-B1B9-03366EA6A0C2

*6 Technology Perspective from Japan「Revit 2025 新機能 ~ その2」

https://adndevblog.typepad.com/technology_perspective/2024/04/new-features-on-revit-2025-part2.html

*7 AUTODESK Revit 2025「一般的な鉄筋にパラメトリックの継手を作成する (2025 の新機能)」

https://help.autodesk.com/view/RVT/2025/JPN/?guid=GUID-07065BC7-6E7A-4BF3-9017-2C76D6F9122C

*8 Technology Perspective from Japan「Revit 2025 新機能 ~ その4」

https://adndevblog.typepad.com/technology_perspective/2024/05/new-features-on-revit-2025-part4.html

*9 AUTODESK Revit 2025「鉄筋モデルへの予期しない変更を防ぐ (2025 の新機能)」

https://help.autodesk.com/view/RVT/2025/JPN/?guid=GUID-696F54DF-C6E0-46EA-8549-D7DCE944CF3F

*10 Autodesk Support「Revit 2025 製品の動作環境」

https://www.autodesk.com/jp/support/technical/article/caas/sfdcarticles/sfdcarticles/JPN/System-requirements-for-Revit-2025-products.html

*11 Autodesk Support「Interoperability Engine Managerにより、2025のオートデスク製品をインストール中に「エラー1603」」

https://www.autodesk.com/jp/support/technical/article/caas/sfdcarticles/sfdcarticles/JPN/2025-products-install-error-1603-due-to-Interoperability-Engine-Manager.html

*12 Autodesk Support「Revit 2025を起動または使用すると、ランダムに応答しなくなり、クラッシュする」

https://www.autodesk.com/jp/support/technical/article/caas/sfdcarticles/sfdcarticles/JPN/Random-unresponsiveness-and-crashes-when-starting-or-using-Revit-2025.html

*13 Autodesk Support「Revit モデルを新しいリリースにアップグレードする方法」

https://www.autodesk.co.jp/support/technical/article/caas/sfdcarticles/sfdcarticles/JPN/Revit-Upgrading-a-project-to-a-newer-release.html

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